EQを高めてバーンアウトを防ぐ10の方法

-文献名-
Ten Strategies for Building Emotional Intelligence and Preventing Burnout
FPM January/February 2018

-要約-
EQ(Emotional Intelligence)のコンセプトは1990年に精神科医のPeter Salovey, PhD, and John D. Mayer, PhD,によって以下のように定義された。
• (自分と他人の)感情に気づく能力
• 感情を用いて思考を促進する能力
• 感情(の原因、意味、思考や行動との関係)を理解する能力
• 特定のゴールに達するために感情をマネージする能力

Daniel GolemanはEQをこのように表現している。
• Self-awareness — the ability to recognize and understand personal moods, emotions, and drives,
• Self-management — the ability to control or redirect disruptive impulses and moods,
• Empathy — the ability to understand the emotional experiences and responses of others,
• Relationship skills — the ability to build rapport and manage relationships.

EQは患者ケアに役立つだけでなく、リーダーシップの必須コンピテンシーともみなされている。

生まれつきのものと学習するものの両方の要素がある。
EQを高める10の方法は以下の通り。
1.自分の1日のなかでのintentionを明らかにする
 例)「穏やかにしよう」
2.セルフケアの練習をする
3.感情のチェックをする
 自分はどう感じているのか?顔はどうなっている?胸は?胃は?
4.ゆっくりする
 数秒でも止まることで自己制御感を得る 深呼吸もよい
5.好奇心を持つ
6.すべての感情のスペースを作る
7.read the room
8.人を頼る
9.謝る
10.はじめと終わりをきちんとする
 あいさつなど

【開催日】2018年6月6日(水)

組織内での影響力をどう高めるか? 〜7つのスキル〜

-文献名-
Franko, J. P. How to Lead Up in Your Organization. Family Practice Management, 2017, 24.6: 6-9.

-要約-
多くの医師は勤務医であり,大きな組織の中で何らかの役割を担っている。
「Leading Up」とは、Michael Useemの著書にある概念で、組織の中の(特に直属の)上司が行う意思決定に影響を及ぼす能力のことを指す。上司のリーダーシップに不安や不満を持つことは往々にしてある。なぜなら彼らはリーダーシップだけで今の立場に立っているわけではないから。上司の欠点を指摘するのは簡単だが、たいてい有効・健全ではない。代わりに、7つのスキルを用いて自分たちのリーダーシップを高めることで組織に良い影響をもたらすことができる。

1. Develop emotional intelligence(EI)
天性のものもあるが、EIは努力して高めることができる。EIとは、自分と他者の感情をモニターし、感情の違いを認識し、適切にラベリングし、思考や行動に応用することの能力である。特に自分の感情をモニターすることは重要である。感情のままに突っ走ってしまうと大抵問題が起こる。感情的反応を抑制するためにはself-awarenessを高めることが大事で、どんな時に自分の感情のボタンが押されるのかを知っておくとよい。そして、反応が起こりそうな時には「停止ボタン」を押す。例えば、深呼吸をする、唇をタップする、他の人に「もっと教えて」と言う、など。

2. Use power and politics for good
「power:権力」や「politics:決まりごと」は良くも悪くも組織内の関係性に影響を与える。個々人のもつpower、politics、関係性を正確に評価する必要がある。

3. Choose being effective over being right
医師は、正しくあろうとする特徴がある。しかしこれが組織への影響力を弱めることがある。「正しいこと」を証明しようとして多くの争いが起こっている。勝った方は満足するが、人間関係は悪化する。正しさと影響力を天秤にかけて考える必要がある。また、「正しいこと」の基準は人によって異なる。意見の相違に直面したときは、論争を始めるのではなく、体を向けて好奇心を持ち、他者の見方と価値観を理解するための質問をしていく。それによって、問題よりも関係性を重要視していることが伝わり、事態を収束に向かわせる。こういうことを行っていると、上司からは「bridge builder」や「positive cintributor」として見られることになる。

4. Be intentional and prepared
組織内での影響力を増すには、心の中のゴールを意識し目的を持って自分の言葉や感情を用いることが大事である。また会議やプレゼンの前には十分に準備をする。

5. Help your supervisor
まずは上司のauthorityとpowerのリミットを理解する。上司の意思決定能力や指示能力を過剰評価することは珍しくはない。上司はしばしば様々な制限を受けているのだが、それに気づかずフラストレーションを溜めてしまうことがある。次に、上司のニーズとゴールを理解する。そして自分の問題を上司目線で捉えてみる。上司を飛ばしてさらに上司にアプローチするのはやめたほうがいい。

6. Disagree without being disagreeable(感じよく反対する)
聞き飽きた表現かもしれないが、win-winの解決策を探ることは重要である。コモングラウンドが見つからない場合、無理して結論を出さずに意見の違いを認め合うのがよい。また、人を避難するのではなく物事を問題と捉えるよう心がける。

7. Don’t expect credit
自分のアイデアが全員からの賞賛を得ることを期待するとうまくいかない。アイデアをシェアすることで蒔いた種は、上司や他のリーダーが取り込んだときのみ芽を出す。そしてしばしば上司やチームのアイデアとして示される。そんなときは自分の手柄にこだわるのではなく、アイデアが走り出したことを幸せに感じるのがよい。

【開催日】2017年12月6日(水)

デザイン思考の進化

-文献名-
濱口秀司.デザイン思考を超えるデザイン思考.ハーバードビジネスレビュー.2016年4月号:P27〜39.

-この文献を選んだ背景-
 システム思考と対をなすデザイン思考についてここ3年ほど独学を進めてきた。一定の理解を得ていたが、実践ではいまひとつ納得がいかない部分があり、それはユーザー観察からのインサイトの発見だった。提起購読しているHBRに上記の文献があり、この点について新しい見方を提唱していたので読んでみた。

-要約ー
<デザインの歴史>
 D:広義のデザイン。設計を意味し、ビジネスにおける問題解決やコンセプト・戦略・マーケティングの設計を指す
 d:狭義のデザイン。商品やロゴ、広告や添付における形や美的スタイル

 G:Group 組織やグループで作り上げる
 g:genius 一人の天才が作る
福井先生図

 左上はレオナルドダヴィンチのような、究極的にマルチなアーティスト兼戦略家。この人はほとんどいない。
 左下はいわゆるデザインファーム。デザイン学校の成績優秀者が独立し始める。
 右下は25年前から狭義のデザインを個人の才能ではなくチームで作ろうとしてきた会社のこと。これがIDEOが代表。グループで作るのでプロトコルが必要であり、そこで注目されたのが「ユーザー中心デザイン」。天才でない人にも良いものをデザインできる体制になった。ニーズの本質を見つける、ユーザーベースで考える、ひな形を作る、行動観察調査をするなど。
 右上は、ここ10年くらい、一部のデザインファームがビジネス上の問題解決などを設計する手法としてデザインを捉え始めた。これがデザイン思考である。つまりデザイン思考とは、「デザイナー以外のためのユーザー中心デザイン」と言える。

<イノベーションの3要件>
 1)見た事、聞いた事がない
 2)実行可能である  
 3)議論を生む(賛成と反対の意見どちらもある)

 ニーズの本質から生まれてくる一般的なデザイン思考は、0から1を生むよりは、1を改善・改良するのに適しているが、イノベーションには適していない。

<イノベーションに適したデザイン思考>
 既存のデザイン思考=DTn (Design Thinking driven by needs)
 新しいデザイン思考=DTf (Design Thinking driven by framework)
福井先生図2

 DTnは最後のアイデアが面白いかどうかを判断する時に、何らかのフレームワークを用いて判断してる。ステップDTfは作り手が持つバイアスを、
フレームワークを探すことで見つけ、そのバイアスを破壊するアイデアを考える。
詳細:
 1)バイアスを破壊するアイデアを生む
   構造がないと破壊できない。
   例ⅰ)複数のアイデアをa,b二つの軸で分ける。このa,bが根源的なバイアスであればそれを破壊するアイデアは検討がつけやすい。

   例ⅱ)ブレスト
     ブレストの3要素=アイデア  ブレスト  両者の連結
     Lv1:どんどんアイデアを出し、最も面白いアイデアを多数決で決める方法(I2I=Idea to Idea;chaotic)。
         デメリット:イノベーティブなアイデアは賛否を分けるものなので多数決で決められない。
         メリット:直感的な良さが出る。
     Lv2:Lv1で出てきた面白いアイデアを何かの軸で面白い理由を明確にする。それをさらに抽象化する(P2I=Perspective to Idea;
        structured)。論理的な良さを加える。
     Lv3:Lv2の複数の抽象化された切り口を組み合わせて構造化し包括的なモデルを作る。
        例:切り口を二つ選び、それぞれの切り口の軸をクロスさせ4マスを作るなど
     Lv3+:そこで出てきた包括的モデルの中で、今まで見たことのない、作られたことのないところはどこか考える(破壊する)

 2)ニーズを付加する
    生まれたアイデアのユースケースを想定する、想定外のニーズが付加される場合もある

 3)意思決定を行う
    不確実性を伴う意思決定が必須。
    ⅰ)プロトタイプを作成し、100人の潜在顧客に見せて、購買意向を持つか否か。ユーザー需要性調査ではない(どんな機能が欲しいか、
      いくらがいいかなど、ではない)。値段も仮店舗も宣伝も設定した上で「本当に買うのか」に絞って調査する。
    ⅱ)ディシジョンマネジメントを行う(正味現在価値を算出する)。

-考察とディスカッション-
Q1:皆さんが何か新しいプロジェクトを動かしたり、新しいプロダクトを作り出したりする時に、どんな思考過程で実施していますか?
Q2:その思考過程によってイノベーティブなアウトカムは得られていますか?
Q3:デザイン思考は(DTn及びDTfどちらでも)、皆さんの思考過程と親和性はありますか?
Q4:デザイン思考はイノベーティブなアウトカムを得るために有用だと思いますか?

【開催日】
 2016年3月23日(水)

プロフェッショナルマネージャーの仕事はたった1つ

―文献名―
高木晴夫.プロフェッショナルマネージャーの仕事はたった1つ.2013.かんき出版.223p

―要約―
【マネジメントは経営資源を配分する仕事】
 マネジメントという仕事は、ヒト、モノ、カネ、情報という4つの経営資源を、部下を中心とした人々に「配る」ことの繰り返しである。若手(現場)マネージャーが配るもののうち最も大切なものは「情報」である。

【部下が目標達成するために必要とする5つの情報】
 マネージャーが部下に配る情報とは、部下が目標を達成するために必要となる情報である。これには次の5つがある。
  1. 状況情報:会社や部署の市場におけるポジションや現在の業績、合併や提携の話など
  2. 方向性情報:会社や部署がどちらに向いていくか
  3. 評価に関する情報:上司であるあなたからの評価、顧客からの評価
  4. 個別業務情報:業務の手続きや規則をどうするか
  5. 気持ち情報:上司であるあなたの気持ちを適切に伝える

【「配る」が部下の動機付けをあげる】
 マネージャーには4つの仕事がある。⑴部門目標の達成、⑵部下への仕事の割り振り、⑶部下の教育・育成、⑷部下の動機付け、である。このうち、最も大切な仕事は「⑷部下の動機付け」である。マネージャーの仕事は「すでにいる部下」に「仕事を与える」ことからはじまるため、仕事を与える前から、その部下が動機付けを高く持っていてくれることが必須になる

 情報を配ることは部下の「動機付け」に極めて重要である。動機付けのメカニズムはシンプルで、Aさんが自分の仕事に対してなんらかの「働きかけ」を行うと、仕事から「手応え」が戻ってくること。この条件さえ保たれていれば、動機付けは高く維持される。この「働きかけ」と「手応え」というサイクルをまわすときに、次のような疑問を持ち、それを理解し、結論を得ようとする。

 ① どんな状況で、それがどんな意味をもつのか
 ② なぜその仕事を担当するのか
 ③ その仕事はどう評価されるのか
 ④ 上司であるあなたは何を考えているのか

 上司の見える範囲の高さは部下よりも上の階層からの視点になり、部下よりも格段に物事がよく見えている。だから、上司は自分が見えているものを部下に配ることで、部下により正確で正しい「認識」(①ー④のこと)を持ってもらえる。補助業務の人は、自分の仕事が目標達成の役に立ってはいるものの、その手応えというのが本人のところには戻らないため、ますます情報を配る重要性が高くなる。

―考察とディスカッション―
 ここまでで、現場マネージャーが配分する経営資源は主に情報であること、情報を配ることは部下が目標を達成したり、動機づけるために特に重要であることを確認した。

<ディスカッション>
 1. 部下を動機付けるために、部下にはどんな情報が足りていなくて、どんな情報を配ればよいか、意識していますか?
 2. あなたが部下に①−④に関する情報を配っている場合は、それによって部下は動機づけられていると感じますか?もしそう感じない場合は、
   それはなぜだと思いますか?
 3. プレイイングマネージャーはマネージャーとして機能するための時間が限られているため、情報を配ることがおろそかになりかねませんが、
   ここがおろそかになるとチームが機能不全に陥る可能性が高まります。情報を配ることがおろそかにならないように、皆さんが取り入れている
   工夫にはどんなものがありますか?

【開催日】
 2016年2月17日(水)

企画実現への攻撃と処方箋

―文献名―
ジョン・P・コッター,ローン・A・ホワイトヘッド,庭田よう子 訳.「ハーバード流企画実現力」.2011.日経BP社.221p.

―要約―
優れたアイディアを守る、通説と一件相反する5つの原則
i. 攻撃させることによって周囲の関心を引き付ける
 反対意見を閉出すと、企画を進行させるために十分な共感や賛同が聴衆の中で高まるだけの注意を集められないため。
ii. 簡潔明瞭で良識にあふれた対応をする
 膨大なデータや論理を駆使して反対者をやり込めない。聴衆の関心が離れてしまう。
iii. 敬意を持って接する姿勢を聴衆に示す
 聴衆から反感を買わないようにすることが重要。
iv. 少数の攻撃者よりも聴衆の反応を観察する
 攻撃に対峙する際、真の問題の核心となるのは大多数の人々の反応である。
v. 事前に準備する
 企画に対する攻撃の基本戦略は「混乱」、「遅延」、「嘲り」、「不安をあおる」である。24の攻撃とその対応について準備しておく。

<24の攻撃とその対応(抜粋)>
1.「これまでうまくやってきたのに、どうして変える必要があるのか?」

 対応:確かにそうかもしれないが、状況に適応しなかった者がやがて滅びた例を誰もが知っているはずだ。

4.「わたしたちが失敗したと行っているも同然だ!」
 対応:あなたがたは必要なツールもない状態で、本当に素晴らしい仕事をしていると言っているのだ。(どちらか一方が正しいではなく、どちらも正しいという方向に導く)

6.「これについてはどうか、あれについては?これは、あれは・・・・・・・・?」
 対応:よいアイデアでも、それが新しいアイデアであれば、確実に答えられない多くの疑問が提起されるものだ。(確実に答えられない質問を反対者に多く語らせず、やんわり遮る)

7.「その提案は度を超している」「十分とは言えない」
 対応:これからこのアイデアより正しい方向へ踏み出せるし、これ以上遅れることなく進めるはずだ。(方向性の一致を利用して遅延の企てに対抗する)

10.中核をなす価値観を捨て去ろうとしている」
 対応:このプランは、わたしたちの伝統的価値観を守るために絶対的に必要なものだ。

14.「どうだ!これは否定できまい!(提案者が知らない厄介ごと)」
 対応:その重要性は誰も否定できない。確かにわたしたちはその問題を詳しく調べていない。だが、これまで見つけた潜在的な問題は容易に解決できた。それを踏まえると、新たな問題も、これまでの問題と同様に対処可能という自信がある。(その場で答えようとするのは得策ではない)

16.「かつて試したことがあるが、うまくいかなかった」
 対応:過去はそうだったかもしれない。しかし、状況は変化すると、わたしたちの提案はその内容とまったく同じものでもない。(シンプルに対応すべし、違う点を詳細に示す必要はない、新たな反撃を生む)

18.「よいアイデアだが、今はふさわしいタイミングではない」
 対応:絶好のタイミングというのは、気分が盛り上がり、何かを実現するために全力を注ぎたいと大勢の人が思うときであり、まさに今がそのときだ。

20.「ここではうまくいくはずがない。わたしたちはほかとはちがうのだから!」
 対応:わたしたちはみんなちがうが、一方でまったく同じところもある。

―考察とディスカッション―
 本書は反対者を駆逐する方法ではなく、反対者がいるなかで、その他大勢をどのように巻き込んでいくかについての方法を説いている。ともすれば反対者を論理でねじ伏せるような対応がとられがちだが、本書は企画実現のための効果的な立ち振る舞いとはどのようなものなのかを考える一つの視点を提供している。

<ディスカッションポイント>
皆さんは反対意見にあった際にどのような行動をとっていることが多いだろうか?
そしてその行動は果たして効果的に機能しているのだろうか?

【開催日】
2015年1月21日(水)

情動の敏捷性

―文献名―
スーザン・デイビッド,リスティーナ・コングルトン.不安や疑念と向き合うスキル ガティブな感情をコントロールする法.ハーバード・ビジネス・レビュー10月号 p118-125

―要約―
 物事を肯定的に考え、明るく振る舞ったほうがよいと思っていても、胸の内では批判や疑念、不安など否定的な考えや感情が生まれてくるものだ。それ自体は健全な心の働きだが、問題は否定的感情に囚われ、がんじがらめになることだ。この点において、優れたリーダーは自分の思考や感情をうまく制御する「情動の敏捷性」(emotional agility)を身につけている。このスキルを養うための認知行動療法に基づく4つの方法−自分の思考パターンを認識する、湧き起こる考えや感情に名前をつける、それらを受け入れる、価値観に基づいて行動する−について論じる。
 社会通念上、やっかいな考えや感情は職場では排除すべきものとされている。経営幹部、とりわけリーダーは感情を表に出さず平然としているか、明るく振る舞うかしなければならない。自信をみなぎらせ、胸の内に湧き起こるいかなる否定的思考や感情も振り払うべきなのである。
 しかし、これは人間の本質に反することだ。健全な人間なら、だれでも胸の内でさまざまな考えや感情が生まれるし、批判や疑念、不安も生じる。これは単に、我々の心が本来の機能を果たそうとしているだけである。つまり、先を見通し、問題を解決し、落とし穴となりそうなものを避けようとしているのだ。
 優れたリーダーたちは自分の内側で起きていることを鵜呑みにしたり押し殺そうとしたりすることはない。むしろそれらに気を配り、自分の価値観に基づいた生産的な方法で向き合う。すなわち、我々が呼ぶところの「情動の敏捷性」を養っているのだ。

(1) 自分のパターンに気づく
 情動の敏捷性を養う第一段階は、内なる考えや感情に囚われたら、それに気づくことである。これは難しいが、すぐにわかる手がかりがある。一つは思考が硬直的になり、堂々めぐりすることだ。また、自分の思考が繰り返し語る内容に覚えがあり、まるで過去の経験が甦ったかのように感じられる。何かを変えようとする前に、自分が袋小路に迷い込んでいることに気づかなければならない。

(2) 自分の考えや感情に名前をつける
 自分の考えや感情に囚われると、それにばかり気を取られて、頭がいっぱいになる。その考えや感情を吟味する余裕がなくなってしまうのだ。自分の置かれている状況をより客観的に検討するための一つの戦略として、名前をつけるというシンプルな作業が役立つかもしれない。スペードを「スペード」と呼ぶように、湧き上がってきた考えを「考え」、感情を「感情」と名づけるのである。
 たとえば、「同僚が間違っている。彼は頭にくる」という思いが込み上げてきたら、「私は同僚が間違っているという考えを持ち、怒りを感じている」とする。名前をつけることで、自分の考えや感情が、ありのままに捉えられるようになる。つまり、今後役に立つかどうかはわからない一時的なデータ・ソースとなる。

(3) 自分の考えや感情を受け入れる
 制御の反対は受容である。あらゆる考えに逐一反応したり、否定的な思いに甘んじたりせずに、自分の考えや気持ちに心を開いて向き合い、注意を向け、それを味わうようにする。ゆったりと深呼吸を10回繰り返し、その瞬間に起きていることに注目するとよい。
 こうすることで気持ちは楽になるが、必ずしも満足感が得られるとは限らない。それどころか、いかに自分が取り乱しているかを身に染みて感じることもあるだろう。大事なのは、自分自身(そして他者)に思いやりの気持ちを示し、現状が実際にどうなっているかを吟味することである。自分の内と外で、何が起きているのだろうか。

(4) 価値観に基づいて行動する
 やっかいな考えや感情から解放されると、選択肢が広がる。自分の価値観に即して行動することを決められるようになるのだ。
 我々はリーダーたちに、実効可能性(workability)という概念に注目することを勧めている。あなたの対応は、あなた自身やあなたの組織に長期的にも短期的にもメリットをもたらすか。それは、全体的な目的を前進させる方向に人々を導くうえで助けになるか。あなたは、何よりもなりたかったリーダーや、何よりも送りたいと思っていた人生に向かって前進しているだろうか。
 頭のなかで思考はたえず流れ、気持ちは天気のように移り変わる。だが、価値観はいついかなる状況でも指針とすることができる。

やっかいな考えや感情を遮断することは不可能である。優れたリーダーたちは内側で起きていることに気づいているが、それに囚われてはいない。彼らは内なる資源を解き放つ術を心得ており、自身の価値観に即した行動に全力を傾けている。

【開催日】
2014年10月22日(水)

どんな組織にもある2つの欠陥

―文献名―
ジョン・P・コッター.村井章子 訳.「企業変革の革新」.150-194.日経BP社.2009

―この文献を選んだ背景-
新しい組織で新しいことをやるということは、つまり変革を手動するということである。このテーマを意識するようになり「適応のリーダーシップ」(ハイフェッツ)や「変革のリーダーシップ」(コッター)を参考にしていたが、コッターが提唱する「危機感」についての考え方は、イノベーションを起こせずに廃れていったほとんどの組織にとってあてはまるのではないかと思われる。こうした概念を企業転落の予防線として知っておくことは、あらゆるリーダーにとって重要と考え、この場で共有することとした。

―要約―
企業変革のプロセスの第一段階は「危機感を生み出す」ことである(※詳細はコッターの企業変革の8段階を参照)が、ほとんどの組織がこの第一段階でつまずいている。本当の危機感を理解するためには、その反対の概念を知っておくとよい。「自己満足」と「偽の危機感」が、それである。

1.自己満足
 ■自己満足はなぜ生まれるのか?:
過去の成功体験から生まれることがほとんど。
 ■自己満足するとどう考えるようになるか?:
自分が自己満足に陥っているとはまず考えない。「やるべきことは自分が一番よく知っている」「やるべきことはわかっているが、しかし容易ではない」「自分はやるべきことをやっているが、上手くいかないのは他に(上司に、他部門に、競合に)問題があるせいだ」と考える。
 ■自己満足するとどう感じるようになるか?:
変化を恐れ、現状に執着する。
 ■自己満足すると、どう行動するようになるか?:
言葉ではなく行動にはっきり現れる。「このままでいい」と思っているので、外からの脅威を見逃すし、新たな機会を探そうとしない。関心の対象が内向きになり、変化のスピードが鈍感になる。過去に上手にいった事をいつまでも続けようとする。

2.偽の危機感
 ■偽の危機感はなぜ生まれるのか?:
失敗経験または、現実の危機の重圧から生まれることがほとんど。
 ■偽の危機感を抱くとどのように考えるようになるか?:
混乱し、思考停止に陥る。経営陣や上司がいたずらに危機感を煽っていると考えたりする。
 ■偽の危機感を抱くと、どう感じるようになるか?:
不安(自分はこの先どうなるのだろう)や恐れ(こうなったのは誰のせいだ)を感じ、焦って行動する結果、疲労感や徒労感を覚える。
 ■偽の危機感を抱くと、どう行動するようになるか?:
思いつくままに次々に行動に移す。一見すると精力的に活動しているため、本当の危機感に基づく行動と取り違えやすい。しかし偽の危機感に駆られた行動は「行動のための行動」であって、よい結果に結びつかないことがきわめて多い。会議に次ぐ会議で疲れ切る。組織にとって重大な脅威や有望な機会にフォーカスするのではなく、他人を攻撃したり保身に走ったりする。

自己満足と偽の危機感を突き止めるチェックリスト
✓重要な事柄を経営陣がほとんど関与しないタスクフォースに任せたりしていないか?
✓重要な取り組みをはじめようというときに、関係者のスケジュール調整がつかないということがないか?
✓社内の裏工作やお役所的な事務手続きで重要なイニシアチブが滞っているのに、そのまま放置されていないか?
✓重大な問題に関する会議で、何も決まらずに先送りにされることはないか?
✓議論が社内の人事など内向きなことに終始し、市場・技術・競争等が話題に上らないということはないか?
✓会議に次ぐ会議で時間をとられ、大事なことがおろそかになったりチャンスを逃したりしていないか?
✓脅威や機会の存在を示すデータに対し、偏った事実や断片的な事実に基づく議論が展開され、最終的にそちらが優勢になることはないか?
✓過去の失敗から学ぶのではなく、過去の失敗を盾にとって新たな試みが阻害されることはないか?
✓真剣な議論の最中に、皮肉なジョークやしらけた発言が飛び出すことはないか?
✓重要なイニシアチブの一環として割り当てられた仕事が、中途半端に終わったり形だけになったりしていないか?

―考察とディスカッション-
ハイフェッツが提唱する「適応のリーダーシップ」では、リーダーシップは「人々を困難な仕事に向き合わせること」であるとしている。困難な仕事に向き合うという作業については、メンバーはもとより、リーダー自身にも重荷を強いるとこになる。さて、リーダーが本当に必要な作業に向き合えていないとすれば、そこは自己満足や偽の危機感が存在する可能性が少なくないと考えるが、あなたの組織ではどうだろうか?

【質問】
「あなたが関わる組織は、変わるべきですか?変わらない出来ですか?」
「変えるとすれば、何を変えるべきですか?その意見は組織の中でどのようにみなされていますか?」
「あなたは本当に必要な作業に、向き合えていますか?向き合えていないとすれば、それはなぜですか?その理由は過去の経験の影響をどの程度受けていますか?その過去の経験はいつまでも成り立つものですか?」
「本当に必要な作業に向き合うことで、何を為しえることができ、それにはどのような代償を伴いますか?」
「あなたの周囲の人間は、あなたが本当に必要な作業に向き合っていないと思っていませんか?周囲のどんな行動からそれを読み取ることができますか?」

【開催日】
2014年10月15日(水)

ダイアローグスマート 肝心なときに本音で話し合える対話の技術

―文献名―
ケリーパターソン,ジョセフ・グレニー,ロン・マクミラン,アル・スウィツラー.ダイアローグスマート 肝心なときに本音で話し合える対話の技術.2010

―この文献を選んだ背景―
院内勉強会のニーズ調査のためのアンケートで、コミュニケーション法や自分に怒りや敵意をぶつけてくる相手の対処方法が知りたいというニーズがあった。以前にダイアローグについて聞いた事があり、ニーズに適していると感じ、ダイアローグの勉強会を企画するため本書を読んだ。

―要約―
序文
 筆者らが「緊迫した会話」と呼ぶ重要かつ難しい会話に適切に対応することで、お互いの関係性が深まり、高い次元での絆が生まれる。本書では「緊迫した会話」に適切に対応するための手法(ダイアローグ)を段階的に掘り下げている。

第1章 緊迫した会話とは何か、それは何故重要か
 大きな利害関係、意見の対立、強い感情が存在すると何気ない会話が緊迫した会話に変化する。その会話が重要であればあるほど上手く進めることが難しい。緊迫した会話を避けたり、不適切に扱うとキャリア、組織の運営、人間関係、健康など幅広い側面に影響する可能性がある。

第2章 会話の達人になる−ダイアローグの驚くべき力
・論争になったり感情的になったりしている場面で、会話が成功するときは必ずその場にいる人々の本音が自由に行き交う状態になっている。
・自由に自分の思いを打ち明けることで、バラバラな個人の思いをひとつの思いのプール(共有の思いのプール)として蓄積する。
・共有の思いのプールが大きければ大きいほどグループとして正しい決定が可能になる。 

第3章 自分から始める−欲しいものに集中する
・自分から始める:自分が直接変えることが出来るのは自分だけということを思い出す
・自分が本当に欲しいものに集中する:自分はどんな動機から行動したのかを問う
・愚かな選択を避ける:欲しくないものを明確にして欲しいものと対立させる

第4章 状況をみる−安心の揺らぎに気づく
緊迫した会話では以下の3つの状況を探す
・緊迫してきた状況:自らの身体、感情、行動の変化に注目する
・安心を揺るがす問題に注意する(沈黙、口撃)
・ストレス時の自己のスタイルに注意する

第5章 安心させる−何でも話せるようにする
・本題から離れる           
・安心のどの部分が揺らいでいるか見分ける:共通の目的、相互の敬意
・必要なら謝る             :敬意を冒したときは誤る
・コントラスト化で誤解を訂正する    :意図しないことを話し次に意図することを話す
・双方の目的が相反していたらCRIBを使う :commit(共通の目的を見いだす決意),recognize(手段の奥にある目的を理解),invent(共通の目的を創る),brainstorm(新たな手段をブレインストーミングする) 

第6章 ストーリーを創る−感情に流されずにダイアローグを続ける
強い感情が原因で沈黙や口撃から抜け出さなくなったら以下をためす
・行動のプロセス(事実➡認知➡感情➡行動)を逆さにたどる:行動の自覚、感情の見極め、事実に立ち返る
・新しいストーリーを創る

第7章 プロセスを告げる−摩擦を起こさずに説得する
話しにくいメッセージや自分の正しさを確信しているため強引に押しすぎるかもしれないと思うときにはプロセスを告げるSTATEを使う:share(事実を共有する)、tell(自分のストーリ−を話す)、ask(相手のプロセスを尋ねる)、talk(仮説として話す)、encourage(チャレンジを奨める)

第8章 プロセスを引き出す−激怒する相手、だんまりを決め込む相手から引き出す

第9章 行動につなぐ−緊迫した会話を行動と結果に結びつける

【開催日】
2014年7月23日(水)

チームと心理的安全

―文献名―
エイミー・C・エドモンドソン.野津智子 訳.「チームが機能するとはどういうことか」.150-194.英治出版.2014.

―要約―
■2003年,アメリカで「コロンビア号の悲劇」と呼ばれる事件が発生した.NASAが打ち上げたシャトルが大気圏に再突入する際に燃え上がり,7人の宇宙飛行士が命を落とした.この件について,エンジニアは打ち上げ前にシャトルの欠陥について懸念を示したが,事故は起こってしまった.これは,チームが機能しなかった例である.ここで特に問題となったのか,チームに心理的安全に関する問題があったことである.

■心理的に安全な環境では,何かミスをしても,そのために他の人から罰せられたり,評価を下げられたりすることはないと思える.手助けや情報を求めても,不快に思われたり恥をかかされたりすることはない,とも思える.そうした信念は,人々が互いに信頼し,尊敬し合っているときに生まれ,それによって,このチームでははっきり意見を言ってもばつの悪い思いをさせられたり拒否されたり罰せられたりすることはないという確信が生まれる.

■病院をはじめリスクの高い組織を広く研究して明らかになったのは,ルールと必要な手順があるだけでは,心理的安全に欠けているために発見も修正をされない間違いが完全になくなることはないということである.それは,人々が故意にルールを破るからではない.私たちが微妙な方法で不確実性を理解したり,職場で互いのことを見たりしているからなのである.

■職場で直面する4つのイメージリスクの不安によって,積極的に意見を言うかどうかが強力に左右される.それは,1.無知だと思われる不安,2.無能だと思われる不安,3.ネガティブだと思われる不安,4.邪魔をする人だと思われる不安,である.

■心理的安全は従業員一人ひとりの性質ではなく単一体としてのチームを特徴づける.ミスについて話し合ったときに理解や関心が示された経験を共有していれば,何か失敗しても冷笑やあざけりを受けることはないと人々は思うだろう.心理的安全は個人の性格の違いによるものではなく,むしろリーダーが生み出すことができるし,生み出す努力をすべき職場の特徴によって生じるということなのである.

■職場での心理的安全によって7つの明確なメリットがもたらされる.それは,1.率直に話すことが促される,2.考えが明晰になる,3.意義ある対立が後押しされる,4.失敗が緩和される,5.イノベーションが促される,6.成功という目標を追求する上での障害が取り除かれる,7.責任が向上する,である.

■パフォーマンスについて強いプレッシャーを与えることが優れた結果を確実に生む最良の方法だという誤った,しかし善意から生まれることの多い信念に従うマネージャーは,従業員が不安のあまり、アイデアを提案したり,新しいプロセスを試したり,支援を求めたりできない環境を,知らぬ間に生み出してしまっている.仕事が明確でかつ個人プレーであるなら,このやり方でもうまくいく.しかし不確実性や共同する必要性がある場合には,生み出されるものは成功ではなく不安である.

■グループや部署内での地位が低い人は一般に,高い人に比べてあまり心理的に安全だと思っていないことが,研究によって明らかになっている.その結果,地位の低い人は,よくわからないことがあるときや,ミスをしたために非難されるのではないかと不安なときや,厄介な問題を言い出せないときや,自分のスキルが尊重されていない気がするときに,ほかの人に相談することが少なくなる.これらができるように計らうのがリーダーの務めであるが,リーダーはしばしばエンパワーメントを説くが,階級や地位の違いによって生まれる不安に気づいていないかもしれず,結果として,エンパワーメントのメッセージを心理的に安全な環境の中で確実に伝えるために十分には手を尽くせていない場合がある.そのつもりはなくとも,リーダーは自分の意見に対し,疑問を正直に口にすることよりもむしろ支持を求めることによって,意義ある反対意見を述べようと言う人々の意欲をそいでしまうことが少なくない.

■出来事に対するリーダーの反応によって,適切で安全な行動について他のメンバーが抱くイメージに影響が及ぼされる.チームリーダーがメンバーの支えとなり,助言を惜しみなく与え,疑問や挑戦に対して身構えなければ,このチームの環境は安全だとメンバーが感じる可能性が高くなる.逆に,リーダーが独裁主義者かすぐ罰を与えたがる人のように振る舞うと,他のメンバーの心理的安全が低くなり,結果として,メンバーは集団的な取り組みに力を尽くそうとしなくなってしまう.

■心理的安全は,経験の共有を通して育つ共通の感覚である.あらゆるレベルのリーダー,あらゆるタイプの組織のリーダーが,「問題があればいつでも話に来なさい」とか「私の部屋のドアはいつでもオープンです」などと言うだろう.しかし,多くの場合,具体性に欠けるそうした言葉では意義ある変化を起こすことは不可能だ.心理的に安全な環境は支持や指針やスローガンを使ったところで生み出すことはできない.心理的安全の高い仕事の仕方や状況を作るには,リーダーは行動しなければならないのである.

■リーダーは,メンバーを尊敬していることを,とりわけメンバーが持っている専門知識やスキルを認めることによって,はっきり伝えなければならない.対照的に,リーダーが独裁者のような態度をとったり,なかなか会えなかったり,自身の弱さを認められなかったりすると,メンバーはアイデアを共有したりミスを検証したりしたがらなくなってしまう.

■心理的安全を高めるリーダーシップ行動を挙げる.1.直接話のできる親しみやすい人になる.2.現在持っている知識の限界を認める.3.自分もよく間違うことを積極的に示す,4.参加を促す(意見を求める),5.失敗は学習する機会であることを強調する,6.具体的な言葉を使う,7.境界を設ける(どんな行動が非難に値するか明確にしておく),8.境界を超えたことについてメンバーに責任を負わせる.

【実施日】
2014年7月2日(水)

巻き込む技術

―文献名―
「巻き込む技術」  大和出版  2014.2 桑畑幸博

―要約―
①この人の話なら聞いてみよう」と周りとの距離を縮める。
 ・本題に入る前に相手に耳を傾けてもらう環境を作る。(つかみが重要)
 ・計画的に顔をうることが重要。
 単純接触効果:接する回数が多いとその対象に好感をもちやすくなる。(ロバート・ザイアンス 1968)巻き込みたい相手に好感を抱いてもらう。ただし、自分が否定的感情を持たない対象との接触という前提条件あり。(正像と鏡像、本人は見慣れた鏡像のほうが好き。)
 ・第一印象は大事、汚名返上は難しい。
 初頭効果:最初の情報から形成される第一印象が、その後の情報の「受け取り方」に影響を与える。(例:印象形成実験 知的で勤勉で頑固な人 vs 頑固で勤勉で知的な人 印象は?) 
 ・ 自分の個性を知り、相手に頼る。
  いい人そうだと感じてもらえる個性を意識する。
  明るい、真面目そう、優しそう…、寡黙、謙虚なども含まれる。(寡黙だけど聞き上手とか。)
  ハロー効果:役に立ちそうだと感じられる知識やスキル、経験(役職なども)
  返報性:自分を好きな人を好きになる、自分を嫌いな人を嫌いになりやすい。
  まずは相手のどこかよいところを探して自分から好きになることで相手からも好感を抱いてもらう。
  好感を抱く相手に「頼る」傾向がある。頼られて嫌な気分になる人は少ない。(自分から相談を。)
 ・共通点が多いと好感をいだきやすい。
 過去の事実:出身地、過去に参加したイベントや趣味
 その場の振る舞い:ミラーリング、間合い
 考え方のベクトル:共感(共感したふり、共感しずぎも注意)
 ※否定的反応(いや、でも)は耳を傾ける環境が整ってから。
☆参考:ニューカムのABXモデル

②「これは他人事じゃない」と周りに当事者意識を持たせる
 ・当事者意識がない人は巻き込めない、なぜ当事者意識をもてないか?
 代表例は「自分に自信がないため積極的に関わろうとしないタイプ」
 当事者になるのを避けている、役になっている実感がない
 (環境:叱ってばかりで褒めない上司の下で働いていると「どうせ頑張っても」という気になる)
 このタイプは褒められた経験だけでなく感謝された経験も少ない人が多い。
 →ほめる、感謝することで「役になっている実感」が得られれば当事者意識がもてるようになる。
 「失敗を恐れる、守備範囲を決めて積極的に関わらないタイプ。」
 リスク回避思考、手段の目的化に陥っているタイプ
 仕事の意味がわかれば役になっているという実感がわく。
 →意味を示し、様々な立ち場で考えてみること。
  失敗にもメリットがあることを示す。(セーフティーネット:責めない、再チャレンジの機会)
 「関係ないね、という当事者意識ゼロのタイプ。」
 実は関係があることを理解させる方法
 ・因果関係を丹念に追いかける(回り回って関係することは多い)
 ・他人ごとを自分たちに当てはめる
 (明日は我が身、似た立ち場:
  他部門や他業界で起こっていることが自分の立ち場で起こる可能性を考えさせる。)

③「たしかにその通りだ」と周りに理解・納得させる
 ・理屈で納得させる
 伝えるべきことをまとめる。まとめるグルーピング(整理)とラベリング(要約)を繰り返す。
 「論理のピラミッド」 結論を複数の根拠で支え、根拠を示す具体的情報で支える。
  上から下に「なぜならば」、下から上に「したがって」で繋がる。
 ・たとえ話でわかりやすく伝える。
 たとえ話を論理のピラミッドで組み立てる。

④「やるしかないでしょ」と周りをその気にさせる
 ・理屈を心が後押しする
 「ワクワク」という高揚感、「ヤバい」という危機感のような相手の感情を刺激する。
 プラスの感情とマイナスの感情のどちらを刺激するとこの人は動いてくれるのかを考える。
  プラスの感情:喜び、楽しみ、期待感、高揚感、安心感、充実感
   →変革志向:現状に満足しないが飽きっぽい、気が短く忙しくしていないと不安なタイプ
  マイナスの感情:怒り、悲しみ、危機感、挫折感、不信感、焦燥感
   →現状維持志向:我慢強く現状への不満は受け入れる、どちらかといえば面倒くさがり、慎重
 ・因果関係を示す。
 長期的・間接的な影響や結果を丹念に追いかける。
 ・ストーリーテリング:あえてメッセージを明示せず相手に答えてもらう。その答えに「その通り!」
 (例:さて、彼は何に気をつければよかったと思いますか?)

⑤「あ、そうすると…」と周りに気づかせる
 ・閉じた質問で確認する
 抽象的な発言は「たとえば」と具体例を挙げて、具体例だけの発言は「要するに」と要約して言い換える。
 本当ですか?という疑う問いかけ。
 ・開いた質問で考えさせる、気づかせる
 広く考える=たくさんの答えを出す、深く考える=掘り下げる・突き詰める

⑥「これからもこいつと」と上司を継続的に巻き込む
 ・対立する思惑に対して「どちらも間違ってはいない」ことを認める。
 立ち場や価値観に基づく優先順位が違うだけ。両者が合意できる共通点を見つけ提示する。
 (似た者どおしの雰囲気を作る)
 共通点を対立する思惑の「上:共通する目的」と「下:一緒にできること」を見つける。
 ・反感を買わない
 どんな話でも最後まで聞く、聞いている途中で否定的な反応をしないこと。
 批判は冷静に論理的に。
 ※質問の形をとる指示に注意。
 「○○したほうがいいと思うんだけど。君はどう思う?」
 こう聞かれてもまずは否定せず受け止めて、代案など自分の考えを述べる。
 ・非言語情報センサー

☆回りを巻き込むにふさわしい大義はあるのか?を考える。(回りへの影響を考える。)

【開催日】
2014年5月7日(水)

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