配偶者の入院後の死亡率

【文献名】
著者名:Nicholas A. Christakis, Paul D. Allison. 
文献タイトル:Mortality after the Hospitalization of a Spouse.
雑誌名・書籍名: N Engl J Med 
発行年:354;719-30, 2006. 

【要約】
<Background>
The illness of a spouse can affect the health of a caregiving partner. We examined the association between the hospitalization of a spouse and a partner’s risk of death among elderly people.

<Methods>
We studied 518,240 couples who were enrolled in Medicare in 1993. We used Cox regression analysis and fixed-effects (case?time?control) methods to assess hospitalizations and deaths during nine years of   
follow-up.

<Results>
Overall, 383,480 husbands (74 percent) and 347,269 wives (67 percent) were hospitalized at least once, and 252,557 husbands (49 percent) and 156,004 wives (30 percent) died. Mortality after the hospitalization of a spouse varied according to the spouse’s diagnosis. Among men, 6.4 percent died within a year after a spouse’s  hospitalization for colon cancer, 6.9 percent after a spouse’s hospitalization for stroke,7.5 percent after a spouse’s hospitalization for psychiatric disease, and 8.6 percent after a spouse’s hospitalization for dementia. Among women, 3.0 percent died within a year after a spouse’s hospitalization for colon cancer, 3.7 percent after a spouse’s hospitalization for stroke, 5.7 percent after a spouse’s hospitalization for psychiatric
disease, and 5.0 percent after a spouse’s hospitalization for dementia.  After adjustment for measured covariates, the risk of death for men was not significantly higher after a spouse’s hospitalization for colon cancer (hazard ratio, 1.02; 95 percent confidence interval, 0.95 to 1.09) but was higher after hospitalization for stroke(hazard ratio, 1.06; 95 percent confidence interval, 1.03 to 1.09), congestive heart failure (hazard ratio, 1.12; 95 percent confidence interval, 1.07 to 1.16), hip fracture(hazard ratio, 1.15; 95 percent confidence interval, 1.11 to 1.18), psychiatric disease(hazard ratio, 1.19; 95 percent confidence interval, 1.12 to 1.26), or dementia (hazardratio, 1.22; 95 percent confidence interval, 1.12 to 1.32). For women, the various risks of death after a spouse’s hospitalization were similar. Overall, for men, the risk of death associated with a spouse’s hospitalization was 22 percent of that associated with a spouse’s death (95 percent confidence interval, 17 to 27 percent); for women, the risk was 16 percent of that associated with death (95 percent confidence interval, 8 to 24 percent).

<Conclusions>
Among elderly people hospitalization of a spouse is associated with an increased risk of death, and the effect of the illness of a spouse varies among diagnoses. Such interpersonal health effects have clinical and policy implications for the care of patients and their families.

【開催日】
2012年8月15日

日本における未破裂脳動脈瘤の予後

【文献名】
著者名:The UCAS Japan Investigators. 
文献タイトル:The Natural Course of Unruptured Cerebral Aneurysms in a Japanese Cohort. 
雑誌名・書籍名:N Engl J Med 
発行年:2012; 366:2474-2482

【要約】
<BACKGROUND>
The natural history of unruptured cerebral aneurysms has not been clearly defined.

<METHODS>
From January 2001 through April 2004, we enrolled patients with newly identified, unruptured cerebral aneurysms in Japan. Information on the rupture of aneurysms, deaths, and the results of periodic follow-up examinations were recorded. We included 5720 patients 20 years of age or older (mean age, 62.5 years; 68% women) who had saccular aneurysms that were 3 mm or more in the largest dimension and who initially presented with no more than a slight disability.

<RESULTS>
Of the 6697 aneurysms studied, 91% were discovered incidentally. Most aneurysms were in the middle cerebral arteries (36%) and the internal carotid arteries (34%). The mean (±SD) size of the aneurysms was 5.7±3.6 mm. During a follow-up period that included 11,660 aneurysm-years, ruptures were documented in 111 patients, with an annual rate of rupture of 0.95% (95% confidence interval [CI], 0.79 to 1.15). The risk of rupture increased with increasing size of the aneurysm. With aneurysms that were 3 to 4 mm in size as the reference, the hazard ratios for size categories were as follows: 5 to 6 mm, 1.13 (95% CI, 0.58 to 2.22); 7 to 9 mm, 3.35 (95% CI, 1.87 to 6.00); 10 to 24 mm, 9.09 (95% CI, 5.25 to 15.74); and 25 mm or larger, 76.26 (95% CI, 32.76 to 177.54). As compared with aneurysms in the middle cerebral arteries, those in the posterior and anterior communicating arteries were more likely to rupture (hazard ratio, 1.90 [95% CI, 1.12 to 3.21] and 2.02 [95% CI, 1.13 to 3.58], respectively). Aneurysms with a daughter sac (an irregular protrusion of the wall of the aneurysm) were also more likely to rupture (hazard ratio, 1.63; 95% CI, 1.08 to 2.48).

<CONCLUSIONS>
This study showed that the natural course of unruptured cerebral aneurysms varies according to the size, location, and shape of the aneurysm.

【開催日】
2012年8月8日

クリニカル・パールとは何か

【文献名】
著者名:春田 淳志、錦織 宏
文献タイトル:クリニカル・パールとは何か.
雑誌名・書籍名:JIM
発行年:P562?565, vol.22 no.8 2012-8

【要約】
クリニカル・パールの定義・基準

  Mosby’s Medical Dictionary 8th edition 2009では”A short, straightforward piece of clinical advice(短く単刀直入な臨床上のアドバイス)”、Whitmanは”Creative Medical Teaching, a compilation of definitions and discussions of individual items of medical education(創作的な臨床教育、すなわち、教育実践の場にある個々の記述・議論の集合体)”と定義している。クリニカル・パールを扱った721文献のレビューでは、11の論文がパールの特徴についてディスカッションされ、そのうち5つの論文に定義が記載されているが、共通した包括的な定義は明確になっていない。

  一方、クリニカル・パールについて、Mangrulkarらは以下の4つの基準を示している。

1) ある患者から得られた情報の中で、他の患者に対しても一般化出来るものである。
 一般化に関しては常にその範囲と程度を考慮する必要がある。

2) 経験豊富な優れた臨床医から得られるものである。
 誰が経験豊富な優れた臨床医なのかを判断することは難しいが、ジョンズ・ホプキンス大学のウィリアム・オスラー卿や、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のローレンス・ティアニー先生などが提唱したパールは日本だけでなく、多くの国の医師に受け入れられている。週刊誌等の一般雑誌に掲載された医師ランキングや教授だからといった社会的地位などで判断することは慎みたい。いったんつくられたクリニカル・パールは今の時代、ネット上の書き込みなどで伝わっていき、その情報源を確かめる術がないこともある。現場では指導医から後期研修医に、後期研修医から初期研修医にというように伝わって、疑問視されず受け入れられることもある。クリニカル・パールのようなパッケージ化された情報やトップダウン式の情報伝達は、批判的思考を抑えたり自己正当化の手段として使われてしまったりする可能性もある。自分自身が間違えたラベリングを行っていないかどうかについて常に振り返り、情報源を評価する必要がある。

3) あまり知られていない知識をうまく伝える事が出来る。
 この基準も非常にあいまいである。専門家のほとんどは知っているが研修医は知らないことをパールということもあるだろうし、パールはよく知られるようになればパールではなくなることもある。指導医として言語化されていない事をパールとして伝える事に長けた人もいるが、この「言語化能力」は良い指導医に求められる能力の一つと言っても良いかもしれない。

4) 注意を惹きインパクトのあることが最も重要であり、簡単で、理解しやすく、覚えやすくあるべきである。
 クリニカル・パールは1973年、Norman Milerが提唱したFactoids(事実のようなもの)とも表現される。Factoidsというのは、「証明されていないが、繰り返し印刷されたり放送されたりして信用を得たもの」である。証明されるというよりも、受け入れられるということが特徴である。
(Mangrulkar RS, et al : What is the role of the clinical “pearl”? Am J Med 113 : 617-624, 2002)
  これらの点を十分に理解した上で、臨床医は診療ツールとして、また指導医は指導のツールとして、クリニカル・パールを使う。
クリニカル・パールと科学的思考における推論
  科学的思考には、演繹と帰納という2種類の推論が含まれている。臨床現場では、科学的思考におけるこれら2種類の推論をうまく組み合わせることが必要である。つい演繹的思考で書かれたエビデンスをもとにして内的妥当性を考える事が科学的思考と考えてしまいがちだが、帰納的なクリニカル・パールも臨床現場では有用な情報であり、これらを発信しデータの量を積み重ねる事もリサーチクエスチョンとして質的検証していくのも、重要な科学的任務の必要であるといえるかもしれない。

クリニカル・パールと臨床教育

  臨床教育のツールとして使用する時には、以下の4つの基準で判断するのがよいといわれる。
① 情報源の妥当性の検討

② エビデンスとの比較
 すべてのパールにエビデンスを調べるのは実際的ではないが、検証する姿勢は持つべきである。

③ 安全性と費用対効果の検討:特に治療に関して

④ 実践性・転用可能性の検討
 高安病のマネージメントについてはプライマリ・ケアの雑誌よりもリウマチ科にとって役に立つ情報だろうし、専門家は皆知っているが研修医が知らないことであれば、研修医を指導する時には役に立つ情報になるだろう。集団・背景においてそのパールが転用可能かどうか、一般化の範囲を検討して発信することも必要である。

 これまでのレビューではクリニカル・パールの包括的で明確な定義は記載されていないが、Mangrulkarの4つの基準は参考になる。パールのような短く包括的で分かりやすい情報は受け入れやすく、盲目的になりやすいが、適応に関しては情報源・信憑性・安全性・費用対効果などを考慮し、一般化の程度と範囲に留意する必要がある。もし、無批判的にパールを適応するとそれが患者へのリスクとなることもありうる。

【開催日】
2012年8月8日

骨折の予防に必要なビタミンD摂取量のプール解析

【文献名】 
著者名:Heike A. Bischoff-Ferrari, MD et al
文献タイトル:A Pooled Analysis of Vitamin D Dose Requirements for Fracture Prevention
雑誌名・書籍名:N Engl J Med
発行年: 2012; 367 : 40 – 9. 

【要約】
<背景>
ビタミンD補給量と骨折の減少の関係について、メタアナリシス研究の結果は一致していない。

<方法>
研究者たちは65歳以上の人の対象者にカルシウム併用と非併用のビタミンD補給者(毎日、週1回、4カ月毎)とプラセボ、カルシウム単独投与を行った11の二重盲検RCT試験のデータをプールした。
プライマリエンドポイントは年齢層、性別、住居タイプ、試験で補正したCox回帰分析を行い、大腿骨頸部や非椎体骨折の発生率とした。主要目的は,すべての試験の治療群のビタミン D の実際の摂取量(各被験者の治療遵守と,試験プロトコール外でのサプリメント使用を含む)の四分位群のデータを,対照群と比較すること。

<結果>
31022人の人(平均年齢76歳、91%が女性)のうち1111人が大腿骨頸部骨折を発症し、3770人が非椎体骨折を発症した。無作為に割り付けられたビタミンD投与群の参加者と、コントロール群に割り付けられた参加者との比較では有意差はなかった(ハザード比 0.90,95%信頼区間 [CI] 0.80~1.01)が大腿骨頸部骨折の発症のリスクが10%低下し、非椎体骨折のリスクは7%の減少を認めた(ハザード比 0.93,95% CI 0.87~0.99)。実際の摂取量の四分位群では,骨折リスクの低下は摂取量が最大の群(中央値 800 IU/日,範囲 792~2,000)にのみ認められ,大腿骨近位部骨折リスクは 30%低く(ハザード比 0.70,95% CI 0.58~0.86),あらゆる非椎体骨折リスクは 14%低かった(ハザード比 0.86,95% CI 0.76~0.96)。ビタミン D 摂取量が最大の群における有益性は,年齢層,住居タイプ,ベースラインの 25-ヒドロキシビタミン D 値,カルシウムの追加摂取で規定したサブグループ間でほぼ一貫していた。

<結論>
高容量のビタミンD補給(800IU/日)は65歳以上の人において大腿骨頸部骨折や非椎体骨折の予防にいくらか有用である。

【開催日】
2012年8月1日

訪問診療

【文献名】
著者名:和田忠志
文献タイトル:在宅医療
雑誌名・書籍名:臨床入門
発行年:2009年5月1日 第一版

【要約】
序論:現在の在宅医療
旧来の『往診』による在宅医療と『現在の在宅医療』
旧来の往診:急病に対する往診 現在の在宅医療:定期往診と24時間対応

<歴史的背景>
1970年まで:自宅での医療水準と外来での医療水準は同等
1970年以降:技術進歩により緊急に検査を駆使して行う「救急外来」が高水準の医療を提供
病院隆盛の時代となったがその一方で「スパゲティ症候群」「植物状態」「転院問題」「DNAR」
「転院先老人病院の治療および環境問題」など様々な問題が指摘された。
    1970-1980年代:
病院での治療が有効で無くなったがなお重い障害を持つ患者や治癒不能な癌患者に対応する医師
が全国各地に現れた。その時のスタイルが定期往診と24時間対応という現在の在宅医療の原形で
あり当初は病院から発祥し病院医療を補完する機能を有していた。
  そして近年高齢化(高齢障害者の増加と癌患者の増加)に伴い在宅医療が要請される時代となり、 
  国は在宅医療に対し並々ならぬ推進意欲を見せ、2006年に在宅療養支援診療所制度が発足した。
  
1在宅医療の導入
<初診の往診依頼に対する考え方>
・初診の急性期疾患に対する依頼があった場合往診はそれほど有用な技術ではないため基本は断る
・例外として往診を受けるメリットがデメリットを上回ればリスクを了承してもらった上で往診する
 <訪問診療導入面接>
 ・治療関係の明確化、大まかな治療方針の確認、病院からの事前情報収集

2.診察
 ・普段との比較が重要であるため普段からバイタルサインや意識状態はもとより、全身を良く見る
 ・自宅での動きを診ることの重要性、複数医師による診察のメリット

3.検査
 ・身体所見と血液検査を中心とした検査の有用性と限界を理解した上で在宅医療を実施すること
 ・新しく始める場合はポータブルレントゲン、腹部超音波、血液ガス検査装置は揃えなくても良い
 ・有力な連携病院をもち、必要に応じて在宅医療と病院を使い分けながら検査を行う方法をもつことが重要

4.家族のエンパワメント
 ・在宅医療は、家族介護力に依拠する医療形態であり、「家族を支える」ことは在宅医療の根幹に関わる技能である。指導するというニュアンスより、家族のポテンシャルを引き出すことが理想。
 ・家族の境遇、家族の方法論、家族の構造変化を知ることが大切

5.緩和ケア 主に癌患者を中心に
・患者は自分の治療やデータについて知っているが、自分の運命について認識が乏しい場合が多い
・対話を繰り返し患者の本心の希望を聞く、疾患が治癒しないことに患者と共に向き合うことが重要
・家族の忍びない気持ちや恐怖感、罪悪感、介護の疲労を理解し声かけを行う。

6.24時間対応
・有効な24時間対応は日中の医療水準によって決定される。
・あおぞら診療所(220-240名)の18時-9時までの臨時往診回数は月に8.9回
・電話を受ける手法:受け手をだれにするか?医師、留守電、事務当直、訪問看護

7.訪問看護師との連携
・医療機関から行う訪問看護と訪問看護ステーションから行う訪問看護
・中心静脈栄養、人工呼吸器、経管栄養、腎膀胱留置カテーテル、褥創などのケア指導は訪問看護師に積極的に行ってもらうと上手くいくことが多い
・訪問看護ステーションとの情報交換:直接的な電話、連携カンファレンス

8.薬局連携と処方
・かかりつけ薬局を持ってもらうことで、その薬局もお得意様として患者さんを長期にわたり大切にするという関係が築ける

9.歯科連携
・栄養状態や誤嚥性肺炎予防の観点から歯科の重要性
・どのような情報を提供する(診断名、血液媒介感染症情報、処方情報、抗生剤の使用について)

10.社会資源活用
・障害者福祉制度の活用:身体障害者交付のための診断書を記載できることが望ましい
・長期生活支援資金貸付制度:65才以上で土地評価額が1000万以上であり低所得世帯が対象

11.後継者を養成する
・学生に診療鞄を持たせることで患者さんが学生を傍観者ではなく、診療介助者として認識する
・学生にカルテを書かせる。メモをとるのは車内でおこなうようにしてもらう。
・振り返りを行う
・看護師同行診療、臨時往診研修(訪問看護に同行)、症状が安定した患者の診療(指導医が30分以内で駆けつけることが出来るようにする)

【開催日】
2012年6月13日

Typical Electronic Health Record Use in Primary Care Practices and the Quality of Diabetes Care Literature

【文献名】
著者名:JC. Crosson, PA. Ohman-Strickland, D J. Cohen, EC. Clark, and BF. Crabtree.
文献タイトル:Typical Electronic Health Record Use in Primary Care Practices and the Quality of Diabetes Care. 
雑誌名・書籍名:Ann Fam Med
発行年:May/June 2012 10:221-227.

【背景】
We implemented Secom’s EHR system into our 6 clinics these 4 years. But we could not always make use of its potential function as central portal system of medical information to improve our quality of care in daily practice. So, I am interested in this type of research to change our usage style of EHR. How can we find better use of EHR?

【要約】
<PURPOSE>
Recent efforts to encourage meaningful use of electronic health records (EHRs) assume that widespread adoption will improve the quality of ambulatory care, especially for complex clinical conditions such as diabetes. Cross-sectional studies of typical uses of commercially available ambulatory EHRs provide conflicting evidence for an association between EHR use and improved care, and effects of longer-term EHR use in community-based primary care settings on the quality of care are not well understood.

<METHODS >
We analyzed data from 16 EHR-using and 26 non-EHR-using practices in 2 northeastern states participating in a group-randomized quality improvement trial. Measures of care were assessed for 798 patients with diabetes. We used hierarchical linear models to examine the relationship between EHR use and adherence to evidence-based diabetes care guidelines, and hierarchical logistic models to compare rates of improvement over 3 years.

<RESULTS>
EHR use was not associated with better adherence to care guidelines or a more rapid improvement in adherence. In fact, patients in practices that did not use an EHR were more likely than those in practices that used an EHR to meet all of 3 intermediate outcomes targets for hemoglobin A1c, low-density lipoprotein cholesterol, and blood pressure at the 2-year follow-up (odds ratio = 1.67; 95% CI, 1.12-2.51). Although the quality of care improved across all practices, rates of improvement did not differ between the 2 groups.

<CONCLUSIONS>
Consistent use of an EHR over 3 years does not ensure successful use for improving the quality of diabetes care. Ongoing efforts to encourage adoption and meaningful use of EHRs in primary care should focus on ensuring that use succeeds in improving care. These efforts will need to include provision of assistance to longer-term EHR users.

【ディスカッション】
<PURPOSE>
Recent efforts to encourage meaningful use of electronic health records (EHRs) assume that widespread adoption will improve the quality of ambulatory care, especially for complex clinical conditions such as diabetes. Cross-sectional studies of typical uses of commercially available ambulatory EHRs provide conflicting evidence for an association between EHR use and improved care, and effects of longer-term EHR use in community-based primary care settings on the quality of care are not well understood.

<METHODS>
We analyzed data from 16 EHR-using and 26 non-EHR-using practices in 2 northeastern states participating in a group-randomized quality improvement trial. Measures of care were assessed for 798 patients with diabetes. We used hierarchical linear models to examine the relationship between EHR use and adherence to evidence-based diabetes care guidelines, and hierarchical logistic models to compare rates of improvement over 3 years.

<RESULTS> 
EHR use was not associated with better adherence to care guidelines or a more rapid improvement in adherence. In fact, patients in practices that did not use an EHR were more likely than those in practices that used an EHR to meet all of 3 intermediate outcomes targets for hemoglobin A1c, low-density lipoprotein cholesterol, and blood pressure at the 2-year follow-up (odds ratio = 1.67; 95% CI, 1.12-2.51). Although the quality of care improved across all practices, rates of improvement did not differ between the 2 groups.

<CONCLUSIONS>
Consistent use of an EHR over 3 years does not ensure successful use for improving the quality of diabetes care. Ongoing efforts to encourage adoption and meaningful use of EHRs in primary care should focus on ensuring that use succeeds in improving care. These efforts will need to include provision of assistance to longer-term EHR users.

【開催日】
2012年6月20日

心血管疾患のPrimary Preventionにおけるスタチンの効果

【文献名】
著者名:Dean A. Seehusen et al. 
文献タイトル:Statins for Primary Cardiovascular Prevention: Cochrane for Clinicians Putting Evidence to Practice.
雑誌名・書籍名:American Family Physician.
発行年: 2011; 84(7): 767-769.

【要約】
<ケース>
54歳の男性が健診の目的で受診した。特記すべき既往歴はなく、喫煙なし、心血管疾患の加増歴なし。投薬なし。BMIが26であることを除けば身体診察に異常は認められない。Tcho 256mg/dl HDL 51mg/dl LDL 162mg/dl。あなたは彼のコレステロールレベルを下げるためにスタチンを投与することを考慮したが彼の心血管イベントのリスクが下げられるかどうか疑問に思った。

<臨床上の疑問>
スタチンは冠血管疾患の既往のない人の心血管系疾患イベントを減らすか?
<エビデンスに基づいた解答>
これまでの臨床研究ではスタチンは総死亡、心血管系疾患の複合アウトカム、血行再建術を減少させることを示してきた。しかしながら、多くの臨床研究は多数の心血管疾患の既往を持つ患者が含まれている。初回の心血管系イベントの予防に対するスタチンの効果を示す正確なエビデンスは不足している。

―Cochrane systematic reviewの要約―
<目的>
心血管疾患の既往のない人におけるスタチンの効果(benefitとharm双方)を評価する。
(文献検索の方法)
検索の労力が重複することをさけるため、過去のシステマティックレビューの一覧をチェックした。その後、Cochrane Central Register of Controlled Trials (Issue1, 2007)、Medline(2001-2007年3月)、EMBASE(2003-2007年3月)を検索した。言語による制限はしなかった。
(文献選択の基準)
1年以上スタチンを投与し6か月以上のフォローアップを行った成人を対象としたランダム化比較試験。LDLコレステロール、HDLコレステロールどちらを測定していても良いこととした。心血管疾患の既往のある患者が10%以下の試験を選択した。
(データ収集と分析)
2名の著者が独立して作業を行った。アウトカムには総死亡、致死的・非致死的冠血管疾患、心血管疾患、脳卒中、複合エンドポイント、総コレステロール値の変動、血行再建術、副作用、QOL、コストが含まれた。
非連続データとしてRelative risk (RR) 、連続データとしてpooled weighted 平均値の差(95%CIも)を計算した。
(結果)
14のランダム化比較試験(34,272人)が選択された。11の試験が特定の条件下にある患者(脂質の上昇、糖尿病、高血圧、微量アルブミン尿)を対象としていた。スタチンの投与により総死亡は減少(RR=0.83; 95%CI 0.73-0.95)、致死的・非致死的心血管系疾患の複合エンドポイントも同様に減少(RR=0.70; 95%CI 0.61-0.79)した。血行再建術についても同様の結果(RR=0.66; 95%CI 0.53-0.83)であった。総コレステロール値、LDLコレステロール値はすべての試験において減少していたが、その程度は不均一であった。スタチンの投与による重大な副作用やQOLに対する確実なエビデンスは得られなかった。
(結論)
スタチンは重大な有害事象を増やすことなく総死亡、心血管系疾患の複合エンドポイント、血行再建術を減少させることが示されたが、有害事象を報告していない試験や心血管系疾患を既往に持つ患者を含んでいたり、選択的にアウトカムを報告しているものも認められた。スタチンによるPrimary preventionが費用対効果に優れているか、患者のQOLを改善するかと言う点に関しては限られたエビデンスしかない。心血管系疾患のリスクの低い患者に対してスタチンを投与することについては慎重であるべきである。

<コメント>
 このレビューは心血管系イベントのPrimary preventionにスタチンは有効ではないことを示しているわけではないが、心血管疾患を有さない患者におけるスタチン使用を懸念する文献の注目すべきギャップに焦点を当てている。初回の心血管系疾患を予防するためにスタチンを投与するかどうかを決定する際にはすでに妥当性が評価されているFramingham risk scoreによる患者のリスク評価がしっかり行われるべきであろう。リスクが非常に高い患者ではスタチンの投与は有効であろう。中等度、軽度リスクの患者ではスタチン使用の有効性が明らかではないため、患者にはこのエビデンスのギャップを伝え、心血管系疾患の予防効果の可能性と、薬を飲む不便さ、コスト、有害事象について議論した上で投与を決定すべきである。

【開催日】
2012年6月27日

プライマリ・ケアは死亡率低下に寄与するか?

【文献名】
著者名:Anthony Jerant et al.
文献タイトル:Primary Care Attributes and Mortality: A National Person-Level Study. 
雑誌名・書籍名:Ann Fam Med.
発行年:January/February 2012 vol. 10 no. 1 34-41

【要約】
<PURPOSE>
Research demonstrates an association between the geographic concentration of primary care clinicians and mortality in the area, but there is limited evidence of a mortality benefit of primary care at the individual patient level. We examined whether patient-reported access to selected primary care attributes, including some emphasized in the medical home literature, is associated with lower individual mortality risk.

<METHODS>
We analyzed data from 2000?2005 Medical Expenditure Panel Survey respondents aged 18 to 90 years (N = 52,241), linked to the National Death Index through 2006. A score was constructed from 5 yes/no items assessing whether the respondent’s usual source of care had 3 attributes: comprehensiveness, patient-centeredness, and enhanced access. Scores ranged from 0 to 1 (higher scores = more attributes). We examined the association between the primary care attributes score and mortality during up to 6 years of follow-up using Cox survival analysis, adjusted for social, demographic, and health-related characteristics.

<RESULTS>
Racial/ethnic minorities, poorer and less educated persons, individuals without private insurance, healthier persons, and residents of regions other than the Northeast reported less access to primary care attributes than others. The primary care attributes score was inversely associated with mortality (adjusted hazard ratio = 0.79; 95% confidence interval, 0.64?0.98; P = .03); supplementary analyses showed mortality decreased linearly with increasing score.

<CONCLUSIONS>
Greater reported patient access to selected primary care attributes was associated with lower mortality. The findings support the current interest in ensuring that patients have access to a medical home encompassing these attributes.

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【開催日】
2012年6月27日

血圧は左右で測るべきか?

【文献名】
著者名:Clark CE.et al. 
文献タイトル:Association of a difference in systolic blood pressure between arms with vascular disease and mortality: a systematic review and meta-analysis.
雑誌名・書籍名:Lancet. 
発行年:2012 Mar 10;379(9819):905-14.

【要約】
<背景>
両腕の収縮期血圧の差が10mmHgもしくは15mmHg以上あることは末梢血管障害と鎖骨下動脈狭窄と関連がある。本研究はこの血圧の差と中枢性もしくは末梢性血管障害、ならびに死亡率との間の関連性について調査したものである。
European Society of hypertension、European Society of Cardiologyのガイドラインでは上腕血圧の左右差は末梢血管障害に起因するということをいっており、まずはじめに確認するようにという推奨があるが、それらを正当化するエビデンスに欠けていた。(この点がnovelであり、かつrelevantな点だと思われます。)

<方法>
2011年7月以前に出版されたMedline, Embase, Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature, Cochrane, and Medline In Process databasesから、左右上腕の収縮期血圧の差について記されたもので、かつ鎖骨下動脈狭窄、末梢血管障害、脳血管障害、心血管障害、もしくは生存率についてデータがあるものを検索した。左右の上腕間の収縮期血圧とそれぞれの結果の間にある関連性を統合するために変量効果モデル※(random-effect model)を用いた。

※個々の研究における問題設定は異なっているものの、類似した問題設定をもつ研究が密接に関連する一群をなすと想定。各々の研究は、ある問題に関する全ての研究のランダム抽出されたサンプルとして取り扱う。

<結果>
28の研究が同定され、うち20に対してメタアナリシスを実施した。
侵襲的な研究では
○血管造影を用い、鎖骨下動脈狭窄(50%以上の狭窄)を証明するためには、左右の収縮期血圧の差の平均が36?9 mm Hg (95% CI 35?4-38?4)であった。
○左右差が10mmHg以上では鎖骨下動脈狭窄(50%以上の狭窄)と強い関連性があった。(risk ratio [RR] 8?8, 95% CI 3?6-21?2、P<0.0001)。 ○冠動脈造影結果と血圧左右差には有意な相関はなかった。(RR1.1, 95% CI 0.8-1.6、P=0.64) 非侵襲的な研究において、 ○冠動脈疾患の既往と血圧左右差の相関はない(figure2) ○15mmHg以上の左右差と各疾患との関連は以下の通りであった。 末梢血管障害(9cohorts; RR2?5,95% CI 1?6-3?8; sensitivity 15%,9-23;specificity96%, 94-98) (figure4.A)   脳血管障害の既往 (5 cohorts; RR 1?6, 1?1-2?4; sensitivity 8%, 2-26; specificity 93%, 86-97) (figure3)     ただし、10mmHg以上だと有意な相関なし、 15mmHg以上でも同時測定法だと有意差なし/同時ではない測定法だと有意差あり(上記)   心血管疾患による死亡率 (4 cohorts; hazard ratio [HR] 1?7, 95% CI 1?1-2?5) (figure5)   総死亡率 (4 cohorts; HR 1?6, 95%CI 1?1-2?3) (figure5) ○10mmHg以上の左右差と各疾患との関連は以下の通りであった。   末梢血管障害 (5 studies; RR 2?4, 1?5-3?9; sensitivity 32%, 23-41; specificity 91%, 86-94)(figure4.A) <解釈> 上腕の収縮期血圧左右差が10mmHg以上、もしくは15mmHg以上により、さらなる血管評価が必要な患者の同定に役立つ。15mmHg以上の左右差は血管疾患や死亡のリスクの有用な指標になりうる。 【開催日】 2012年7月4日

DVTが疑われた高齢患者さんにおけるD-dimerのcut-off値

【文献名】
1Julius Centre for Health Sciences and Primary Care, University Medical Centre Utrecht, PO Box 85500, 3508 GA Utrecht, Netherlands;2Department of Geriatrics, University Medical Centre Utrecht
Validation of two age dependent D-dimer cut-off values for exclusion of deep vein thrombosis in suspected elderly patients in primary care: retrospective, cross sectional, diagnostic analysis
雑誌名・書籍名:BMJ 2012;344:e2985 doi: 10.1136/bmj.
発行年:e2985 (Published 6 June 2012)

【要約】
<Objective>
To determine whether the use of age adapted D-dimer cut-off values can be translated to primary care patients who are suspected of deep vein thrombosis.

<Design>
Retrospective, cross sectional diagnostic study.

<Setting> 
110 primary care doctors affiliated with three hospitals in the Netherlands.
Participants 1374 consecutive patients (936 (68.1%) aged >50 years) with clinically suspected deep vein thrombosis.

<Main outcome measures>
Proportion of patients with D-dimer values below two proposed age adapted cut-off levels (age in years×10 μg/L in patients aged >50 years, or 750 μg/L in patients aged ?60 years), in whom deep vein thrombosis could be excluded; and the number of false negative results.

<Results>
Using the Wells score, 647 patients had an unlikely clinical probability of deep vein thrombosis. In these patients (at all ages), deep vein thrombosis could be excluded in 309 (47.8%) using the age dependent cut-off value compared with 272 (42.0%) using the conventional cut-off value of 500 μg/L (increase 5.7%, 95% confidence interval 4.1% to 7.8%). This exclusion rate resulted in 0.5% and 0.3% false negative cases, respectively (increase 0.2%, 0.004% to 8.6%).The increase in exclusion rate by using the age dependent cut-off value was highest in the oldest patients. In patients older than 80 years, deep vein thrombosis could be safely excluded in 22 (35.5%) patients using the age dependent cut-off value compared with 13 (21.0%) using the conventional cut-off value (increase 14.5%, 6.8% to 25.8%). Compared with the age dependent cut-off value, the cut-off value of 750 μg/L had a similar exclusion rate (307 (47.4%) patients) and false negative rate (0.3%).

<Conclusions> 
Combined with a low clinical probability of deep vein thrombosis, use of the age dependent D-dimer cut-off value for patients older than 50 years or the cut-off value of 750 μg/L for patients aged 60 years and older resulted in a considerable increase in the proportion of patients in primary care in whom deep vein thrombosis could be safely excluded, compared with the conventional cut-off value of 500 μg/L.

【開催日】
2012年7月4日

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