世界のMBAではどんなことが学べるのか?

― 文献名 ―
 「世界最高MBAの授業」 佐藤智恵 東洋経済 2013年

― この文献を選んだ背景 ―
 フェローの2年間で経営のスクーリングを受けてきたが、まだそれを活かしきれていない現状がある。更に経営について学ぶためのいくつかの書籍を読んできたが、世界ではどんな経営学が学ばれ、どういう教育スタンダードなのかを知りたくなりこの書籍を読んだ。

― 要約 ―

  内容は、世界の名だたる大学院が提供するMBA(経営学修士)を学んだ複数の日本人留学生のインタビューである。
1章1人の留学生のインタビューで構成され、留学中に受けた授業の中で印象に残った2~3個の授業について記載してあり、それに対し筆者の考察が加えられている。特に研究という形ではなく、あくまで事例の紹介。
 筆者=インタビュアーは1970年生まれ、NHK入局後、ディレクターなどを経てコロンビア大学でMBA取得。ボストンコンサルティンググループを経て独立。
  インタビュイーの日本人は、現在20代後半30代後半までの、国内外の大手やベンチャー企業などで活躍する同年代の15人である。大学院はハーバード、スタンフォード、ノースウェスタン、MIT、デューク、ロンドンなど。

  いくつか重要と思われた箇所からカテゴリー分けして以下に抜粋する。

①リーダーシップ

 ・「リーダーが倫理的に判断する」という事は、どこかに存在する正しい答えを客観的に選択する事ではなく、
     自分の信念を確立し、それをさらけ出すことによって人を動かす事がリーダーシップである。

 ・文化別、国別の理想的なリーダーシップのスタイルがあるのではない。国や文化の垣根を越えて人を導いていくのが
    グローバルリーダーシップである。そのためには常に真正でなければならない。

 ・前向きな変化をするつもりのない経営トップがいる会社で働いているなら、別の会社への転職を考えた方がいい

 ・リーダーに必要な4つの力:
  1)自分自身の優先順位を理解し自省する力
  2)物事を多角的に見る力 
    3)自分自身をありのままに受入れ、日々を改善する力
  4)他人を尊重する力

 ・リーダーとは、人々の人生に対する深い畏れや不安を、「希望」に変える事ができる人だ。
   「この人についていけば、自分や家族のためにより良い人生を送る事ができる」「誇りを持って企業やコミュニティで
    働く事ができる」と人々に希望を与える事。(バンヤンツリーの創設者)

 ・自分が率いるチームのメンバーの顔、名前、名前の発音、経歴を覚えるという事は、帝王学の基本だ。

 ・リーダーには、自分がリーダーであるという強い当事者意識=オーナーシップが不可欠であり、
    オーナーシップを持つという事は、チームメンバーに対して「心からの思いやり、誠実さを持つという事」である。
    そうする事でチームの信頼を得て、結束力が高まり、組織を成功に導く。

 ・組織に規律をもたらしたいのであれば、リーダー自ら規律を体現しなければならない

 ・古い体質の業界であたらしい事をやろうとすると様々な抵抗にあうが、それは当然の事だ。
    その抵抗をいかにサポートに変えるかという努力こそが、改革や使命の実行には不可欠な道筋であり、スキルである。
 
  ・周りの人が「あのリーダーは私たちの組織に価値をもたらさない人だ」と感じてしまうと、実際にそのリーダーは
    価値をもたらす事ができなくなってしまう。貢献する機会が与えられないばかりか、仮に貢献してもリーダーの
    実績と認識されないからだ。

②コミュニケーション

 ・何事も正直に伝える事が一番。相手が受入れがたい事を伝えなければいけないときはなおさら。
    しかし同時に相手に礼を尽くす事もわすれてはいけない。
 
  ・組織内で苦手な人間と働く事にストレスを感じるという事は、「自分本来の自信」が確立されていない事を意味する。
    人間というのは漠然とした不安や怒りを持つ生き物。「自分本来の自信」をもって、何に対してストレスを感じているのか
    原因を特定し、日々自分で関係を改善していくしかない。
 
  ・プレゼンテーションを作り上げる上で重要な3つ:
  1)具体的なストーリーを伝える 
  2)顧客の声や調査結果を具体的に伝える
    3)チームメンバーの役割を明確にし、適切なアドバイザーを見つける

 ・人間は自分と違う人の事を「あの人は敵だ」「あの人は間違っている」と判断しがちだ。そうではなく、
    ただ違いを受入れる事が重要なのだ。その違いを受けいれる事からビジネスが始まる

 ・交渉前に国民性や人柄を確認して、交渉術を変えていけばいい。

③起業/プロジェクトマネジメント

 ・起業する目的はお金を儲ける事ではない。社会に良いインパクトを与える事だ。

 ・学んだ者は、それを活かし自分にしかできない挑戦をする権利だけでなく、挑戦する責任も伴う

 ・人生の創造には、小さなステップからでもいいので実験し、自分と自分の外の世界が相互作用しながら試行錯誤する。
    完璧を目指さないで、顧客の声を聞いてみる。失敗してもいいからある程度製品ができたら売り出してみる。

 ・リバースイノベーションとは「顧客のニーズにあった製品を現地で開発する」こと。グローカリゼーションとは
   「既存の製品を売るために現地の顧客を開拓する」こと。後者は古い。前者のマインドセットを持つべき。

 ・手を広げずに、限られた期間で成果が出せる課題に注力する

  ・プロジェクトの結果が、当初考えていたスコープの範囲だけでなくそれを越えた範囲に対しても、
    どのようなアクションに結びつき、その地域・組織にとってどのような影響をもたらすのかよく考える

 ・最初に発明したり開発したりした人や独占した技術が儲けられる時代は終わった。技術はそこにあるだけでは
    価値はない。技術と社会をつなぐ役割をするのが、オープンイノベーションだ。

 ・起業する時に必要なのは、投資家や顧客を感動させる「ストーリー」だ。ビジネスモデルも大切だが、
    どうやったら世の中にインパクトを与えられるのか、そのストーリーを考えなさい。
    イノベーションとは人間の生活を革新させるビジネスを生み出すことなのだ。

 ・日本のメーカーのマーケティングは、技術ありき、モノありき。
    ヨーロッパのブランドマーケティングはまずコンセプトありき。

④その他
 ・MITのモットー:「Think, Act, Reflect」(考えよ、行動せよ、内省せよ)

 ・自分を見つめる4つのステップ:
  1)自分がずっと変えたいと思っていて、変えられない習性や癖は何か? 
    2)変えられない事を象徴する行動は何か 
  3)変えられた自分を想像して見なさい。違和感はないだろうか 
    4)なぜ違和感を感じるのか

開催日:平成25年11月13日

23価肺炎球菌ワクチンの効果

【文献名】
ナーシングホーム入居者における肺炎予防と生存率に対する23価肺炎球菌ワクチンの効果

【この文献を選んだ背景】
 以前肺炎球菌ワクチンについて勉強した際その効果については限定的であり、肺炎予防の効果を期待した患者に積極的に勧めるにはやや不十分な効果であったように思う。施設入所患者や在宅患者に肺炎球菌ワクチンをどの程度勧めるかについて悩んでいたところBMJに肺炎球菌のRCTが発表されていたので読んでみた。

-要約-
【目的】肺炎球菌性肺炎の高リスク群で23価肺炎球菌ワクチンの効果を判定すること

【研究デザイン】前向き、無作為化、二重盲検プラセボ対照研究

【セッティング】日本のナーシングホーム

【参加者】1006人のナーシングホーム入居者

【介入】
参加者は23価肺炎球菌ワクチン(n=502)とプラセボ(n=504)のいずれかに無作為に割り付けられた。

【主要測定値】
 プライマリーエンドポイント:あらゆる原因の肺炎と肺炎球菌性肺炎の発生率
 2次エンドポイント:あらゆる原因の肺炎、肺炎球菌性肺炎、他の原因からの死亡数

【結果】
ワクチン群の63人(12.5%)に肺炎が生じ、プラセボ群の104人(20.6 %)に肺炎が生じた。
肺炎球菌肺炎と診断されたのはワクチン群では14人(2.8%)、プラセボ群では37人(7.8%)
であった。(P<0.001)
あらゆる原因の肺炎と肺炎球菌性肺炎の発症数はワクチン群よりプラセボ群のほうが著しく多かっ
た:発症率55/1000人年VS 91/1000人年(P<0.0006)と12/1000人年VS 32/1000人年(P<0.001)。 肺炎球菌性肺炎による死亡数はワクチン群よりプラセボ群で著しく多かった。 〔35.1%(13/37)VS 0%(0/14),P<0.01〕 あらゆる原因の肺炎からの死亡率〔ワクチン群20.6%(13/63)VSプラセボ群 25.6%(104/26),P=0.5〕と他の原因からの死亡率〔ワクチン群17.7%(89/502)VS プラセボ群15.9%(80/504),P=0.4〕は2つの群で差がなかった。 【結論】  23価肺炎球菌ワクチンはナーシングホーム居住者の肺炎球菌性肺炎を予防し肺炎球菌性肺炎からの死亡率を減少させた。 【開催日】 2012年10月31日

小児の市中肺炎のレビュー

【文献名】
Stucky Schrock K, Hayes BL, George CM. Community-Acquired Pneumonia in Children. American Family Physician 86(7), p661-p667, 2012.

-要約-
【病因】
2歳未満の小児ではウイルスが原因の大半を占め、年齢と共に比率が減っていく(Table1.)。小児では市中肺炎の30%~50%がウイルスと細菌の混合感染である。細菌性の市中肺炎では肺炎球菌の頻度が最も高いが、ワクチンが広く接種されるようになり重症の感染症の発生率は低下した。学齢期の市中肺炎ではMycoplasma pneumoniae、chlamydophila pneumoniae,肺炎球菌が主要な原因である。
重症事例ではブドウ球菌、とくにMRSAが原因として増えつつある。ブドウ球菌は特異的な所見がみられないため診断はチャレンジングである。 重症例や直近にインフルエンザ感染を伴う例、βラクタムやマクロライド系抗菌薬が奏功しない場合には疑うべきである。

【診断】
市中肺炎の臨床診断では第1印象が重要である。数ある肺炎を示唆する所見の中でも頻呼吸がもっとも重要なサインであり、正確に計測するために患児が静かにしている状態で、1分間フルでカウントすることが望ましい。発熱している児において頻呼吸のない場合は高い陰性的中率(97.4%)を誇る。
反対に、陽性的中率は低い(20.1%)。頻呼吸を呈している発熱児の場合、陥没呼吸や呻吟(grunting)、鼻翼呼吸、捻髪音の存在が肺炎の可能性を高くする。WHOは発展途上国でX線が利用できない環境では頻呼吸を診断の指標としている(Table 2)。
胸部レントゲン写真が診断としてよく用いられるが、陽性所見は臨床上のアウトカムや治療方針を大きく変えることにはつながらない。画像検査は診断が病歴や身体所見で診断がハッキリしないときや矛盾する結果が得られたときに有用である。画像所見で細菌性肺炎を疑うことが出来るが、特異的な所見はない。CRPやプロカルシトニン、血沈は細菌性の肺炎の診断に有用ではない。喀痰培養は採取すること難しく診断や治療のためには限定的にしか利用できない。血液培養はマネジメントを変化させることはなく、起因菌を明らかに出来ないことが多い。

【抗菌薬による治療】
市中肺炎診断時の最初の抗菌薬の選択は経験的とならざるを得ない(Table3,4)。
抗菌薬の選択は患者の年齢、疾患の重症度、よくみられる起因菌の薬剤耐性の地域性を元に判断する。
経口投与が難しいか、重度の市中肺炎でなければ抗菌薬は経口投与が望ましい。重症ではない市中肺炎の入院症例では経口のアモキシシリンとペニシリンGの経静脈投与はほぼ同等の効果を示し、費用対効果に優れたという研究がある。

治療期間
適切な治療期間はRCTにより確立されていない。多くの場合、外来における経験的治療の場合7日~10日間の治療で十分である。アジスロマイシンは5日間継続すべきである。経験的治療を開始した24~48時間後には再評価を行うべきである。経験的治療で効果がない場合、抗菌薬の選択が不適切であったか、初回投与の抗菌薬に対する耐性か、合併症の発症である可能性がある。

【対症療法】
発熱、胸痛、腹部への放散痛、頭痛、関節痛などを訴えることがある。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬を用いる。アスピリンはRye症候群のリスクがあるため用いない。

【入院治療】
小児から思春期の肺炎の入院決定は臨床的、社会的、多様な要因で決定される。4か月未満の乳児はウイルス性またはChlamydia trachomatis感染を疑う場合か無症状でこまめなフォローアップが可能でない限り原則として入院である(Table5)。

【予防】
いくつかのガイドラインが市中肺炎予防のための方法を紹介している。
頻繁な手洗い、タバコを避けること、母乳栄養の推奨、他の児童との不必要な接触を少なくすること、予防接種である。13価の肺炎球菌ワクチンが認可されている。その他インフルエンザワクチン、Hibワクチン、百日咳、水痘、麻疹ワクチンの接種が推奨される。

130122_1

130122_2

130122_3

130122_4

130122_5

130122_6

【開催日】
2012年11月14日

成員癌患者のフォローアップにおけるプライマリ・ケアの役割

【参考文献】
SV. Hudson, SM. Miller, J Hemler, JM. Ferrante, J Lyle, KC Oeffinger and RS. DiPaola. Adult Cancer Survivors Discuss Follow-up in Primary Care: ‘Not What I Want, But Maybe What I Need’. Ann Fam Med Sep/Oct 2012, 10(5):418-427.

【要約】

BACKGROUND  
Nearly one-third of office visits for cancer are handled by primary care physicians. Yet, few studies examine patient perspectives on these physicians’ roles in their cancer follow-up care or their care preferences.

METHODS  
 We explored survivor preferences through qualitative, semistructured, in-depth interviews drawing on patients recruited from 2 National Cancer Institute-designated comprehensive cancer centers and 6 community hospitals. We recruited a purposive sample of early-stage breast and prostate cancer survivors aged 47 to 80 years, stratified by age, race, and length of time from and location of cancer treatment. Survivors were at least 2 years beyond completion of their active cancer treatment

RESULTS   
Forty-two survivors participated in the study. Most participants expressed strong preferences to receive follow-up care from their cancer specialists (52%). They described the following barriers to the primary care physician’s engagement in follow-up care: (1) lack of cancer expertise, (2) limited or no involvement with original cancer care, and (3) lack of care continuity. Only one-third of participants (38%) believed there was a role for primary care in cancer follow-up care and suggested the following opportunities: (1) performing routine cancer-screening tests, (2) supplementing cancer and cancer-related specialist care, and (3) providing follow-up medical care when “enough time has passed” or the survivors felt that they could reintegrate into the noncancer population.

CONCLUSION   
Survivors have concerns about seeing their primary care physician for cancer-related follow-up care. Research interventions to address these issues are necessary to enhance the quality of care received by cancer survivors

【開催日】
2012年11月14日

認知症患者の精神症状へのリスペリドン継続使用

【文献名】
Relapse Risk after Discontinuation of Risperidone in Alzheimer’s Disease
   D.P. Devanand, et al. N Engl J Med 2012; 367:1497-1507

【要約】

BACKGROUND
   Among patients with Alzheimer’s disease who have had a response to antipsychotic medication for psychosis or agitation-aggression, the risk of a recurrence of symptoms after discontinuation of the medication has not been established. 

METHODS
   Patients with Alzheimer’s disease and psychosis or agitation-aggression received open-label treatment with risperidone for 16 weeks. Those who had a response to risperidone therapy were then randomly assigned, in a double-blind fashion, to one of three regimens: continued risperidone therapy for 32 weeks (group 1), risperidone therapy for 16 weeks followed by placebo for 16 weeks (group 2), or placebo for 32 weeks (group 3). The primary outcome was the time to relapse of psychosis or agitation. 

RESULTS
   A total of 180 patients received open-label risperidone (mean dose, 0.97 mg daily). The severity of psychosis and agitation were reduced, although there was a mild increase in extrapyramidal signs; 112 patients met the criteria for response to treatment, of whom 110 underwent randomization. In the first 16 weeks after randomization, the rate of relapse was higher in the group that received placebo than in the groups that received risperidone (60% [24 of 40 patients in group 3] vs. 33% [23 of 70 in groups 1 and 2]; P=0.004; hazard ratio with placebo, 1.94; 95% confidence interval [CI], 1.09 to 3.45; P=0.02). During the next 16 weeks, the rate of relapse was higher in the group that was switched from risperidone to placebo than in the group that continued to receive risperidone (48% [13 of 27 patients in group 2] vs. 15% [2 of 13 in group 1]; P=0.02; hazard ratio, 4.88; 95% CI, 1.08 to 21.98; P=0.02). The rates of adverse events and death after randomization did not differ significantly among the groups, although comparisons were based on small numbers of patients, especially during the final 16 weeks. 

CONCLUSIONS
   In patients with Alzheimer’s disease who had psychosis or agitation that had responded to risperidone therapy for 4 to 8 months, discontinuation of risperidone was associated with an increased risk of relapse.

130122_7

【開催日】
2012年11月7日

‘POLST'(Physician orders for Life-Sustaining Treatment) OHSU

‘POLST’ホームページ http://www.ohsu.edu/polst/
【概要】
POLSTとは
 ・Physician Orders for Life-Sustaining Treatmentの略語 
 ・’End of life'(敢えて終末期と訳しませんでした。)における医療の質の改善のために考慮されたプログラムで、患者の希望を聞き出すための効果的なコミュニケーション、色彩がはっきりした紙への行いたい医療の記載、その希望に対する医療者の遵守が土台となっている。
 ・1991年に、オレゴンにて延命治療に対する患者の希望が尊重されていないことに問題意識を感じた医療倫理分野の専門家が活動を開始し、1995年にForm(書式)が初めて出版された。
 ・現在では、オレゴン州では、POLSTを用いていることが、ケアの基準として受け入れられており、全てのホスピスと95%の高齢者施設において採用されている。2004年にはPOLSTのメンバーが、USの国のタスクフォースとして、国内への流布・政策整備・リサーチの実施のために、活動を開始した。
 ・現在のUSAにおける、POLSTプログラムの採用状況は図1のとおりである。

【POLST Formの記載内容】
 ・「POLST Oregon sample」「POLST newest 日本語」にそれぞれオレゴン州のサンプルとその日本語訳があります。
 ・確認するのは主に以下の3点
  ①心肺停止状態の時のCPRをするかどうか 日本での従来的なDNARかどうか、に該当します
  ②①ではなかった時の、医療をどこまで希望するか
    1.緩和処置のみ施行     ;対症療法のみ
    2.限定された医学的処置の施行;通常の治療を行うが、気管内挿管・長期の生命維持・ICU治療などは行わない
    3.積極的な治療       ;侵襲的な処置も全て行う
  ③人工的な栄養と輸液の投与
    1.一切行わない 2.期間を限定して行う 3.長期的に行う
  ④抗生物質投与(州によって項目として独立していない場合もあり)
   1.使用しない。症状緩和のための場合は行う
   2.侵襲的な投与は行わない(筋肉内・静脈内は行わない)   3.積極的に行う
  ⑤話し合いに参加したメンバーの記載

【実際にどのように使用されているか?】
 ・オレゴン州では、ある年齢を超えた患者全員に対して推奨されているとのこと。電子カルテのAlertとも連動しているクリニックもあるようで、聴取していない場合は、Alertが出るようにされているところもあるとのこと。
  ※HPでみる限りは、オレゴンは非常に進んでいるようで、プログラム全体としてPOLSTの推奨としているのは、「進行した慢性進行性の疾患を持っている人、翌年に死亡あるいは意思決定能力が失われる可能性がある状況にある人、また、自分が受けるケアについて意思表示を明確にしたいという要望を持っている高齢者ならだれでも」、となっています。
参考;http://www.ohsu.edu/polst/developing/core-requirements.htm
 ・実際には、希望を書いた紙を、平時は患者自宅の冷蔵庫などに貼ってあって、救急隊が現場到着した際に、その紙を同時に持っていく、というような感じになっているそうです。(外出時はどうしているのかは聞いてきませんでした)
 ・法的効果も認められており、実際にPOLSTに反して蘇生をして、生き返った当人が訴訟をしたケースもあるとのこと。
 ・記載はもちろん強制ではなく、患者(あるいは代理人)の自発的な判断に基づく、とあります。


130122_8

【開催日】
2011年11月7日

あるレジデンシーでの質的研究を用いた探索的な評価ツール開発/レジデンシー特有の能力とその熟達化を言語化し、その評価を研修場所毎に開発した軌跡

【文献名】
Baglia J et al. Generating developmentally appropriate competency assessment at a family medicine residency. Fam Med. 2011 Feb;43(2):90-8.

【要約】

BACKGROUND AND OBJECTIVES:
Ten years after the Accreditation Council for Graduate Medical Education’s (ACGME) mandate that residency programs evaluate learners’ competency, research is needed to guide efforts to meet this challenge. During an innovative residency redesign, the authors developed a process to effectively measure “competence.” This particular family medicine residency admits six residents per class year and is sponsored by an academic community hospital. Our objective was to generate developmentally appropriate observable behaviors that assess competencies.

METHODS:
Eight steps guided the development of this assessment system: 
(1) Generate residency-specific competencies, 
1. Relationship-centered care,
2. comprehensive care,
3. information literacy and knowledge creation,
4. leadership and change management, 
5. community health partnership, 
6. lifelong learning, and 
7. self care.
(2) Define residency-specific competencies, 
(3) Identify principles of assessment, 
1. direct observation is ideal and includes both assessment and feedback, 
2. multiple methods are appropriate,
3. assessment is consistent to the extent that visible behaviors are identified, and variations of interpretation are minimized, 
4. assessment and feedback are timely and expected, and 
5. effective assessment practices are dependent upon ongoing faculty development.
(4) Compose and analyze narratives of excellence within each competency, 
   
(5) Distill standard statements from narratives and organize into Dreyfus levels of competence, 

130122_1

130122_2

 (6) Derive observable behaviors from standard statements to directly correlate behaviors and competency levels, 

130122_3

(7) Design assessment tools (based on observable behaviors) for six residency learning sites, and 

130122_4

(8) Translate assessment tools for ACGME competencies.
RESULTS:
The results of this process include an assessment system that 
(1) features six tools used with strategic frequency throughout the academic year and 
(2) generates global assessment of residents’ performance in both ACGME and residency-specific competencies.

130122_5

CONCLUSIONS:
Narrative reflection was an effective method to tie observable behaviors to competencies. The process was time intensive; however, greater efficiency and enthusiasm is expected in the use of these assessment tools, with greater confidence in the program’s capacity to assess training outcomes. Future research should include comparison of these tools with those of other programs.

【開催日】
2011年11月2日

携帯電話と中枢神経系腫瘍

【文献名】
Patrizia Frei et al. Use of mobile phones and risk of brain tumours: update of Danish cohort study.BMJ 2011;343:d6387 doi

【要約】
Objective: 
携帯電話の加入者における中枢神経系の腫瘍のリスクを調査するため

Design: 
コホート研究

Setting: 
デンマーク

Participants: 
1925年以降にデンマークで生まれた30歳以上のすべてのデンマーク人。1995年以前から携帯電話に加入していたか否かでさらに区別

Main outcome measures: 
中枢神経系の腫瘍のリスク。対数線形モデルを用い年齢・教育・収入を調整した、性別による罹患率比。

Result: 
・358,403人の参加者。累積3,800,000人年。
・1990-2007の追跡にて10,729の脳腫瘍の事例。
・男女のリスクは同様
・13年以上使用している人に限定した場合、罹患率比は男性が1.03(95%CI 0.83-1.27)、女性が0.91(95%CI 0.41-2.04)
・10年以上使用している人では、罹患率比は
gliomaに関しては男性が1.04(95%CI 0.85-1.26)、女性が1.04(95%CI 0.56-1.95)
meningiomaに関しては男性が0.90(95%CI 0.57-1.42)、女性が0.93(95%CI 0.46-1.87)
・使用年数や腫瘍の解剖学的部位に容量-反応関係はみられず

Conclusion: 
このコホート研究においては、携帯電話の使用により中枢神経系の腫瘍のリスクの増大は見られなかった。

【開催日】
2011年10月26日

急性単純性虫垂炎に対して抗生剤と虫垂切除術のどちらが有効か?

【文献名】Vons C,et al. Amoxicillin plus clavulanic acid versus appendicectomy for treatment of acute uncomplicated appendicitis an open-label, non-inferiority, randomised controlled trial. Lancet. 2011 May 7;377(9777):1573-9.

【要約】
BACKGROUND: Researchers have suggested that antibiotics could cure acute appendicitis. We assessed the efficacy of amoxicillin plus clavulanic acid by comparison with emergency appendicectomy for treatment of patients with uncomplicated acute appendicitis.

METHODS: In this open-label, non-inferiority, randomised trial, adult patients (aged 18-68 years) with uncomplicated acute appendicitis, as assessed by CT scan, were enrolled at six university hospitals in France. A computer-generated randomisation sequence was used to allocate patients randomly in a 1:1 ratio to receive amoxicillin plus clavulanic acid (3 g per day) for 8-15 days or emergency appendicectomy. The primary endpoint was occurrence of postintervention peritonitis within 30 days of treatment initiation. Non-inferiority was shown if the upper limit of the two-sided 95% CI for the difference in rates was lower than 10 percentage points. Both intention-to-treat and per-protocol analyses were done. This trial is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT00135603.

FINDINGS: Of 243 patients randomised, 123 were allocated to the antibiotic group and 120 to the appendicectomy group. Four were excluded from analysis because of early dropout before receiving the intervention, leaving 239 (antibiotic group, 120; appendicectomy group, 119) patients for intention-to-treat analysis. 30-day postintervention peritonitis was significantly more frequent in the antibiotic group (8%, n=9) than in the appendicectomy group (2%, n=2; treatment difference 5•8; 95% CI 0•3-12•1). In the appendicectomy group, despite CT-scan assessment, 21 (18%) of 119 patients were unexpectedly identified at surgery to have complicated appendicitis with peritonitis. In the antibiotic group, 14 (12% [7•1-18•6]) of 120 underwent an appendicectomy during the first 30 days and 30 (29% [21•4-38•9]) of 102 underwent appendicectomy between 1 month and 1 year, 26 of whom had acute appendicitis (recurrence rate 26%; 18•0-34•7).

INTERPRETATION: Amoxicillin plus clavulanic acid was not non-inferior to emergency appendicectomy for treatment of acute appendicitis. Identification of predictive markers on CT scans might enable improved targeting of antibiotic treatment.

【開催日】
2011年10月26日












copyright© HCFM inc. all rights reserved.