認知症患者の予後:オランダでの前向き全国レジストリ研究の結果

-文献名-
Irene E van de Vorst, Ilonca Vaartjes, Mirjam I Geerlings, Michael L Bots, Huiberdina L Koek. Prognosis of patients with
dementia: results from a prospective nationwide registry linkage study in the Netherlands. BMJ Open 2015; 5:e008897.

-要約-
OBJECTIVE
国立病院の登録データに基づいて認知症の死亡リスクを報告し,一般住民や心血管疾患の死亡リスクと比較してリスクを把握すること.
DESIGN
2000年1月1日~2010年12月31日までの前向きコホート研究
SETTING
病院ベースのコホート
PARTICIPANTS
全国の病院ベースの臨床的に診断された認知症患者59,201人(病院に入院,または日中のクリニック受診)のコホートで構成された(男性38.7%,81.4歳(SD 7.0)).
MAIN OUTCOME MEASURES
日中のクリニックを受診した認知症患者について,一般集団と比較して1年および5年の年齢別および性別別の死亡リスクが報告された.
急性心筋梗塞,心不全,または脳卒中で入院した患者と比較して,認知症で入院した患者では,これらは絶対および相対リスク(RR)として表された.
RESULTS
1年死亡リスクは男性で38.3%,女性で30.5%だった.5年死亡リスクはそれぞれ65.4%と58.5%だった.
病院に入院した認知症患者の死亡リスクは,日中のクリニックを受診した患者よりも有意に高かった(1年RR 3.29,95%CI 3.16〜3.42,および5年RR 1.79,95%CI 1.76〜1.83).
一般集団と比較して,死亡リスクは日中のクリニック受診患者で有意に高かった(1年RR:女性2.99,95%CI 2.84〜3.14,男性3.94,95%CI 3.74〜4.16).
5年RRはやや低かったが,それでも有意であった.
結果は若い年齢でより顕著で,入院患者の死亡リスクは心血管リスクと同等かそれを上回っていた.
(女性の1年RR:認知症 vs AMI 1.24,95%CI 1.19~1.29,認知症 vs 心不全1.05,95%CI 1.02~1.08,認知症 vs 脳卒中1.07,95%CI 1.04〜1.10).
5年RRは同等だった.男性の場合,RRはわずかに高かった.
CONCLUSION
認知症は,他の疾患や一般集団と比較して予後が悪い.入院患者のリスクは,心血管疾患後のリスクを上回った.

【開催日】2019年10月2日(水)

プライマリケア教育診療所(内科・家庭医)における指導医の働き方の3つのモデル

-文献名-
Bodenheimer Thomas MD; Knox Margae MPH; Kong Marianna MD. Models of Faculty Involvement in Primary Care Residency Teaching Clinics. Academic Medicine. In press.

-要約-
三つのモデルとその具体例
レジデンシーは二つの同等に重要なミッション、つまり、未来のための医師を要請することと今の患者をケアすることがあるが、プライマリ・ケアの教育診療所ではこの二つはよく衝突する。
レジデントは他サイトでの業務があるし、指導医は入院担当、教育業務の準備、管理業務、研究といった他の責務があるので、常に患者の対応ができるわけではない。
結果として多くの教育診療所は複雑な指導医・レジデントのスケジュールを’juggle’する必要がある。
著者らは、2013-2018年に行なった42の内科あるいは家庭医の教育診療所へのサイトビジット(2日ずつで診療所長・プログラム責任者、レジデント、指導医、診療所スタッフへのインタビューを実施+その診療所の業務の直接観察)を通して、指導医の業務への参与のあり方にスペクトラムがあることを見てきた。
そこでそれを3つのFaculty involvement modelsとして記述し、具体例を示す。 (詳細レポートはAAMCからpublishされている様子:参考文献1)

1.The focused model
・少数の指導医がそれぞれ少なくとも5コマ/週以上を診療またはレジデントのプリセプティングに費やすモデル
・17/42=40%で、コミュニティ基盤型(=非大学型)レジデンシーによく見られる。
例:Program A:コミュニティ基盤型で11人の指導医、すべての指導医が6-8コマを診療所で診療あるいはプリセプティングで過ごすProgram B 後述のDispersed modelから移行した例。
以前は多数の指導医が週に1コマ診療、2コマ指導だったが、患者が待つ状況などを踏まえて、体制を移行し、プログラム内の指導医を入院対応のホスピタリストと外来のphysician educatorsに分かれるようにした。
結果、12人の指導医による6コマ診療、2コマプリセプティングの体制となり、レジデントの学習経験も、ケアの継続性も改善した。
Program C 大学基盤型で4つの小サイトでそれぞれが5-8人の指導医・4-5コマ診療、2コマプリセプティング。ただ、近年academic responsibilitiesが増したことでこの指導医たちが診療のコマ数を減らさざるをえなくなっている

2.The dispersed model
・多くの指導医が1-2コマ/週を診療所での臨床または教育業務に費やす
・9/42=21%で、大学基盤型のレジデンシーにしか見られない
例:Program D:大学基盤型の内科レジデンシー:100人レジデント、50人の指導医がいる。指導医は個
々の診療所では1-3コマしか費やさない。チームでのミーティングもなく、継続性は乏しいし、患者も担当医を待たなければならない。
Program E:大学基盤型の家庭医療レジデンシー。30人の指導医がいるが、臨床のコマは2-3コマと少ない。24人のレジデントも1-2コマずつで多くの診療所を回って診療をしている。(詳細あるが省略) 診療所の問題についてレジデントが指導医の働き方がFocusedになるように提言中。
Program F: 指導医たちは週に7コマを外来や教育に費やしているが、診療のほとんどがレジデントのいない診療所で行なっており、レジデントのいるサイトには週に1-2コマしかいかない。教育のための診療所配置の観点から、この状態はdispersed modelである。

3.The hybrid model
・1.と2.の融合型で、少数の5コマ以上費やす指導医と、1-2コマ/週の指導医の両方が務める
・16/42=38%が占めていた。
例:Program G: 大学基盤の内科レジデンシーで、ほとんどの指導医は週1-3コマを診療とプリセプティングに割り振っているが、2人の指導医がそれぞれの診療所で5コマ/週以上を診療・教育に費やしている。
が、リサーチグラントや他のアカデミックな業務の影響で指導医が診療所を離れるような圧力が働いており、診療所長はdispersed modelのような状態にならないようにするにはどうしたらよいか、懸念を抱いている。
Program H: 大学基盤型の家庭医療レジデンシー、小さい教育診療所が4つ、4コマ診療・1-3コマがプリセプティングとなるような指導医が診療所ごとにおり、それに加えて、community preceptorが週に1回レジデントの指導に携わっている。

上記のモデル以外の指導医の働き方に影響する因子
・それぞれの指導医が自分の診療スケジュールを決められる程度が重要
・あるレジデンシーではそれぞれの指導医がきめるため、ある日は2人の指導医が次の日が8人ということが起きていた
・診療所側が医師がいる人数を調整するために規則を持つパターンもある:例としては
・level loading: コマごとに同じ数の医師がいるように調整する
・Access-centered rule (Program D): 指導医が会議などの理由で診療をキャンセル可能なシステム。以前は許可なしに買おうだったが、今は診療所が十分な医師数が予約患者に対してあることを確認してキャンセルが可能になっている。

Focused Facultyの利点と実現するための障壁
利点:診療所チームの安定、継続性の維持、外来診療/教育者としてのロールモデルを示せる、その診療所のリソースや紹介先を熟知しており、より効果的なプリセプティングが可能、診療所の機能不全を看過しないのでチームのAnchorとなり、質改善、ポピュレーションアプローチ、継続性、レジデントへの対応などを主導的に行う
障壁:大学基盤の場合は特に、指導医の多重の、特にリサーチなどの業績評価の重圧との間で葛藤が起こる。大学組織では入院診療の方が外来診療より重んじられる、臨床教育者は研究者よりも大学では昇進しにくいなど。大学ではなくても入院診療との間のジレンマはある。

【開催日】2019年9月11日(水)

決断の共有(shared decision making)を教えること

-文献名-
Guylène Thériault. et al. Teaching shared decision making. Canadian Family Physician. 17 JULY 2019;vol.65: 514−516.

-要約-
(Introductionに準じた部分)
医療の目標は患者さんの転機を改善することで、それには患者中心のケアを提供する能力を学習者に育成することが重要である。
決断の共有とは、「臨床医と患者が意思決定の課題に直面したときに利用可能な最善のエビデンスを共有し、情報に基づいた好みを達成するために選択肢を検討するよう患者を支援するアプローチ」である。
患者の価値と好みを引き出し、有意義な方法で情報を共有する能力を習得することが重要である。特に、利益と害のバランスが取れている場合は重要である。
エビデンスとベストプラクティスヘルスケアの他の分野と同様に、SDMを教える際、医師は知識、態度、スキルに注意を払う必要がある。多くの場合、焦点はスキルにあるが、他も重要である。
教育は、SDMの目標と原則に関する知識を養う必要がある。一部の学習者は、SDMを認識せず、最終的にすべての決定を下す必要があるかのように練習する。
これは、ケアのいくつかの側面(例:緊急の状況)には当てはまるかもしれないが、ケアの他の多くの側面にはSDMが関係するはずである。
SDMを教える最良の方法はない。SDMに必要な中核となる能力には、リスクコミュニケーションのスキル、患者の好みの引き出し、患者の価値の明確化が含まれる。
SDMに対する既知の障壁の1つは、患者が私に決定してほしいのではないかという信念である。これに対処するには、医師(教育者)は患者の自己決定を取り巻く問題を定期的に学習者と話し合う必要がある。
これは、任意のトピックに関するプレゼンテーションに埋め込むことができる。
たとえば、糖尿病患者の調査と治療をレビューした後、簡単な臨床ケースを提供し、学習者に計画を提供するよう依頼することができる。
その後、学習者に徐々にこの患者の生活の特定の側面を認識させる(たとえば、妻は緩和ケアを受けている、患者は仕事を失ったばかりなど)。
その後、新しい情報に照らして証拠がどのように見えるかを生徒に考えてもらう。最終的な目標は、学生が意思決定における患者の価値と好みの重要性を認識することである(Box 1)。

Box 1(概要)
最後に… だから、あなたは私たちが糖尿病患者に提供できるさまざまな薬について学びましたが… 
聞いて… 薬の選択を後押しするのは何だと思いますか? 
学習者は次の点を指摘するかもしれない。そうでない場合は、必ずそれらについて話うように。
有効性の証拠、薬物の適用範囲またはアクセシビリティの他の側面、価値と好み

JC黒木201909

もう1つの障壁は、SDMに時間がかかること。実際、コンサルテーションの長さに対する効果の中央値は2.5分。
ロールプレイは、学習者が必要なスキルを開発するのに役立つという点で、SDMを教える上で非常に興味深く、形成的である。
ロールプレイのシナリオを使用する場合は、学習者に相互作用が有意義であり、ディスカッションの時間をためらうことなく、それほど長くないことを認識させてください。
決断の共有には、さまざまな手順が含まれる(Box 2)。教材として、一部の教師は学習者が携帯できるリマインダーカードを使用している。
他の人はこれらの手順を使用して、構造化されたフィードバックを提供している。

Box 2. 決断の共有の手順
1. 決定する必要があることを認める。
2. オプションと代替案を提示する。
 • フレーミング効果の回避* • 独自の価値観を適用しない•適切な意思決定支援ツールを使用する
3. 各オプションの潜在的なリスクと潜在的な利点について話し合う。
 • 潜在的な利益のために同様の分母を使用し、潜在的な害
 • 自然数を使用します(たとえば、1%の代わりに100人に1人)
4. その情報に照らして患者の価値と好みを話し合う
5. 患者の日常生活と目標における、さまざまなオプションの効果について話し合う
6. 患者が(意向を)反映するのを助けるために必要とされる、特定の問題に関する情報を提供する
7. 患者の懸念を確認し、理解を明確にする
8. 計画を立て、必要に応じてフォローアップを整理する
注)フレーミング効果とは、複数の選択肢から意志決定や判断をする際に、絶対的評価ではなく、そのときの心的構成
(フレーミング)や質問提示のされ方によって、意志決定が異なる現象のこと。
*フレーミングには、さまざまな代替手段の価値または利益と損害の認識に影響を与える可能性のある方法で情報を提示することが含まれる。

結論
意思決定を共有することは、教えることのできるスキルである。それが実践に統合されるためには、それは、単独の
カリキュラムではなく、すべての教育の重要な部分である必要がある。 他のトピックと同様に、多様式のアクティビテ
ィを使用すると、学習の効率が向上する可能性がある。 Box 3には、可能な活動に関するさまざまなアイデアがリストさ
れている。

Box 3. SDMを教えるための具体的な活動(概要)
ロールプレイ 
・どの質問がより有用であったか、それはなぜかを熟考する
・私たち自身の価値を反映していないかもしれない、次の決定を受け入れることの難しさについて話し合う
  学習者に会話ツールまたは意思決定支援ツールを作成してもらう
  フレーミング効果について議論する
• 情報を提示するさまざまな方法(割合、治療に必要な数、相対リスクなど)で学習者を考えさせ、内省を促進するビデオを使用する
SDMの手順を構造化された方法で使用してフィードバックを提供する
• これらの手順を毎日または毎週の学習者のフィードバックフォームに埋め込みます
 正式な教育に取り組む
•多くの(ほとんどではないにしても)講義の最後に、患者に意味するかもしれないことについてのいくつかの考察を含めることを目指す

JC黒木2019092

【開催日】2019年9月11日(水)

プライマリケアにおけるうつ病の疫学

-文献名-
Manish K. Jha, MD, et al. A structured approach to detecting and treating depression in primary care:
VitalSign6 project. Annals of Family Medicine. 2019;4(17):326-334.

-要約-
 Purpose:
この報告では、米国の大都市圏で進行中の、16のプライマリケアクリニックにおけるうつ病患者のスクリーニング、
治療およびアウトカムを改善するために行われた「質の改善プロジェクト(VitalSign6)」の結果について記述している。

・16のクリニックの内訳:6つのcharity clinic、6つの連邦政府認定health care center、2つの民間の低所得者層向けクリニック、
 2つの民間のメディケアあるいは私的保険に加入している患者のためのクリニック

 Method:
この後ろ向き分析の対象は、前述の「質の改善プロジェクト」においてPHQ-2でスクリーニングされた25000人の患者(12歳以上)である。
スクリーニング陽性(PHQ-2>2)となった患者は、自記式質問票とclinicianの診察によってさらなる評価が行われた。
2014年8月から2016年11月までに集められたデータは3種類で、(1)当初のPHQ-2施行群(n=25000)、(2スクリーニング陽性群(n=4325)、(3)clinicianによってうつ病と診断され、
18週間以上登録されていた群(n=2160)である。

 Results:
うつ病のスクリーニングされた患者の17.3%(4325/25000)が陽性と判定された。
スクリーニング陽性だった患者のうち、clinicianの診察によってうつ病と診断されたのは56.1%(2426/4325)であった。
18週間以上登録された患者のうち、64.8%がmeasurement-based pharmacotherapyを開始され、8.9%が外部の専門家に紹介された。
薬物療法を開始した1400人の患者のうち、フォローアップの回数は、0回45.5%、1回30.2%、2回12.6%、3回以上11.6%であった。
寛解率は、フォローアップ回数が1回20.3%(86/423)、2回31.6%(56/177)、3回以上41.7%(68/163)であった。
ベースラインの特徴として、脱落率の高さと関連していたのは、非白人、薬物乱用スクリーニング陽性、うつ病/不安障害の症状の重症度が低い、若年であった。

 Conclusion:
ルーチンスクリーニングとうつ病の治療開始後、3回以上フォローアップされている患者は寛解率が高かったが、ケアの脱落率の高さは、アウトカムに悪影響を及ぼす重大な問題である。

背景:
➢ 大うつ病はUSでは成人の5-10%を占める。その半数はうつ病と診断されていない。適切な治療を受けているのは1/5以下。
ゆえに一般人口を対象にうつ病のスクリーニングを行うことが推奨されている。2015年に外来でうつ病とスクリーニングされたのは3%のみ。

➢プライマリケアクリニックで治療されたうつ病患者のアウトカムは、measurement-basedcare(MBC)に則って行われた場合、精神科での治療と同等である。

➢ Measurement-based careアプローチ:
(1)標準化された症状や副作用、治療のアドヒアランスの評価
(2)治療に対する現場での意思決定
(3)継続的なフォローアップ
(4)意思決定をサポートするためのclinicianへのフィードバック
から成る。通常のケアと比較して2倍の寛解率と見込めるとされ、うつ病のガイドラインにも採用されている。
主に患者の自己報告による(自記式質問票を活用)。

➢ Quality-improvement project:うつ病は慢性疾患であり、エビデンスに基づいたうつ病診療をプライマリケアで新しいスタンダートへ。
ウェブベースのアプリを活用しており、それによって(1)スクリーニング、(2)うつ病と診断された患者の症状のモニタリング、(3)clinicianに対してMBCをガイドする

➢ Clinician:内科医、家庭医、小児科医、physician assistants、advanced practice nurses

【開催日】2019年9月4日(水)

CPAP療法のアドヒアランス向上に対するエスゾピクロンの短期使用の効果

-文献名-
Christopher J. et al. Effects of a Short Course of Eszopiclone on Continuous Positive Airway Pressure Adherence. 17
November 2009 Annals of Internal Medicine Volume 151 • Number 10

-要約-
Introduction:
未治療への閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)へのCPAP療法の導入は日中のQOLの向上や心血管イベントの発症抑制につながる可能性があり、第一治療選択として推奨されている。
CPAPを新規に導入した患者のうち、約50%が最初の1年以内、ほとんどが最初の1か月以内に使用を中止している。
長期的なアドヒアランスの信頼できる唯一の予測因子は、短期的な持続陽圧呼吸療法(CPAP)を遵守することである。
短期的な治療の遵守を改善することを目的とした戦略は、CPAP療法の成功に合理性があると考えられる。
理論的には、徹底した患者教育、定期的なフォローアップ、およびデバイスの快適性の向上(たとえば、加温加湿器、より適切なマスクの使用)により成功率が増加すると推定されている。
しかしこのような集中的なサポートや技術的介入は、実際の臨床で一貫性、確実性を持って実施されていない。
どのような患者がCPAP療法の長期継続に移行するかを予測し、CPAP療法導入時2週間の非ベンゾジアゼピン鎮静催眠性(エスゾピクロン)を使用するほうがプラセボよりも長期的なCPAP療法のアドヒアランスを改善するかどうかを判定するための研究を行う。

Method:
2007年3月から2008年12月までに新規にOSASと診断され、以前にCPAP療法を受けていなかった18歳から64歳の患者を対象にした。
OSASはすべての患者で、夜間の睡眠ポリグラフ検査に基づいて診断され、またすべての睡眠ポリグラムは、研究調査員および著者によって評価された。診断を確立し、無呼吸低呼吸指数を使用して、米国睡眠医学アカデミーの基準に従ってOSAの重症度を定義した。
催眠薬を長期間使用している患者、1晩に2杯以上のアルコール飲料を摂取している患者、および肝機能障害または研究の完了を妨げる重度の精神疾患のある患者、妊婦を除外した。

エスゾピクロン3 mgを就眠前に服用する群(n 80)、プラセボ群(n 80)を無作為に割り当てた。
ランダム化は、コンピューター化されたプログラムを使用して実施された。薬局には最終データが収集されるまで、無作為化と盲検化を維持した。
CPAPを開始するすべての患者に包括的な教育プログラムに参加し、適切なマスクフィッティングを行った。CPAP自体は全員が同じモデルを使用した。
治療に対する臨床反応を評価するために、1か月後に評価が行われた。また必要に応じて、追加のフォローアップが提供され、圧力の変化、漏れの評価、マスクの変更、
または適切な睡眠衛生などの調整と教育を含む非薬理学的介入は、より良いアドヒアランス向上のために個別化されている。この研究に登録されたすべての患者は、3ヶ月および6ヶ月の治療後にも評価を受けた。
Primary outcomeとして測定したものは、24週目のCPAP療法の遵守であった。
詳細には、使用された夜間の割合、全調査の夜間の平均夜間使用時間、CPAPが使用された夜間の平均時間を計算した。
また、「CPAPの定期使用」ができているかの割合を比較した。これは全体の70%以上使用割合があり、かつ1晩で4時間以上の使用ができているものと定義した。
上記の測定にはCPAPユニットに統合されている「スマートカード」からCPAP使用の客観的な測定値を取得した。
登録時(ベースライン)およびCPAPを開始してから1、3、6か月後に測定された変数をすべて収集した。さらに1か月、3か月、6か月にスマートカードを収集し、
ダウンロードしたデータを1週間単位で毎晩記録および分析をした。
Secondary outcomeは、CPAP中断率と症状の改善率を測定した。
症状の指標には、エプワース眠気尺度(ESS)スコア、疲労感、睡眠アンケートの機能的結果の変化をベースラインと研究の終わりとの間で比較して決定した。

Results:
登録された160人の患者のうち、154人が治験薬を受け取り、分析された。登録された患者のうち、1、3、6ヶ月で追跡調査を行い、その時点で150、136、および120人が対象となった。2つのグループの患者のベースライン患者特性は類似しており(Table1)、治験薬から報告された副作用も稀で、グループ間で差はなかった(Table2)。
JC西園1
JC西園2

エスゾピクロン群は、全体の64.4%でCPAPを使用し、プラセボを投与された患者では45.2%であり、エスゾピクロンによりCPAP療法の遵守が改善された。またエスゾピクロン対プラセボのグループで、全調査の夜間の平均夜間使用時間は3.57対2.42時間、CPAPが使用された夜間の平均時間は4.05対3.02時間であった。

JC西園3

参加者がスマートカードを返さなかったために欠落したデータは、1週目で2%(154人の患者のうち4人)から24週目で22%(34人の154人の患者)であった。欠測データは任意の週にグループ間で均等に分配された。
CPAPの定期使用を中断するまでの期間も、エスゾピクロンよりもプラセボの方が短く、平均期間は、プラセボ群で13.3週間、エスゾピクロン群で17.6週間であった。
さらには、CPAPの使用により、主観的な改善がもたらされた。ベースラインと比較して、ESSスコアはエスゾピクロン群で22.7%減少し、プラセボ群で7.6%、疲労は10.2に対して17.7%減少した。および睡眠アンケート機能スコアの機能的結果は9.4%に対して12.6%増加した。

【開催日】2019年9月4日(水)












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