立位排尿と座位排尿が前立腺肥大の患者に与える影響

―文献名―
Ype de Jong ,et. al. Urinating Standing versus Sitting: Position Is of Influence in Men with Prostate Enlargement. A Systematic Review and Meta-Analysis. uly 22, 2014 DOI journal.pone.0101320

―要約―
【背景】
これは、排尿時の姿勢が薬理学的介入に近づく程度に下部尿路症状(LUTS)を有する患者における尿力学パラメータに影響を与えることができることが示唆される。
この論文では、健康な男性とLUTSを有する男性において排尿時の姿勢が排尿中の最大尿流率(Qmaxを)、時間排尿(TQ)と排尿後の残存量(PVR)に与える影響をシステマティックレビューとメタ解析で分析した。

【証拠収集(方法)】
14の医療データベースによって体系的な検索がされた。
立位と座位での尿力学パロメーターを比較した研究はインクルージョンされた。
参加者の男性は健康状態によって層別化された:健常またはLUTSを有する患者。
LUTSと健常人および患者:研究が含まれ、男性参加者の健康状態に応じて層別化した。
Qmax、TQ、PVRの標準平均差は、ランダム効果モデルにプールされた。

【結果】
11個の論文が採用された。LUTSを有する男性において座位姿勢の方が立位姿勢と比較して明らかに残尿量(PVR)が低かった。(-24.96 ml; 95%CI -48.70 to -1.23)
さらに、座位姿勢での排尿において有意差は出なかったが最大尿流率(Qmax)は増加(1.23 ml/s; 95%CI 21.02 to 3.48)、時間排尿(TQ)は低下(20.62 s; 95%CI 21.66 to 0.42)を認めた。
健常人においてはQmax (0.18 ml/s; 95% CI -1.67 to 2.02)、TQ (0.49 s; 95%CI -3.30 to 4.27)、PVR (0.43 ml;95%CI -0.79 to 1,65)と立位と座位では近似していた。

【結論】
健常男性では尿力学パラメーターの違いを認めなかった。LUTSを有する患者においては、座位姿勢が尿力学の改善にリンクしていた。

【開催日】
2014年8月6日(水)