共同研究の成功を導くために

―文献名―
Moira Stewart et al. Success in leading collaborative research. Canadian Family Physician. Vol 61 : JUNE 2015

―要約―
 今日のカナダでは、プライマリケアの研究の機会は広がっている。それはその研究チームの規模が拡大し複雑になってもいるからである。そしてその多くの研究が共同研究である。
 今回は共同研究をよりよく導くために、「コラボレーション(D’Amour,2008)」のフレームワークを用いて、4つの概念を紹介したい。

1. 目標とビジョンの共有
 これが最も基盤となるコンポーネントである。研究の早期に顔を合わせての会議が重要である。
 そして研究計画と指示系統の構造を協議しそれに合意することも基本となる。チームはその目標とビジョンについて共通の理解基盤に立つべきであり、同時に詳細な部分は多様な視点・見方があることも重要である。
 もし不同意が生じれば、より高次の目標について協議し同意を得るべきである。

2. チームの強化
 “internalization(内面化)”と呼ばれているプロセスである。
 メンバー間での個人的な専門的なやり取りが顔合わせの会議で行われること、そして個人的な趣味や活動や家族についてなどの情報を交流すること、同時に個人的な資質と同様に持っている専門職や専門的なスキルについて議論できると良い。またチームメンバー内での快適さやエネルギー、そして信頼を引き起こす個人的・専門的な情報を共有したい。

3. リーダーシップ
 組織変革が成功するとき、そこには強力なリーダーシップが存在している。
 リサーチチームの場合でも、リーダーは組織構造を開発し、チームやワーキンググループでの研究メンバーの役割が選択されることを可能にしたい。リーダーはメンバーにその役割や関係性をアナウンスすることに責任がある。
 はっきりとした中央からの指示と自然と育ち発生するリーダシップの間で、すべてのメンバー間の創造的な緊張が生まれる。学習する組織を生み出すこともリーダーシップのプロセスで重要となる。研究は常にイノベーティブであり、チームの創造性が求められる。リーダーはメンバー間で学び合いが可能となる環境を整えることが大切である。
 リーダーは繋がりを様々に作るべきである。それは定期的な会議もそうだし、明確な期待や正式な議題を設定することも必要となる。リーダーが作る繋がりは、リーダー自身を安心させ快適にさせてくれる。

4. コミュニケーションの構造
 チームははっきりとした同意を得た組織ガバナンスを持つべきである。また一定したポリシーを必要とし、特に衝突の解決や、オーサーシップ、コミュニケーションのプラットフォームなどを構築したい。
 Webベースのコミュニケーションプラットフォームは研究プログラムの情報や文章類、論文のドラフトなどを蓄える機能がある。またチーム内だけではなく、チームの外に向かってのWebやニュースレターも含まれる。

【開催日】
 2017年9月6日(水)












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