研究利用時の電子カルテデータの質の評価軸と評価法

-文献名-
Methods and dimensions of electronic health record data quality assessment: enabling reuse for 
clinical research
Weiskopf NG, Weng C. J Am Med Inform Assoc (2012). doi:10.1136/amiajnl-2011-000681

-要約-
【目的】研究のために電子カルテ(electronic health record : EHR)データを再利用する点で、データの質の評価方法と評価軸を検討するため
【対象と方法】臨床研究の文献でEHRデータの質評価法が考察されているものを対象とした。反復プロセス(質的研究方法の1つ。Ref.11) A general inductive approach for analyzing qualitative evaluation data. )を用いて、測定されたデータの質や評価方法は抽出され分類された。
【結果】5つの質の評価軸が同定された( Table.1参照)。
Completeness 完全性(患者について真実が、電カル内にあるのか?漏れはないか)
Correctness 正確性(電カル内のデータは、真実か?入力の誤りなど)
Concordance 適合性(電カル内のデータ間や他リソースとの間で正誤性が保たれるか)
Plausibility もっともらしさ (知識から見て電カル内のデータが意味をなすか)
Currency タイムリーか (診療の機会に、データが記述がされているか)
また7つの評価方法が同定された。
ゴールドスタンダード: 別のリソース(GS)と電カルデータの比較
date element agreement :電カル内で同様の内容が別に記載されている同士の一致検討
data source agreement:上記GSと近いがデータ同士の一致検討
分布の比較 : 臨床から期待されうる分布との比較
妥当性の確認   :データがmake senseかどうか
ログ検討     :データ入力時の日時・時間・編集の有無など調査
element presence :望まれる箇所に、データ自体が存在するか
(Figure1参照)
【考察】
本調査は、データの質の基本的特徴(測定することは難しいが)と、更に評価軸
があることを示した。EHRデータの再利用に興味がある研究者に対して、データの質の分類を考慮すること、データの質について研究課題に準拠した関心を維持すること、他分野からのデータの質評価の作業を統合すること、システマティックに、実践経験に従い、統計的に基づくデータの質評価の方法を採用すること、を推奨する。
【結論】今の所、EHRデータの質の評価方法は一貫しておらず、一般論/標準基準として成熟する可能性も乏しい。もし臨床研究にEHRデータを再利用することになれば、研究者は妥当性が担保されたシステマティックなEHRデータの質評価の方法を用いなければならないだろう。

201810佐藤1

201810佐藤2

【開催日】2018年10月3日(水)












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