片頭痛もちの女性の脳卒中と低容量ピルの関係

-文献名-
Huma. U. Sheikh. Risk of Stroke Associated With Use of Estrogen Containing Contraceptives in Women With Migraine: A Systematic Review. Headache. 2018 Jan; 58(1): 5-21.
-要約-
Introduction:著者たちがなぜこの研究を行ったのか、これまでに分かっていること、分かっていないことなど前提となった事柄を記載する。
片頭痛は、妊娠可能な年齢の女性が罹患するcommon diseaseの一つである。片頭痛は脳卒中を含む様々な血管疾患のリスク因子と言われており、特に前兆を伴う片頭痛でリスクが高い。先行研究ではエストロゲン含有の経口避妊薬と脳卒中には関連があると報告されているが、経口避妊薬は改良を重ね、エストロゲン含有量もどんどん減ってきている。エストロゲン含有量の少ない現在処方されている経口避妊薬と、脳卒中発生リスクの間には関連があるのだろうか?(→経口避妊薬一覧へ)

Method:どのような方法を用いたのか、特殊な方法であれば適宜解説を入れる。
システマティックレビュー
PubMed、Cochrane Library、およびEMBASEを2016年1月まで検索し、18歳以上の女性を対象とした英語のRCTもしくは観察研究を収集した。介入は経口避妊薬の内服(エストロゲン単剤もしくはエストロゲン・プロゲステロンの合剤)を、アウトカムは虚血性・出血性脳卒中とした。
研究の質はGRADEとNewcastle Ottawaスケールで評価した。

Results:表やグラフがあれば適宜紹介する。
 7本の症例対照研究にて片頭痛を有する女性で経口避妊薬を内服した人うち、虚血性脳卒中を起こした人のORは2.08-16.0と報告されたが、いずれも小規模で信頼区間が広い。
 片頭痛を有する女性における経口避妊薬のエストロゲン含有量と脳卒中リスクについての研究報告はない。(エストロゲン含有量の記載はあるが、関係性は評価されていない)片頭痛と関連なくエストロゲン含有量と脳卒中の関連については、グループ間比較(エストロゲン含有量50μg、30-40、20)において虚血性脳卒中のリスクに容量依存的な変化があると結論づけた研究もあった。
 その他の危険因子として、片頭痛と喫煙と低用量経口避妊薬の組み合わせが相乗効果的に脳卒中リスクを上昇させることがわかった。OR34.4(CI 3.27-361)
前兆の有無での比較については、1884例を集めた研究があり、前兆を伴うものでOR6.1(CI3.1-12.1)、伴わないものでOR1.7(1.09-2.88)という結果であった。

Discussion:今回の研究の限界、残された課題などを記載する。
ほとんどの研究において、片頭痛の診断基準が曖昧であること、前兆のあるなしで層別化していないこと、経口避妊薬の種類やエストロゲン含有量の記載がない(カットオフを50μg以下と記載しているものは多いが、現在処方されている低用量経口避妊薬は30-40μgがほとんど、10-20μgというものもあり、現状にはあまり即していない結果であった)ことがlimitationとしてあげられた。
結論としては、低用量経口避妊薬と脳卒中リスクについては質の高い研究に乏しいことがわかった。前兆のある片頭痛もちの女性の経口避妊薬内服と脳卒中リスクは関連がありそうだが、低用量経口避妊薬でのさらなる研究が必要。喫煙との併用はリスクが倍増するので注意。少なくとも50μg以上の高容量のエストロゲン製剤とは関連がありそうなので、より少ない含有量の経口避妊薬の使用が妥当だろう・・・。

【開催日】2019年6月5日(水)












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