日本人2型糖尿病患者に対する経口セマグルチド単剤療法の用量反応性、効果、安全性(PIONNER9)

-文献名-
Yamada Y, Katagiri H, Hamamoto Y, et al. Dose-response, efficacy, and safety of oral semaglutide monotherapy in Japanese patients with type 2 diabetes (PIONEER 9): a 52-week, phase 2/3a, randomised, controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2020;8(5):377-391. doi:10.1016/S2213-8587(20)30075-9

-要約-
背景 日本人2型糖尿病特有の表現型を考えると経口セマグルチドなどの新規両方は、この集団での評価を必要とする。PIONEER9は経口セマグルチドの用量反応を評価し、日本人集団における経口セマグルチドの有効性と安全性をプラセボおよび皮下GLP1受容体アゴニストと比較すること目的とした。
方法
 PIONEER9は日本の16施設(診療所と大学病院)で行われた52週のフェーズ2/3aのランダム化試験。
参加者は食事や運動による加療でコントロール不良の2型糖尿病(HbA1c7.0~10.0%)、または経口血糖降下薬単剤(HbA1c6.5~9.5%)で加療中の20歳以上の日本人患者。除外項目は90日以内に週1回GLP-1受容体アゴニスト、週1回DPP4阻害薬、チアゾリジンによる加療を行われた患者、腎障害(eGFR<30)、緊急治療を要する増殖性網膜症や黄斑症の患者。 1日1回の経口セマグルチド(リベルサス:3mg/7mg/14mg)とプラセボ、1日1回皮下注射製剤のリラグルチド(ビクトーザ)0.9mgを1:1:1:1:1にランダムに割付け、二重盲検化された。(Figure1) Primary endpoint  ランダムに割り付けられた全ての患者の試験製品推定値でのベースラインから26週までのHbA1cの変化。 結果 2017年1月10日から7月11日までの間に243人の患者がセマグルチド3mg(n=49),7mg(n=49),14mg(n=49)また、プラセボ(49),リラグルチド0.9mg(n=48)にランダム割り付けされた。患者のベースラインに差はなかった。 26週までのHbA1cのベースラインからの変化(平均8.2%)において経口セマグルチドは用量依存的だった。(セマグルチド3mg ではmean change-1.1%,[SE0.1]、7mg では-1.5%[0.1]、14mgでは-1.7%[0.1]、プレセボでは−0.1%[0.1]、リラグルチド0.9mgでは-1.4%[0.1]) 26週時点でのHbA1cのベースラインからの推定変化はプラセボと比較して経口セマグルチド3mg,7mg,14mg全てで優位に変化していた。セマグルチド14mgではリラグルチド0.9mgに比較して有意に変化していた。(Figure2) プラセボと比較したHbA1cの変化の推定治療差 経口セマグルチド3mgで-1.1%ポイント(95%CI-1.4to0.8;p<0.0001) 経口セマグルチド7mgで-1.5%ポイント(–1·7 to –1·2; p<0·0001) 経口セマグルチド14mgで-1.7%ポイント(–2·0 to –1·4; p<0·0001) リラグルチド0.9mgと比較した推定治療差 経口セマグルチド3mgで0.3%ポイント(95% CI –0·0 to 0·6; p=0·0799) 経口セマグルチド7mgで-0.1%ポイント(–0·4 to 0·2; p=0·3942) 経口セマグルチド14mgで-0.3%ポイント(–0·6 to –0·0; p=0·0272) 体重変化は経口セマグルチド14mgでは26週でベースラインから減少し、52週まで持続的に減少した。26週でプラセボ(P=0.0073)、リラグルチド(セマグルチド7mg P=0.0312/セマグルチド14mg P<0.0001)と比較して経口セマグルチド14mgは有意に体重減少した(Figure3)。 主要な軽度または中等度の消化管イベントが経口セマグルチドで最も頻繁に報告された有害事象だった。便秘が最も一般的で、経口セマグルチドの患者5~6人(10~13%)、プラセボで3人(6%)、リラグルチド9人(19%)だった。 結論 この研究は経口セマグルチドが2型糖尿病の日本人患者におけるプラセボとリラグルチドの両方と比較した経口セマグルチド単剤療法の有効性と安全性を示している。用量反応関係が確立され、経口セマグルチド14mgにより26週目においてHbA1cと体重両方がプラセボおよび日本で承認されたリラグルチドの維持量(0.9mg)よりも有意に減少することがわかった。経口セマグルチド7mgはリラグルチド0.9mgと同等にHb1cを下げることがわかった。 JC白水1

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【開催日】2020年8月12日(水)