スタチンで糖尿病発症リスクが上がる?

<文献名>
 Aleesa A Carter, Tara Gomes, Ximena Camacho, et al. Risk of incident diabetes among patients treated with statins: population based study.BMJ 2013; 346.

<要約>
 
目的:異なるHMG-CoA還元酵素阻害薬(=スタチン)で治療されている患者の新規糖尿病発症リスクを調査する。

研究デザイン:特定のスタチンの使用と糖尿病発生の関係を推定する為の時間事象分析を伴う住民ベースのコホート研究。スタチンのタイプ・投与量と糖尿病発症リスクとの関係を究明するためハザード比が算出された。

研究が施行された場所:カナダ、オンタリオ州

対象者:全ての対象者は66歳以上で糖尿病の既往がなく1997年8月1日から2010年3月31日までスタチンによる治療を開始した。解析は少なくともそれ以前に薬物治療を行われていない新規使用者のみに限定した。治療開始以前に糖尿病の診断が確定していた患者は除外された。

介入:スタチンによる治療.

主要転帰尺度:糖尿病発症

結果: プラバスタチン(全ての解析における対照薬剤)と比較して、アトロバスタチン(補整ハザード比 1.22, 95% C.I. 1.15 to 1.29)、ロスバスタチン(1.18, 1.10 to 1.26)、シンバスタチン(1.10, 1.04 to 1.17)では糖尿病の発症リスクが増加した。フルバスタチン(0.95, 0.81 to 1.11)やロバスタチン(0.99, 0.86 to 1.14)を投与された患者群では優位なリスクの増加はなかった。アトロバスタチンとロスバスタチンの糖尿病発症絶対リスクはそれぞれ31、34/1000人年だった。シンバスタチンのリスクはわずかに低く(26 /1000人年)、対照となったプラバスタチンは23/1000人年だった。この結果は、スタチンが心血管疾患の1次予防を目的として投与された場合と2次予防を目的として投与された場合とで変わらなかった。効力によりスタチンを分類した時も同じような結果となったが、投与量も考慮した際にはロスバスタチンによる糖尿病発症リスクは有意なものではなくなった (補整ハザード比 1.01, 0.94 to 1.09) 。

結論:プラバスタチンと比較してストロングスタチン、特にアトロバスタチンとシンバスタチンは、新規糖尿病のリスク増加に関連している可能性がある。

開始日:平成25年6月5日












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