THE GEOGRAPHY OF THOUGHT~木を見る西洋人 森を見る東洋人

【文献名】

木を見る西洋人 森を見る東洋人~思考の違いはいかにして生まれるか
リチャード・E・ニスベット著 ダイヤモンド社2004年



【この文献を選んだ背景】

7月に来日していたフリーマン先生と、患者中心の医療の考え方について話していた。その時に共同研究の話になり、東洋的な思考も交えるとまた違ったものができるかもねという話になり、私も実は今こんな本を読んでいるんだ!と紹介を受けた本。日本語訳も出ていることを知り今回読んでみたので共有する。



【要約】

東洋と西洋の考え方に優劣はない。単に異なる、ということが大事である。ただ異なる文化の人々のものの考え方について学ぶことは自分自身のものの考え方を向上することにつながるはずである。



<古代ギリシア人:主体性>

国土は山岳地帯が多く、狩猟・牧畜・漁・貿易に適しており、他者との協力をあまり必要としない。
これはの経済活動は、共同体に定住していなくても行うことができる。
都市国家であり、民会で合理的な議論を行っていた。
自分の人生を自分で選択したまま生きる。
幸せの定義は、制約から解き放たれた人生を謳歌するという意味。
ギリシア哲学:周囲から切り離された対象物それ自体を単独で観察し分析する。→「自然」の発見。
対象物に規則を適応するには、まず分類する必要がある。
世界は不動不変である。



<同時代の中国人:調和>

稲作はお互いに協力して土地を耕す必要があるため、調和はとりわけ重要である。
個人は何よりもまず、氏族や村落、家族といった「集合体の一員」であった。
幸せの定義は、調和のとれた人間関係の輪の中で平凡ながら満ち足りた田舎生活を送ることだった。
世界は絶え間なく変化し、また矛盾に満ちている。また万物は互いに影響しあう。


110913


【考察とディスカッション】

医学部教育など自然科学的、西洋的な思考で教育されてきていると思われる。その中で今回、西洋社会のコンテクストを多少なりとも知れたことは興味深い。患者中心の医療の方法は、私たち日本人が考えている以上に、カナダで開発されたインパクトは大きいのかもしれない。各コンポーネントを統合したり包括したり、関係性の中で物事をとらえたり、といったいわば東洋的な思考の要素が多くある。
Common groundの立ち方であるケンブリッジモデル(トレードしていくようなイメージ)などは、西洋的であり、東洋ではまた違ったプロセスが医師患者関係の間に働いているような気がする。
ただ教育方略として、抽象化してカテゴリー化するのは有効である。また日本オリジナル(東洋ワールド版)の患者中心の医療の方法、の可能性もありそうだと感じた。



【開催日】

2011年7月26日












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