気分・不安障害のスクリーニングにおける質問紙の有用性

【文献名】
Bradley N. Gaynes et al. Feasibility and Diagnostic Validity of theM-3 Checklist: A Brief, Self-Rated Screen for Depressive, Bipolar, Anxiety, and Post-Traumatic Stress Disorders in Primary Care. Ann Fam Med 2010;8:160-169.

【要約】
<背景>
気分障害・不安障害はプライマリ・ケアにおいてはもっとも頻度の高いメンタルヘルスの問題であるが、見過ごされていたり、きちんと治療されていない。スクリーニングのためのツールがこういったメンタルヘルスの問題の発見に貢献しうるが、取り扱う疾患の数が多いため利用可能なツールは限られている。

<セッティングと対象>
2007年7月から2008年2月までに米国の大学の家庭医療クリニックを受診した18歳以上の647名の患者

<デザイン>
横断研究

<方法>
利用したチェックリストはこちら
Mini International Neuropsychiatric Interview (MINI)を診断のスタンダードとして用いた。
クリニックを受診する患者を随時参入。待合室でチェックリストに記入していただいた。
診察後に医師と患者双方にチェックリストの実用性に関する質問紙への回答を頂いた。
受診後30日以内にリサーチアシスタントが患者に電話し、MINIを実施。

<主要なアウトカム>
M-3チェックリストの大うつ病性障害、双極性障害、何らかの不安障害、PTSDに対する感度と特異度。

<結果>
(1)診断に対する妥当性
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(2)実用性
患者が待合室でM-3チェックリストに回答するのにかかる時間は5分未満であり、うまく回答できないと回答したのは1%未満であった。83%の医師が30秒以内に記入されたチェックリストを確認することが出来、80%以上の医師が有用であると回答した。

<結論とディスカッション>
M-3チェックリストの測定特性は既存の単疾患スクリーニング用のツールと比較しても有用であり、かつ何らかの気分障害や不安障害の存在をスクリーニングするだけではなく、特定できる可能性もある。

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また既存の多疾患スクリーニングツールに加えて双極性障害とPTSDもスクリーニングの対象とすることができる。実用性についても本研究では問題はなかった。
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【開催日】
2011年4月20日