~プライマリ・ケアの外来における抗菌薬投与が与える抗菌薬耐性への影響~

【文献】
Ceille Costelloe, et.al.: Effect of antibiotic prescribing in primary care on antimicrobial resistance in individual patients: systematic review and meta-analysis. BMJ: volume340, pp2096, 2010.
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【要約】
《目的》
プライマリ・ケアセッティングにおいて抗菌薬を投与された患者に引き続いて起こる抗菌薬耐性に関する研究のsystematic review。可能ならmeta-analysisも実施する。
《デザイン》
Meta-analysisも実施したsystematic review
《Reviewの方法》
MEDLINEやEMBASE、Cochrane data baseを検索して得た4373の文献が対象。
2名の独立した評価者が文献を評価し、データを抽出した。
同様のアウトカムを使用している研究に関してmeta-analysisを実施した。
《結果》
24の研究がレビューに採用された。
22の研究が感染症患者を対象としたもの、2つの研究は健康なボランティアを対象としていた。
19の研究が観察研究(うち2つはprospective)で5つの研究がランダム化試験であった。
尿路感染症を対象とした8つの研究のうち、5つがmeta-analysisに足る研究であった。
抗菌薬による治療後2か月以内の耐性菌検出のオッズ比は2.5(95%CI 2.1 – 2.9)
12か月以内では1.33(95%CI 1.2 – 1.5)であった。
呼吸器感染症を対象とした9つの研究のうち、7つがmeta-analysisに含まれた。
抗菌薬による治療後2か月以内の耐性菌検出のオッズ比は2.4(95%CI1.4 – 3.9)
12か月以内では2.4(95%CI1.3-4.5)であった。
投与した抗菌薬の量についてレポートしている研究では抗菌薬投与期間が長いほど、また複数の抗菌薬を使用したときほど耐性菌検出の頻度が高かった。
抗菌薬による耐性菌検出の違いは今回のレビューでは傾向はつかめなかった。
期間による耐性菌検出の変化を追った研究が1例のみ認められた。
抗菌薬治療後1週間ではオッズ比が12.2(95%CI 6.8-22.1),1か月では6.1(同2.8-13.4),2か月では3.6(同2.2-6.0),6か月では2.2(同1.3-3.6)。
《結論》
呼吸器または尿路感染症にたいして抗菌薬の投与を受けた個人はその抗菌薬に対する耐性を獲得する。
その影響は抗菌薬による治療後の1か月以内がもっとも大きいが、12か月持続する可能性がある。
この影響はfirst lineの抗菌薬に対する耐性菌を地域内にまん延させるばかりでなく、second lineの抗菌薬使用をも増やしてしまう結果を生む。

【開催日】
2010年9月1日(水)












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