人はどうやって認知発達をしていくのか?

―文献名―
大澤真也:ピアジェとヴィゴツキーの理論における認知発達の概念 -言語習得研究への示唆-.2008

―要約―
ピアジェの理論
 ピアジェは認知機能の発達を4つの段階として提唱している。
 第一の段階が、0歳から2歳までの時期に対応する「感覚運動期」。これは、自分の感覚と運動だけで世界を知ることを特徴とした時期である(自分の五感のみで単純に世界に働きかける)。
 第二の段階は2歳から7歳に相当する「前操作期」。この頃には、子どもは「言葉」という道具を持ち始めて思考することが可能になる。またこの頃から子どもは「象徴的な遊び」に着手するようになる。象徴的な遊びというのは、言わばフィクションの遊び、つまり「ごっこ」の遊びである(自分の五感で単純に世界に働きかけるだけでなく、自分の頭の中で様々な計画を立てられるようになる。しかしまだ世界を主観的な視点でしかみることができない)。
 第三の段階は7歳から11歳になると、子どもたちは「具体的操作期」を迎える。この時期は、子どもたちの認知発達が激変する時期である。それは、具体的操作期を迎えた子どもたちは、論理的な思考能力を発達させるためである。(具体的な概念は理解できるが、抽象的な概念になると他者の力を借りるなどして言葉を理解する)
 しかし、具体的操作期の子どもたちには未だ著しく劣る能力がある。それは仮説演算的な推理の能力である。ピアジェはこの推理を特に「形式的操作」と呼んだ。とりわけ形式的操作能力が高まるのは、11歳以降の「形式操作期」である。この時期になると、子どもは仮説演算や抽象的な概念を形式的に思考できるようになるとピアジェは考えた(抽象的あるいは仮説的な状況を取り扱うことができる)。

ヴィゴツキーの理論
 ヴィゴツキーの理論は、人は社会的状況の中で他人の助けを借り、また言葉という道具を媒介にして認知を発達させていく、というものである。
 ヴィゴツキーによれば、個人の発達は社会的に共有された認知過程を「内部化」することによって可能になると考えた。例えば言語で概念を形成するというのは、人間の精神の内部で実行されている。しかし言語や概念を造り上げたのは、社会や集団の相互作用である。今我々の精神の内部にあるように思える言語や概念も、もともとは精神の外部にあったということになり、単純化して言えばヴィゴツキーの言う「内部化」とは、精神の外部にあったものを内部に取り込むことを指す。
ヴィゴツキーが提唱した最も重要な概念の一つである「発達の最近接領域」は、この内部化の概念を前提としている。ヴィゴツキーは、子どもが独力で解決することのできる問題と、教師の指導や仲間の援助を受けることで解決できるようになる問題に着目した。前者の問題にどれくらい太刀打ちできたのかを評価してみると、今現在の子どもの生身の「実力」を知ることができます。この実力のことをヴィゴツキーは「現下の発達水準」と呼びました。
 「現下の発達水準」が指し示すのは、昨日までの学習によって子どもの中で成熟している精神機能の度合いである。一方、後者の問題にどれくらい太刀打ちできたのかを評価すると、今度はその子どもが「今指導や援助を受けることでどの程度実力を高めることができるのか」を知ることができる。自分一人の現段階の実力ではできないことでも、人の手を借りればできるようになることがある。それが行く行くは将来における子ども自身の「現下の発達水準」になる可能性がある。
 そして今現段階における「現下の発達水準」と、近い将来新たな「現下の発達水準」となり得る未定の発達水準との間の境界のことを、「発達の最近接領域」と呼びます。この概念が意味するのは、今はまだ完全には成熟していないが成熟の途上にある機能が存在するということである。ヴィゴツキーの学習論に倣うなら、この成熟の途上にある機能を育て上げることが、教育の役目だということになる。彼の学習論は、今現段階で「伸ばすべき能力」、「伸ばせば伸びるであろう能力」を特定できるという点で、教育的に有用であると言える。

ピアジェの理論とヴィゴツキーの理論
 ピアジェとヴィゴツキーにおける大きな違いの一つは知識の習得方法である。ピアジェの考え方では学習は個人から社会的なものへと進んでいくと考えられた(他者が期待しているものと自身の既存のスキーマの間に違いが生じたときに、人はスキーマを更に同化させたり調整させたりすることで均衡化の状態にしようと試みる)のに対し、ヴィゴツキーは社会的なものから個人的なものへと進んでいく(「最近接領域」を他者の助けを用いてその人の実際の発達レベルとの溝を埋める)と考えた。

【開催日】
2015年6月3日(水)

HCFMに生かせる「組織における幹部養成のコツ」

―文献名―
松尾睦.成長する管理職.東洋経済新報社 2013

―要約―
 この本でのマネジャーの定義とは「組織全体あるいは組織内の明確に区分できる一部分(部署)の業績について責任を持つ人物」。そのマネジャーに到るための「経験と能力のつながり」「経験の決定メカニズム」の調査を実施

 調査はある会社A社の部長・事業部長クラスのマネジャー914名を対象にした調査で、担当者時代・課長時代・部長時代それぞれにおいて「どのような経験から、いかなる能力を獲得してきたのか」「どのような目的で仕事に臨んだか」「上司からどのような支援を受けたか」の自由記載をしてもらい292名から回答を得た。同時にA社の人事部に回答したマネジャーのうち「優れた業務遂行能力を有し、特に高い成果を上げ続けてきたエース人材」を抽出してもらい、このエース人材の自由記述を基に質問表を作成。
作成された質問票を用いて再び上記の914名に調査を実施し、「どのような経験から、いかなる能力を獲得してきたのか」「どのような仕事で仕事に臨んだか」「上司からどのような支援を受けたか」について5段階の測定尺度を用いて回答を求め、315名から回答を得た。
A社の分析結果を検証するために、別の11社の課長クラスのマネジャー209名に同様の調査を実施し、全員から回答を得た。

<マネジャーの経験の分類> 1章
 マネジャーの仕事経験は「変革に参加した経験」「部門を超えて連携した経験」「部下を育成した経験」の3つに集約された。変革と連携は先行研究で指摘されている「発達的挑戦」と対応するものであったが、育成の経験はこの研究で指摘されたものである。また変革、連携、育成の経験をキャリア段階ごとに見て行くと育成の経験は増えるものの、変革の経験が少ないままであった。

<マネジャーの能力の分類> 2章
 上記の経験から、「目標共有力」「情報分析力」「事業実行力」3つの能力が抽出された。
 今回出たマネジャーの能力の類型は、ミンツバーグの「対人」「情報」「意思決定」の次元から説明出来るもので、その役割モデルとフィットしていた。
 また様々な考察から事業実行力(単なる意思決定や行動ではなく、事業活動において新しい価値を生みだす意思決定や行動)は目標共有力と情報分析力と密接に関連していたが、事業実行力は目標共有力や情報分析力と比べて獲得スコアが低かった。

<マネジャーはどのような経験からいかなる能力を獲得しているのか> 3章
 調査の結果、『部門を超えた連携、変革への参加、部下育成』という3つの経験が複合的に『情報分析力、目標共有力、事業実行力』という能力を高めていた。
 上記のうちで特に強い関係が見られていたのが『部門を超えた連携⇒情報分析力』『部下育成⇒目標量有力』『変革への参加⇒事業実行力』という対応であった。

<何がマネジャーの経験を決定するか> 4章
 「経験の決定メカニズム」では、『過去の経験、自身の持つ目標の性質、上司の支援』が経験に影響を与え、特に『過去の経験』が最も強く影響していた(経路依存性:path dependence)。
 つまり早い時期に上記の3つの経験を積んでおくほど、その度も同様の経験を積みやすくなる「経験の好循環」に入り、逆にこれらの循環に入れないと成長はしにくくなる。
 この循環に入るためには、挑戦や好奇心を重視する「学習志向の目標」と、新しい知識やスキルを獲得したいという「成果志向の目標」を持ち、上司の支援(特に通常は会うことが難しい社内外の上位者やキーパーソンと対話する機会)を得ることであった。マネジャーのもつ「学習志向の目標」は変革や連携の経験を促し、「成果志向の目標」が部下育成の経験を後押ししていた。

<マネジャーの成長メカニズム> 6章
 優れたマネジャーを育成するために情報系の学習(部門連携⇒情報分析力)、目標系の学習(部下育成⇒目標共有力)、実行系の学習(変革参加⇒事業実行力)の3つを連動させて積ませることが大切となる。
 また若いころから挑戦的な経験に身を投じることで「経験の好循環」に入ることができ、その後に経験する同じような挑戦的課題で更にその能力を成長させることが可能となる。
 経験の好循環に入るためには学習志向と成果志向の目標を両立し、社内外の上位者との対話機会を持つことが重要となる

―考察―
 情報系、目標系、実行系という経験学習の類型は面白かった。
 特に日本で少ないと言われている実行系(変革参加の経験⇒事業実行力)の経験をHCFMでどのように提供できるかを考えてみると、レジデントや一般スタッフの時代から変革活動に参加するチャンスを提供することがあげられる。
 経路依存性という考え方も印象的で、一度ある経験をするとその次にも類似の経験学習をする傾向があるという指摘は、マネジャーになってからの経験学習を意識化するのではなく、レジデントや一般スタッフの時から情報系、目標系、実行系の経験学習を意識したほうがいいという考えになった。
 おそらく目標系の学習は家庭医療専門医になる過程である程度担保はされているものの、実行系の学習と情報系の学習の両者は意図的に積まないと漏れ落ちるであろうと考えられた。
 また通常は会うことの難しい上位者との対話の機会が成長を後押しすると言う指摘からは、FMSのみならず、様々な機会で各サイト長や上級スタッフ、また日本の様々なリーダーと出会うチャンスを組織的に提供する必要性も感じた。

【開催日】
2015年5月20日(水)

家庭医のトレーニングにおける核となる技術

―文献名―
Stephen J. Wetmore, et al. Defining core procedure skills for Canadian family medicine training. Can Fam Physician 2005;51:1364-1365.

―この文献を選んだ背景―
寿都では、寿都町民の健康を守るために我々家庭医に求められる事は何かという壮大な命題から、様々な課題、研究テーマを模索している。その中で、我々家庭医に求められている医療行為(手技)は何か、郡部や都市部、外来や入院、訪問などの様々なセッティングでの違いはあるのかということに興味を持ち、現在、文献を調べている。その中で、少し古いが、その事に関する文献を見つけたので紹介する。

―要約―
【目的】
家庭医療のトレーニングに適した核となる医療行為のリストの作成

【デザイン】
デルファイ法を用いた郵送、あるいはEメールでの調査

【セッティング】
カナダの無作為に選ばれた家庭医療クリニック

【参加者】
都市部、小さな町、郡部診療の家庭医、学術の家庭医で。3~36年の家庭医としての経験がある家庭医

【介入】
カナダの家庭医療トレーニングプログラムの卒業生が学び、彼らのコミュニティでその医療行為をうまく行う事が出来る事を期待されている158の医療行為を評価する。家庭医療のトレーニングに適した核となる医療行為のリストの作成。2つ目の調査では、最初の調査で得られた核となる医療行為と、さらに高度な医療行為を評価する。

【メインアウトカム】
包括的な技術リストに関する医師の意見

【結果】
22人の家庭医が最初の調査に回答(回答率:92%)、14人が2つ目の調査に回答(回答率:58%)した。65の核となる医療行為と15の高度な医療行為が同定された。郡部診療の家庭医や小さな町の家庭医の方が都市部の家庭医よりもより多くの医療行為が核となるリストにランクされ、実行されていた。核となるリストに挙げられた医療行為に対する家庭医の同意は55%から100%、高度な医療行為に対する家庭医の同意は50%から64%であった。核となるリストに挙げられた医療行為のうち55の医療行為が70%以上の参加者で同意が得られた。

【結論】
新しく家庭医になる医師が彼らのコミュニティで行う医療行為を具体化することの重要性に関して、カナダの家庭医の意見として、医療行為のリストが示された。医療行為のリストは家庭医療プログラムの評価と医療行為の技術の指導のさらなる改善の助けとなるであろう。

【開催日】
2014年11月12日(水)

教育者の12の役割 -組織と指導医個人の教育の振り返り・討論のために-

― 文献名 ―
 Ronald M. Harden and Joy
Crosby. AMEE guide No.20 The good teacher is more than a lecturer – the twelve
roles of the teacher. Medical Teacher. 2000;22:334-347

― この文献名を選んだ背景 ―
 我々は家庭医指導医として、日々家庭医療診療と同時に医学生・研修医教育にも当たっている。我々が自らの役割や活動を振り返る時に、家庭医療診療に関しては、ACCCCやPCCM/統合ケア/癒し、地域包括ケアといったように比較的なじみのある枠組みが多く、容易に自らの活動の全体像を思い浮かべることができる。しかし、医学生・研修医教育についてとなると、学習者の個別事例ベースの振り返りや、卒前・卒後という見方はあるものの、全体像や具体的活動を俯瞰する枠組みは意外になじみがないのではないだろうか。今後フェローシップにおける応用も考えている、教育者としての活動を俯瞰するにあたり有用なフレームワークを紹介したい。

― 要約 ―

・モデルの背景
 自己主導型学習、問題解決型学習といったカリキュラムの考え方や、ポートフォリオなどのパフォーマンス評価、ITなどの技術の影響など、医学教育において様々な変化が起こっている。特に学習者中心性を強調する流れは、教育者の役割を大きく変えつつある。こうした変化の中で、求められている教育者の役割が何なのかについてフレームワークを提案している。

・モデルの作成プロセス
3つの情報源、すなわち①ある医学校のカリキュラムの作成・実行において求められる教師のタスクの分析②12人の医学教育者の3ヶ月の日記とそこでの教師の役割についてのコメントを分析した研究③MedlineとTIME(Topics in Medical Education)databaseの検索で同定された教育者の役割についての文献と医学教育の教科書(Cox &Ewan(1988)とNewble&Cannon(1995)を含む)の分析 を統合してモデルを作成した。各々の役割が実際に教育者にとって重要かどうかについてアンケート調査によるRatingが行われ、実際にいずれの役割も重要であるという評価を得た。

・モデルの全体像;上記プロセスから、医学教育者の役割を12のカテゴリーに分類し、配置したのが図1のモデルである。個々の役割の説明の前に、全体像を簡単に説明する。まず、12の役割は医学の専門性を要するものと、教育の専門性を要するものに大きく分けられる。図の右側に医学の専門性を要する役割を、左側に教育の専門性を要する役割が分布している。同じように、12の役割は学習者に直接介入するために必要なものと、遠隔であるいは間接的に介入するために必要なものにも分けられる。図の右上により近くでの役割、左下がより遠くでの役割が分布している。

・個々の役割の説明;12の役割は6つのカテゴリーに分けられる。重要なのは一人の教育者が全ての役割を一人で発揮する必要な無いということである。個々の教育者に傾向や濃淡はあっても問題はない。また、個々の役割は完全に分割可能ではなく、同時に複数の役割を発揮する場面もある。

A情報提供者
1講師(lecturer);いわゆる「教室で行う講義」を実施する役割
2臨床あるいは現場の教員(Clinical or practical teacher);外来や回診におけるプリセプティングにおける役割。具体例として自身の臨床における思考過程を学習者と共有すること(ここにはreflective practitionerとしての能力も問われる)や病歴・身体診察を説明し、伝達することも含まれる。

Bロールモデル
3現場でのロールモデル(On-the-job role model);医師としての振る舞いを通じて教育する役割。具体的には、専門性に対する熱心さや臨床推論能力を示すこと、医師患者関係の構築、患者を全人的な視点で見ることができることなどが当てはまる。
4教育のロールモデル(Teaching role model);教育者として学習者に接する際の振る舞いや態度。

Cファシリテーター
5学習のファシリテーター(The learning facilitator);学習者の自己主導型学習や振り返りを促す役割。例えば話しやすい環境作りや、学習者の考えを引き出すこと、様々な学習資源・資料を学習者が使いこなせるようガイドすることも含まれる。
6メンター(Mentor, personal adviser or tutor);現場における教育や評価からは、離れた部分で学習者とかかわり、支援的な(そして、依存ではない)関わりから学習者の成長を促す役割。(※他の役割と一部重複する部分がある。)

D評価者
7学生の評価者(The student assessor);学習者に対して形成的・総括的評価を行う役割。
8カリキュラムの評価者(The curriculum assessor);カリキュラムを評価する役割。

E計画者
9カリキュラムの計画者(The curriculum planner);カリキュラム全体を計画し、実行する役割。
10コースの計画者(The course planner);コース(=カリキュラムの一部)を計画し、実行する役割。

F教材開発者
11教材の考案者(The resource material creator);ITをはじめとした技術の進歩により生じたものも含めて、様々な教育リソースを考案し、作成する役割。
12学習の手引きの開発者(The study guide producer);学習の手引き(学習者に学習目標や学習資源、学習の仕方や、自己評価の方法を伝える資料。初期研修の歩き方、的な本が該当。)を作成する役割。

― 考察とディスカッション ―

 著者は、このフレームワークを、指導医養成における評価やPF作成、指導医の生涯学習、組織としての教育者リソースの評価や、教育者を雇用する際の人財募集や契約に役立てられる可能性を述べている。
例えばこの図を見ながら、以下のような問いを討論してみると良いように思う。

Aフレームワークそのものに対して
 ・我々のコンテクストを考えた際に、この12の役割以外に何か思いつくものはあるだろうか?

B自らの指導医としての活動を振り返って
 ・指導医として、自分が最も行っている役割(そして、求められている役割)はどれだろうか?
 ・指導医として、自分が最もなじみのない役割(または、他の人に任せている役割)はどれだろうか?

C自らの組織を振り返って
 ・北海道家庭医療学センターにはどの役割がどの程度必要だろうか?
 ・北海道家庭医療学センターの指導層全体を見た時に、最も充実している役割はどれだろうか?
 ・北海道家庭医療学センターの指導層全体を見た時に、最も欠けている役割はどれだろうか?

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図1 教育者の12の役割

 開催日:平成26年2月12日

生涯学習のための5つのドメインとその能力・資質とは?

<文献名>
Royal college of Physicians and Surgeons of Canada:CanMeds Train-the-Trainer Scholar-lifelongLearner Program.2008

<要約>
導入
生涯学習(Life Long Leraning)のコンポーネントは研修医教育から始まる以下の2つの現実として伝えること
 1つは「専門家は生涯を通じて変容することを求められること」
 もうひとつは「学習スキルと学習資源は変化し続けること」に基づいている。
 そして、生涯学習に必要な能力は「自己モニタリング」と「学習資源の活用」である。
良い臨床家であるための5つのドメインは、
 1 臨床を含めた業務において学習のマネジメントの方法や戦略を持っていること
 2 自分自身の業務を熟知・活用し、学習の優先順位が付けられること
 3 業務を向上させうる可能性やイノベーションのポイントを教えてくれるシステムを持っていること
 4 疑いや問いから質問を形成・変化させ学習機会に結びつけること
 5 継続的に自らの業務を評価し向上させること
である。これに沿ってドメイン毎に必要な能力や資質を以下の通り記載する

ドメイン1「(診療・教育・研究・経営全ての)業務に関する学習をマネジメントする」
  a情報リテラシー
    効果的な学習戦略(どのように学ぶかを知る)
  アクセスする雑誌・ウェブ・データベースを選定する
  何を深く読むか、何を入念に調べるのかを選択する
 
 b学習のマネジメント
    LLLのワークステーション(PCにあるもの)をセットアップする
  省察を投稿し学習ポートフォリオを作成し続けCVやMOCに連携させる
 
 c熟達化の認識
    CVを確立し維持する
  あなたのCVと活動プロフィールが免許や認証の維持と連携することを理解する
  免許や認証の維持のために要求されているものを埋める

ドメイン2「あなたの業務を知る」
  4つのドメイン:診療、教育、研究、管理、がある
 a専門家としての特定の役割と責務についての情報にアクセスし記録をつける
 b専門家としての学習ニーズを同定するために診療情報を活用する
  c持続的に専門家としての成長戦略を立案し修正するために診療情報を利用する

ドメイン3「(業務の)活動それぞれを探るようにチェックする(=Scanning)」
  a業務の範囲で発展段階にあるもの探り、新たな地平と創造を行う
  bガイドラインが診療に統合できるかをプロとして検証し、業務の範囲で根拠に基づいた創造と変化を行う
 cもはや効果的でなく、時に有害となっている古い診療を把握し止めること
  
ドメイン4「業務中の、業務についての、業務のための、問い・疑いから学ぶ」
 a生涯学習のために基礎となる不確実性の解決や解明の力を育成し理解する
 b疑問の生成や分類などのツール・戦略を同定し、個人や組織が公式化させた疑問になるために活用する
 c現実的な疑問の記録や継続的なログそして解決のためのカギとなる戦略を同定し、最終的に業務に組み込むための学習に具体化させる
 d日々の自然な業務と最終的には生涯学習として、個人と組織に探求を促進させる好奇心を再び持たせそれを醸成する

ドメイン5「業務評価と業務の向上」
 a個人のパフォーマンス、そして組織のパフォーマンス評価のためにどのようなツールが用いられているか?
 bそれらのツールはどのように個人の評価に用いられているのか?

 cその評価のプロセスではどのように活動を向上させ学びを促進させているか?

<考察とディスカッション>
 省察のメモは行っているものの、自然にとれる活動のログ(岡田先生でいうところのユビキタスキャプチャー)
についてはまだまだであると感じた。研究のためのセコムカルテの新たなシステム構築が行われているが、
個人の生涯学習にも活用できるための工夫も盛り込みたいと感じた。
 また学会レベルでこれらのシステムを構築することが生涯教育委員に求められており生きている間に完成
させたいとも痛感した。

開催日:平成26年1月22日

後期研修における形成評価の手段としてのWorkplace based assessment(臨床現場における学習者評価)

【文献名】 
著者名:John Norcini and Vanessa Burch
文献タイトル:Workplace-based assessment as an educational tool
雑誌名・書籍名:AMEE guide No.31 Medical Teacher 2007 855-871
発行年:2007

【この文献を選んだ背景】
 この2年をかけて、HCFMは後期研修プログラムの目標や評価システムを大幅に改正中である。その目的の一つとして、個性やそれまでの経験が異なる一人一人の後期研修医に合わせた評価を的確に行い、その人に合わせた成長をサポートすることがある。
 そのためには、後期研修期間中の研修医に対する評価は欠かせない。そして、評価の中でも、日々の臨床業務での研修医の実際のパフォーマンスを評価する「WBA(Workplace-based assessment)」がこの10年で世界的にも着目され、研究が進んできた。我々も今後の後期研修の中でこのWBAを形成的評価(=試験して落とすためではなく、研修医にフィードバックし成長を促すための評価)の方法として取り入れようとしている。
 今回は、WBAの具体的なツールにどのようなものがあり、それぞれの特徴、限界はどうなのかについて、勉強し直したため、共有することとした。

【概要】
この文献は5つの側面に焦点を当てている。
 1形成的評価とフィードバックの有効性と頻度の文献レビュー
 2各論的な頻用されるWBAの手法について
 3形成的評価において有用なフィードバックの特徴
 4指導医を参加させ、能力を向上させる為の戦略
 5形成的評価を日々の臨床に取り入れる際の困難な側面  

今回のジャーナルクラブでは主に2に焦点を当てて紹介する。

【形成的評価の手法】p858
・この10年で様々な形成的評価のための手法が開発された。以下の7つを概観する。
①Mini-Clinical Evaluation Exercise(mini-CEX)(Figure1)
 ・指導医観察の下、学習者が臨床上のタスクを行う(問診⇒身体診察⇒診断⇒マネージ)
 ・外来・入院・ERのどれでもよいし、初診でも再診でもかまわない。また、症状の評価でも疾患の評価でも問題ない。
 ・原著では、9点満点(1-3 unsatisfactory, 4-6 satisfactory, 7-9 superior)として問診技術、身体診察、プロフェッショナリズム、臨床判断、カウンセリング、全体構成と能率、全体の能力について評価がなされることとなっている。
 ・この評価手法の最大の目的は構造化したフィードバックを観察に基づいて行うことである。大まかに15分の面接を観察し、5?10分のフィードバックを行う。
 ・学習者は、研修期間中に、異なる臨床状況で、異なる指導医に評価されることが望ましい
 ・この手法は、十分にサンプリングを行えば、信頼性のある手段であることが示されている(大まかに4人の事例があれば、95%信頼区間が1以下となり、0.8以下の信頼性coefficientには12?14事例の評価が必要である)
 ・様々なエビデンスによってmini-CEXの妥当性も示されている。例えば卒後の文脈であればITE筆記試験やルーチンの指導医によるratingとよく相関する。
 ※卒前の文脈でも利用でき、妥当性もコミュニケーションスキルなどで示されている(観察+フィードバックの時間は合計して30?45分とやや長めとなる)。

②Clinical Encounter Cards(CEC)
・カナダのMcMasterで開発され、他の環境でも実践されている。
・miniCEXと評価項目は類似であるが、6点評価であり、卒前の文脈のようである

③Clinical Work Sampling(CWS)
・臨床医のみでなく、看護師・患者によるratingが付け足された評価手法。

④Blinded Patient Encounters(BPE)
・卒前のベッドサイドにおける教育に用いられる評価手法

⑤Direct Observation of Procedural Skills(DOPS)(Figure2)
・臨床下での手技の直接観察評価のために用いられる。
・6点評価で、1-2が標準以下、3が境界、4が標準、5-6が標準以上である。
・直接観察は15分、フィードバックは5分にて行う。
・研修コースの中で学習者は実践頻度が高い手技を提示され、それについて複数の指導医から複数回観察を受けるようにする。

⑥Case-based Discussion(CbD)(Figure3)
・学習者は2人の患者のカルテを選択し、評価者にプレゼンテーションする。評価者はそのうちの一つをディスカッションするケースとして選び、ケースの2つ以上の側面(臨床アセスメント、精査と紹介、治療、フォローアップと今後の計画、プロフェッショナリズム)について深めて行く。カルテもその場にあるため、カルテ記載も同時に評価する。
・clinical reasoningの評価を行い、実際の臨床現場での意思決定のうらにある根拠を評価することが目的である。大まかに20分以下の評価として、そのうち5分のフィードバックを行う。学習者は研修期間の間に異なるケースについて異なる評価者から評価を受ける。
・CbDはその妥当性を示唆する研究がいくつかある。救急医の免許更新における研究などがそれである。その一つとして、ボランティアの医師と、臨床に問題のある医師を両方まぜて、CbDで評価した結果、その両者を鑑別できたという研究がある。

⑦MultiSource Feedback(MSF)
・360度評価とも言われるが、構造化された質問紙を用いて多くの関係者からパフォーマンスのデータをあつめ、個々の学習者へフィードバックする手法である。全ての評価は直接観察のもとではあるが、上記6つと異なるのは「日常のパフォーマンス」を思い出して記載するところである。
・多くのフォーマットがあるが、mini-peer assessment tool(mini-PAT)はその良い例であり、UKでのFoundation Programmeで用いられている。そこでは学習者が8人の評価者を指導医、ジュニア、看護師、他の医療専門職から選択する。それぞれの評価者が構造化した質問紙を渡され、プログラム中枢部に送る。また学習者自身も同じ構造化質問紙を用いて自己評価を行う。
・評価のカテゴリーはよい臨床ケア、臨床実践の維持、教育と訓練、患者との関係性、同僚との業務、全体評価、である。
・この質問紙は集計して個別フィードバックを用意する。データはグラフとして、学習者を評価した人の平均点と国での平均点が示される。全てのコメントは逐語録として残されるが、匿名化される。学習者は教育者とこの結果を見て、今後の行動計画を立てる。このプロセスは研修期間中に年に2回行われる。
・MSFは卒後や現場の医師の評価にも応用されている。Sheffield Peer Review Assessment Tool(SPRAT)がfigure4にあり、実現可能性と信頼性が示されている(※先日ジャーナルクラブで扱ったものです)。また一緒に仕事をした期間などのバイアスの影響も受けないようである。信頼性を保つ為には8-12人による評価が必要である。

注釈
形成的評価;学習者が更にのびることを目的として行う評価のこと。点数をつけて合格・不合格とする評価ではなく、改善の為の提案や指導を行うことが主目的。
妥当性=測定したいと思っているものを測定できているかどうかの指標
信頼性=誰が行っても同じような結果がでるかの指標

【開催日】
2012年10月24日

卒前教育の家庭医療コアカリキュラム

― 文献名 ―
 HOWARD TANDETER et al. A ‘ minimal core curriculum ‘ for Family Medicine in undergraduate 
medical education: A European Delphi survey among EURACT representatives. European Journal of General Practice, 2011; 17: 217-220

 ― この文献を読んだ背景 ―
 滋賀医科大学4年生対象に弓削の森先生と6コマの家庭医療の系統講義を担当する。100名対象の講義型で、かつ6コマということでどのようなテーマが良いのかを再度検討してみたかった。
 欧州の指導医委員会(2011)とSTFM(2009)と両方が見つかったが、前者の方が利用しやすいと感じたため共有したい。
 
 ― 要約 ―
背景:
家庭医療は世界で異なる発展をしている。特にプライマリケアが整備されていない国々では、家庭医が卒後キャリアの選択肢となっていないため、家庭医療の教育が不十分である。そのような状況で家庭医療は卒前教育中に必要な臨床経験とみなされていない

目的:
短期間の家庭医療の臨床実習の”ミニマムリクアイアメント””ミニマムコアコンテント”を同定する。

方法:
欧州家庭医療/総合診療指導者委員会(Council of the European Academy of Teachers in General Practice and Family Medicine)の中の全ての欧州国家とイスラエルの代表者であり、家庭医かつ指導医である40名のグループを対象にデルファイ法を用いて実施した。
デルファイ法(岡田先生のブログより):
 元々は予測が難しい未来のことを予測するための方法最近はそれを転じて合意形成の方法としても用いられる。専門家グループなどが持つ直観的意見や経験的判断を反復型アンケートを使って、組織的に集約・洗練する意見収束技法。技術革新や社会変動などに関する未来予測を行う定性調査によく用いられる。
デルファイ法ではまず、予測したいテーマについて詳しい専門家や有識者を選んで意見を求める。得られた回答は統計的に集約して意見を取りまとめ、これを添えて同じ質問を各専門家に対して行い、意見の再検討を求める。この質問とフィードバック、意見の再考という過程を数回、繰り返すとグループの意見が一定の範囲に収束してくる。この意見集約によって、確度の高い予測を得ようというわけである。
デルファイ法はテーマと関係のない影響力を極力排除するよう配慮されている。また問題としては「専門家の定義や選出方法」「アンケート質問の適正さ」「意見一致への強要や誘導」「集約手法の信頼性や妥当性」「未来予測の限界」などが指摘される。

結果:
何周かのデルファイによって、卒前家庭医療の必要最小のコアカリキュラムの15のテーマが同定された
—————————————————————————————
1   27票 特有の医学である家庭医療の紹介、継続性・包括性・協調性という家庭医療の重要原則
2  21票 全人的アプローチ:生物心理社会モデル

3  20票 症状早期の鑑別しにくい時期のマネージメント、不確実性の扱い方

4  17票 コミュニケーションスキル:患者、患者家族、難しい患者

5  17票 複数の健康問題のマネージメント:優先順位づけ

6  17票 流行状況や発生率に基づいた意思決定

7  17票 予防・健康増進、患者教育

8  16票 患者中心性

9  16票 外来スキル:外来のステージ

10 15票 慢性疾患ケア、慢性の疾患・健康問題のマネージメント:DM,HT,CHF,肥満

11 14票 疾患の原因・ケアの資源としての家族:家族背景、家族図、ライフサイクル

12  13票 家庭医療に特徴的なヘルスケア:全年齢、男性/女性、病気を治す・予防する、救急

13  12票 コミュニティ志向:コミュニティ中心のケア、地域ニーズ評価

14  12票 家庭医療にコモンな症状

15  10票 プライマリとセカンダリーの境界:紹介、ゲートキーピング、擁護者

15は別テーマ「疾患について:診断、治療、フォローアップ、訪問診療」と同等の10票であったが、最終デルファイで上位にランクされた。

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 ― 考察とディスカッション ―
 1位、2位は納得であったが、3位のテーマは臨床的でありなるほどと思った。
 家族や地域は思ったよりも高くなく、日本での教育も外来診療のためのスキルを重視しても良いかもと感じた。ただVer1.0との違いも目立たず、日本の家庭医療の後期研修目標に沿った卒前教育が良いかもとの確信も得ることが出来た。

開催日:平成25年10月25日

臨床推論において学習者は何につまづいて、教育者はどう対応できるのか?~アクションリサーチからの学習者診断・介入ガイドの作成~

― 文献名 ―
 Marie-Claude Audetat, Suzanne Laurin, Gilbert Sanche, Caroline Beique, Nathalie Caire Fon, Jean-Guy Blais and Bernard Charlin: Clinical reasoning difficulties: A taxonomy for clinical teachers Medical Teacher 2013 35: e984-e989

 ― この文献を選んだ背景 ―

 あざいでは平成26年1、2月に再研修を希望している医師の研修受け入れが決まった。しかし、私自身のここ1年あまりの教育活動は医学生実習と遠隔教育が主であり、医師研修受け入れについてはブランクがある。そのため、家庭医療コアの教育を行うチャンスは多くあったものの、臨床推論(※ここでは診断だけでなく臨床決断も含める)教育のチャンスは少なかった。
 臨床決断において、困難な学習者がぶつかる問題、その診断とアプローチについて体系的に捉え直すことの重要性を感じていたところ、アクションリサーチの手法を用いて教育車向けの体系的なガイドを作成した研究を見つけた。最終成果物のガイドは非常に包括的で実践的であるため、是非共今回のジャーナルクラブで共有したい。

 ― 要約 ―
【背景】
 臨床推論は医学実践での基盤である。現時点では、臨床推論における困難さ、その特定の方法、教育での改善方法についての確立したフレームワークは存在しない。

【目的】
     ①学習者の外来、ケースサマリー、カルテの評価の際に、最も頻度の高い臨床推論の困難さを特定すること 
     ②医学教育者が、学習者診断とマネージメントをこの領域において行う際に助けとなるガイドを開発すること

【手法】
  ①概念的枠組み;以下の二つを採用した。
1.A parallel between the processes of clinical reasoning and educational reasoning.
 臨床教育者が学習者を指導する際に、患者の臨床推論と学習者診断を同時並行で行っており、そのプロセスはい ずれも問題解決的思考(情報収集→仮説形成→診断→対応)という点で共通しているというモデル。
2.恊働構成プロセス
 研究者が第三者的に観察するのではなく、対象である臨床教育者を随所で巻き込んで、研究をを進める枠組みで、具体的なリサーチデザインとして参加型アクションリサーチを採用。

  ②セッティング;家庭医療レジデンシーを選択した。理由としては、診断上の不確実性と診断の誤りや遅れが多い科トップ3の一つだからである。

  ③参加者
   モントリオール大学における家庭医療学・救急医学において医学教育に携わっている家庭医4人を選抜した。基準としては1.15年以上の臨床家・教育者としての経歴 2.臨床推論で困難なレジデントに関わる委員会に関わっている 3.FDの委員会、活動に関わっている 4.臨床推論における困難なレジデントの特定・改善プログラムに携わっている を考慮した。
  ④研究プロセス
   参加型アクションリサーチに代表される方法で、計画–行動–観察–振り返りというサイクルを行った。具体的には、2009年4~8月の間に3時間のセッションをくりかえし行った。この3時間セッションの中ではテーマに対する振り返りと抽出を行った。セッション同士の間の期間で、参加者である臨床家がセッションで見いだした計画を実行し、観察を行った。その結果を踏まえて更に3時間のセッションで振り返り・抽出を行う・・・というプロセスを繰り返した。データが飽和するまで行い、8回のセッションが行われた。
 ここでの結果をモントリオール大学のFDワークショップで共有し、17名の多分野の臨床教育者から妥当性の評価を受けた。

結果;先行研究を踏まえて、臨床推論のプロセスを以下の三つに分けて考えた。
 1.仮説形成と情報収集の方向性 
 2.仮説の精錬と検証 
 3.診断あるいは問題の特徴付けとマネジメント計画

 学習者が呈する臨床推論の困難さは1で1つ、2、3はそれぞれ2つずつの合計5つに集約された。それぞれについて、学習者が様々なスーパーバイズの場面において示す手がかり、特定するための問いの例、困難さの原因として考えうる仮説、困難さを改善するための教育戦略を特定した。それを集積したものを踏まえて、臨床教育者のためのガイドを作成した。
結論;このガイドは臨床教育者が、臨床教育の中で、あるいは特定の臨床推論の難しさを抱えた学習者に合わせた改善教育を施すにあたり、有益なツールとなるに違いない。

 ― 考察とディスカッション ―
 
 質疑応答以外に以下のようなテーマでのディスカッションを行いたい。
  ・臨床推論につまづく学習者の評価を皆さんはこれまでどんな場面で行っていたか?
  ・皆さんが普段行っている学習者への問い、学習者診断、介入と比べてこのガイドはどうか?
  ・もし、サイトでこのガイドを取り入れるとすれば、どんな方法があるだろうか?
 
参照資料: CLINICAL REASONING DIFFICULTIES
http://informahealthcare.com/doi/suppl/10.3109/0142159X.2012.733041/suppl_file/0142159X.2012.733041.pdf

開催日:平成25年10月9日

ジャーナルクラブの利用は医師によるエビデンスに基づいた意思決定の支援に有用か?どのような要素が有効なジャーナルクラブの運用に必要か?

― 文献名 ―
 Are journal clubs effective in supporting evidence-based decision making? A systematic review. BEME Guide No. 16.
J. Harris et al. Med Teach 2011;33(1):9-23

― この文献を選んだ背景 ―
 Since 2012, weekly lecture for residents have launched and I’ve performed interactive lecture and on-site practice of about EBM for three times. In the evaluation with questionnaire, I found that residents felt somewhat difficult to perform 5 step of EBM in their daily practice. Therefore, I would try to improve the educational method and strategy this year. For the first step, I search for the best evidence of teaching EBM, and found this paper.

― 要約 ―
 Research background;A journal club (JC) is an interactive approach to making sense of evidence, which is commonly defined as ‘a group of individuals who meet regularly to discuss the clinical applicability of articles in current medical journals’ (Linzer 1987).
 Their popularity can be attributed to a number of perceived benefits -they help students and practitioners to keep up to date with health care literature, become more critical consumers of research evidence, and become better practitioners. Positive attitudes about JCs have changed little over the past 15 years.
 Although education research would support a JC approach, there is little direct evidence that JCs are actually effective in reaching their stated goals.
 Research Question;Is the JC effective in supporting EB decision making? Is it possible to determine which elements of a JC contribute to effectiveness?
 Search strategies;The search strategy was developed using Medline (Table 3) and adapted for the requirements of other databases. Bibliographies of relevant publications and review articles were scanned and relevant references were retrieved. No language restrictions were applied.
Inclusion/exclusion criteria:See Table2.
Findings:18 papers were included in the final review. Of those, 17 were for postgraduates and 1 was for both undergraduates and postgraduates. Since there was a wide range of heterogeneity of the JC intervention, authors judged it was difficult to perform meta-analysis.

(1)Main findings;The included studies reported improvements in reading behaviour (N= 5/11), increased confidence in critical appraisal (N=7/7), improved test scores on critical appraisal (N=5/7), and increased ability to use findings in clinical practice (N=5/7).
They concluded that they couldn’t judge JCs are effective in supporting EB decision making, because only seven studies attempted to measure this endpoint and they relied on self-report.

(2)Methodological weaknesses are below.
 1.The description of the interventions lacks attention to detail, preventing adequate replication. 
 2.There was a paucity of learner assessment and few validated tools were used for quantitative assessment.
 3.The large variation in JC design and delivery limits comparison.

(3)Identifying active ingredients;
Analysis of the various elements contained in JCs produced a cluster of elements that may contribute to the overall effect. These were termed active ingredients, and included mentoring, didactic support, use of structured review instruments, adhering to principles of adult learning, using multifaceted approaches to learning, and integrating learning with other academic and clinical activities.

(4)Implications for practice
Our review illustrates that JCs are used widely across different sectors of the healthcare and used in a variety of different ways. Active ingredients are found at each stage of the educational intervention (The author applied five elements model of educational intervention and describes the results of this review about each facet in Table 4).
For example, if a JC is being designed for residents, the content should be directly applicable to patient cases they find problematic, enabling application of evidence in a real-time setting; didactic support could be provided based on an educational needs assessment (e.g. for statistical support). Critical appraisal and discussion of clinical applicability could be facilitated by senior clinicians who are in supervisory positions, enabling the transfer of discussion into practice.

― 考察とディスカッション ―
 Now I plan on-line EBM WS for residents this year, this article has given me several hints. Although some of those are same as other educational sessions like adult learning and multifaceted approaches to teaching, others have some practical implication for me.
1. I would like to pay more attention on individual learners’ needs. I’ve already sent some questionnaire to know their knowledge and practice of EBM.
2. I would like to change the contents more relevant to their daily patient cases. I will discard the discussion based on the case scenario and start with gathering and evaluating their daily clinical questions from the first session.
3. Mentoring is important. I would try the hands on session of EBM STEP1 to 3. (This part was on-site activity last year.)
4. I would like to introduce more structured material for critical appraisal.
5.The support of ‘on-site’ educators is imperative. I ask for your support.
Do you manage journal clubs in your clinic? If you have, how do you manage it? Is there some implication for you?

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開催日:平成25年7月10日

あるレジデンシーでの質的研究を用いた探索的な評価ツール開発/レジデンシー特有の能力とその熟達化を言語化し、その評価を研修場所毎に開発した軌跡

【文献名】
Baglia J et al. Generating developmentally appropriate competency assessment at a family medicine residency. Fam Med. 2011 Feb;43(2):90-8.

【要約】

BACKGROUND AND OBJECTIVES:
Ten years after the Accreditation Council for Graduate Medical Education’s (ACGME) mandate that residency programs evaluate learners’ competency, research is needed to guide efforts to meet this challenge. During an innovative residency redesign, the authors developed a process to effectively measure “competence.” This particular family medicine residency admits six residents per class year and is sponsored by an academic community hospital. Our objective was to generate developmentally appropriate observable behaviors that assess competencies.

METHODS:
Eight steps guided the development of this assessment system: 
(1) Generate residency-specific competencies, 
1. Relationship-centered care,
2. comprehensive care,
3. information literacy and knowledge creation,
4. leadership and change management, 
5. community health partnership, 
6. lifelong learning, and 
7. self care.
(2) Define residency-specific competencies, 
(3) Identify principles of assessment, 
1. direct observation is ideal and includes both assessment and feedback, 
2. multiple methods are appropriate,
3. assessment is consistent to the extent that visible behaviors are identified, and variations of interpretation are minimized, 
4. assessment and feedback are timely and expected, and 
5. effective assessment practices are dependent upon ongoing faculty development.
(4) Compose and analyze narratives of excellence within each competency, 
   
(5) Distill standard statements from narratives and organize into Dreyfus levels of competence, 

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 (6) Derive observable behaviors from standard statements to directly correlate behaviors and competency levels, 

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(7) Design assessment tools (based on observable behaviors) for six residency learning sites, and 

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(8) Translate assessment tools for ACGME competencies.
RESULTS:
The results of this process include an assessment system that 
(1) features six tools used with strategic frequency throughout the academic year and 
(2) generates global assessment of residents’ performance in both ACGME and residency-specific competencies.

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CONCLUSIONS:
Narrative reflection was an effective method to tie observable behaviors to competencies. The process was time intensive; however, greater efficiency and enthusiasm is expected in the use of these assessment tools, with greater confidence in the program’s capacity to assess training outcomes. Future research should include comparison of these tools with those of other programs.

【開催日】
2011年11月2日