慢性的な呼吸困難感に対するモルヒネ徐放製剤の多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験

-文献名-
Currow D, Louw S, McCloud P, Fazekas B, Plummer J, McDonald CF, Agar M, Clark K, McCaffery N, Ekstrom MP; Australian National Palliative Care Clinical Studies Collaborative (PaCCSC).
Regular, sustained-release morphine for chronic breathlessness: a multicentre, double-blind, randomised, placebo-controlled trial.
Thorax. 2020 Jan;75(1):50-56. doi: 10.1136/thoraxjnl-2019-213681. Epub 2019 Sep 26.

-要約-
【目的】
 モルヒネは慢性的な呼吸困難感を緩和すると考えられるが、大きなRCTによるデータが不足している。慢性的な呼吸困難感に対する低用量のモルヒネ徐放製剤の有効性と安全性をプラセボ対照無作為化比較試験により検証する。
【方法】
 オーストラリアの呼吸器・循環器・緩和ケアの入院・外来サービス14施設で二重盲検の無作為化比較試験を行った。修正版MRC息切れスケールで2以上の呼吸困難感を有する成人を対象とした。介入群は経口モルヒネ徐放製剤20mg/日と下剤、対照群はプラセボと下剤をそれぞれ7日間服薬した。両群とも必要時にモルヒネ速放製剤2.5mg/回を1日6回まで使用可とした。主要エンドポイントは現在の呼吸困難感のVAS評価の前後での変化とした。二次エンドポイントは24時間前と今における呼吸困難感の最低・最高・平均強度と患者のQOL、介護者のQOL、患者の治療への好みを評価した。
【結果】
 介入群に145名、対照群に139名が無作為に割り付けられた。主要評価項目である現在の呼吸困難評価の変化に有意差はみられなかった(変化の差-0.15 mm, 95%信頼区間 -4.59 to 4.29; p=0.95)。副次評価項目でも介入効果は認められなかった(24時間で最悪の呼吸困難感, p=0.064; 24時間で最良の呼吸困難感, p=0.207; 24時間の平均的な呼吸困難感, p=0.355; 現在の呼吸困難の不快感, p=0.338; 倦怠感, p<0.001, 介入群の方が倦怠感増悪; QOL, p=0.880; 全身状態, p=0.260)。介入群は便秘(p=0.001)、疲労(p<0.001)、悪心・嘔吐(p=0.008)が有意に多かった。モルヒネのレスキュー使用は対照群でより多かった(介入群, 平均5.8回, 対照群, 8.7回; p=0.001)。 【結論】  慢性的な呼吸困難感に対するモルヒネ徐放製剤の定期服用の介入効果は認められなかったが、レスキュー使用は対照群より少なかった。 【開催日】2020年3月11日(水)

儀式としての身体診察

-文献名-
Costanzo, Cari, and Abraham Verghese. “The physical examination as ritual: social sciences and embodiment in the context of the physical examination.” Medical Clinics 102.3 (2018): 425-431.

-要約-
Introduction:
検査技術の発達により、身体診察は軽視されている潮流にあり、診察時の見逃しによる不必要であった医療過誤に対するコストも指摘されている。身体診察は医師患者関係を維持するものとしての位置付けもあるが、これについての研究は乏しい。しかし患者の不満として「私の主治医は触ってすらくれなかった」と言った事はよく話題になる。

医学と社会科学における身体診察
2016年に身体診察と医師患者関係のレビュー文献があるが、その肯定的な評価については質的研究結果よりもむしろ持論を元にしたものが殆どであった。またエスノグラフィーによる報告では、身体診察はむしろ侵襲的であるという否定的な評価であった。

Embodiment:
身体とは、mind/bodyの2つから成り立つのではなく、歴史・文化・政治的力も不可分であるという考え方。個人の歴史だけではなく、社会や政治背景が身体的な差異に対してプラスやマイナスの評価を与え位置付けている事も含まれる(例:植民地政策における皮膚の色によるヒエラルキー)。

儀式としての身体診察
筆者の考える儀式性)
a.特異で象徴的な場所で身体診察は行われる(診察室は非日常的な空間である)
b.聴診器や打腱器など象徴的な道具が用いられる
c.上記場所や道具を用いた独自性や実践は、普遍的である
衣服を脱いだり、触ったりすることを許容することは、患者本人が脆弱性を示す(患者役割を身にまといそれを保持したい事を暗に意味している)ことであり、臨床医が注意深く思いやりを持って身体診察に取り組むことが強く求められている。

プラセボ効果と身体診察
well-administered身体診察はinferior身体診察と比べて、患者の気持ちを安らかにさせて、神経生物学的効果が、研究されている。

診療の喜びと身体診察の意味
臨床医の燃え尽き予防として、身体診察のような医師患者関係を強めるプロセスになるような儀式を意識する事も1つであろう。

【開催日】2020年3月11日(水)

医学生と家庭医療のキャリアについて話すときに考慮するべき12の論点

-文献名-
Kathleen Horrey. et al. Twelve points to consider when talking to a medical student about a career in family medicine. Canadian Family Physician. 1 January 2020; 66 (1): 74-76.

-要約-
背景;カナダ家庭医の大学(CFPC)の学部教育委員会(UGEC)は、医学生の家庭医療に対する認識と、彼らが私たちの専門分野について受け取るメッセージを調査している。この洞察を収集するために、UGECはメンバーの多様なグループからの意見を求めた。
まず、家庭医療のキャリアのやりがいと課題に関する彼らの見解について学ぶため、医学生のセクションを通じて共有される医学生向けの調査を開発した。これらのデータは、過去の家庭医療フォーラムのフォーカスグループスタイルのワークショップで発表された。ワークショップの出席者は、新卒者から40年以上の都市部と農村部の包括的な診療を含む40年以上の診療経験を持つ家庭医の幅広いグループを代表していた。医学生の認識に関する豊富な議論の後、私たちは居住者と最近の卒業生からより多くを聞く必要があることに気づいた。追加の調査は、居住者のセクションおよび家庭医療実践委員会の最初の5年間を通じて、選択したキャリアのやりがいと課題に対する認識を決定するために広められた。入力を提供したすべての人からの応答を捉えた概念的なテーマを開発した。家庭医療に関連するやりがいと課題の認識に関するこれらの概念的アイデアは、その後の家庭医療フォーラムの別のフォーカスグループスタイルのワークショップで発表され、参加者は反復的に出現した概念をさらに微調整した。UGECのメンバーとCFPCのアカデミック家庭医療部門の同僚は、これらのメッセージをさらに洗練させた。
「家庭医療でのキャリアについての12の論点」は、多数の異なる意見や経験の収集から生まれたものであり、家庭医が医学生と日常診療やその間に起こったことに役立てることができ、家庭医療のキャリアのやりがいと課題に関する医学生との議論において焦点を合わせるのに役立つ。以下に示すこれらの12の論点は、文書「家庭医療のキャリアについて医学生と話をする際に考慮すべき12の点」からのものであり、それはwww.cfpc.ca/uploadedFiles/Education/Twelve-Talking-Tipsからダウンロードできる(フランス語版もあり)。
話すポイント
1.家庭医療は専門であることを強調する
特に、かかりつけ医はジェネラリストの専門知識を持つ熟練した臨床医であることを説明する。家庭医療は、知的に刺激的で、挑戦的であり、非常にやりがいのある職業である。患者とその家族に奉仕することがどんな特権かを話す。これらの有意義な縦断的関係は、医師としての私たち自身の回復力と幸福を高める。かかりつけのポイントとして、家庭医療の4つの原則(www.cfpc.ca/Principles)を強調すると役立つ場合がある。その4つの原則とは、かかりつけ医は熟練した臨床医、家庭医療は地域に根ざした学問、かかりつけ医は、定義された診療集団のリソース、患者と医師の関係は、かかりつけ医の役割の中核であるというものだ。
2.彼らとの包括性の概念を調べ、これが圧倒的と思われるかどうか尋ねる
患者のプレゼンテーションの謎を受け入れ、「多くのことを少し知っている」という認識を拒否する。これは、家庭医療に必要な知的厳格さを低く評価する。
3.地域および新興のニーズを満たすために、コミュニティに適応したケアを提供するための訓練方法について話し合う
医学生は社会的説明責任に強い関心を持っている。かかりつけ医が包括的実践、特別な利益を伴う実践、および集中的実践のすべてを共同で私たちのコミュニティのニーズを満たす方法を調査することにより、この素因を構築する。
4.この仕事は、単独ではなくチームで行うことを指摘する
私たちは、他のかかりつけ医や他の医療提供者とチームで協力し、患者のケアを互いに支援する。
5.家庭医療がいかに多様性を提供し、決して退屈しないかを祝う。毎日が新しい経験をもたらす
私たちの仕事には、すべての人々、年齢、ライフステージ、プレゼンテーションの包括的で継続的な医療が含まれる。リーダーシップ、アドボカシー、奨学金、研究、品質改善が含まれる。
6.家庭医療が、このような多様な実践機会を持つ唯一の医療専門分野である方法を説明する
コミュニティのニーズよりも個人の利益に集中していると解釈されるため、柔軟性の概念よりも汎用性を強調する。
7.家庭医療は私たちと共に適応し成長するキャリアであることを強調する
私たちは自分の人生の段階と実践の段階に合わせて調整することができ、個人や私たちが奉仕するコミュニティとして私たちに最適なものを見つける。
8.この汎用性により、ワークライフの統合を達成するためにどのように努力できるかを説明する
医学生は誤って家庭医療を専門分野の「ライフスタイル」選択であると誤解しているため、ワークライフバランスなどの用語は避けてください。
9.「プラス1」年間の強化されたスキルトレーニングに関する神話を払拭する
学生がこれについて尋ねている理由を調べてください。一部の学生は誤解されており、家庭医療の訓練にさらされる前であっても、家庭医として患者に緩和ケア、産科ケア、緊急ケアなどを提供できるように強化されたトレーニングが必要であると考えている。他の学生は、包括的な実践の考えが圧倒的であることに気づき、より集中したいと考えている。この場合、家庭医療が彼らにふさわしいのか、それとも道筋なのかを探ってください。私たちは、生徒が地域のニーズを満たすために強化されたスキルプログラムを選択し、個人の利益を達成するためだけでなく、最良の結果が得られるように利益を達成することを奨励する。
10.家庭医療を「バックアップ」計画と見なしているかどうかを尋ねる
一部の学生にとっては、カナダのレジデントマッチングサービスでの一致で家庭医療を選択することが適切かもしれないが、家庭医療はすべての人のバックアップと見なされるべきではない。生徒が自分にぴったりだと思う分野を選択し、それに応じてランク付けすることを生徒に奨励する。
11.将来の診療条件の不確実性について懸念がある場合は、対処する
認識について率直に話してください。政治的風潮と家庭医療への支援は、時々変わる。物事が今日不確実に見える場合、それらは将来より良くなるだろう。すべての医療専門職に不確実性があることを認める。しかし、他の多くの専門分野よりも家庭医療の雇用機会に関してはるかに確実性が残っている。
12.患者があなたの仕事をどのように評価しているかについてのストーリーを共有する
かかりつけの医師に対する全身的圧力の背景と、私たちの職業は価値がないという印象に反して、患者が私たちの仕事をどれほど大切にしているのか、患者が私たちとの信頼関係を重視していることを忘れてしまうかもしれない。
結論:医学生の家庭医療に対する認識と、彼らが私たちの専門分野について受け取るメッセージを調査した後、医学生に伝えようとするメッセージは、いつも彼らから聞くメッセージとは違うことがわかった。「12の論点」は、家庭医療のキャリアに関するメッセージを改善し、メリットを強調し、神話を払拭し、課題に正直になり、医学生自身に家庭医療が適切かどうかを振り返るのを促すための推奨事項として浮上した。

【開催日】2020年2月12日(水)

在宅における新生児緩和ケア

-文献名-
Kuhlen, M., Höll, J. I., Sabir, H., Borkhardt, A., & Janßen, G. Experiences in palliative home care of infants with life-limiting conditions. European journal of pediatrics. 2016;175(3):321-327.

-要約-
研究の目的:予後の限られている疾患を持った新生児およびその家族が在宅緩和ケアにおいて直面する問題点を同定し、医師・支援者がそのニーズを理解することを目指す
背景:これまでに在宅緩和ケアを受ける新生児についての実態調査研究は2013年のポーランドのものをのぞいてほとんどない。同研究では37.7%(20人)が緩和ケアから通常のケアに安定して脱していることが報告されている。
デザイン:ドイツ・デュッセルドルフの子供病院の小児緩和ケアチーム(PPCT)に紹介され、自宅ケアを受けた事例を2007-2014年の期間で記述的研究を行った。生後365日を超えた事例は除外した。なお、同都市では5820人の子供が1年あたり生まれている。
結果(Table1, 2, 3参照):31人の患児が該当した。そのほとんど(17人)が先天性奇形または染色体異常だった。21人が死亡し、そのうち5人は入院中の死亡だった。64.5%が自宅でお看取りとなった。83.9%が嚥下機能障害を持ち、NGチューブあるいはPEGを受けていた。1/5の子供がPEG造設のために再入院したが、その周術期に死亡していた。71%が鎮痛薬による治療を受け(そのうち16人72.7%がNSAID、2人9.1%がトラマドール、17人77.3%が強オピオイド)、45.2%が酸素療法が必要で、9.7%が人工呼吸器を要していた。
死亡率が最も高かったのは、周産期合併症を持っていた場合(75%)であった。4人の患者においては、状態が劇的に改善し、緩和ケアから通常ケアに脱することができた。

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【開催日】2020年2月12日(水)

アドバンス・ケア・プランニングの適切なタイミングとは?

-文献名-
Nancy L. Schoenborn, MD, MHS, Ellen M. Janssen, PhD, Cynthia Boyd, MD, MPH, John F.P. Bridges, PhD, Antonio C. Wolff, MD,Qian-Li Xue, PhD and Craig E. Pollack, MD,MHSdoi: 10.1370/afm.2309 Ann Fam Med November/December 2018 vol. 16 no. 6 530-537

-要約-
目的: 臨床診療ガイドラインでは、プライマリケアにおける多くのことを決定するために、平均予後を組み込むことを推奨している。全国サンプルで平均余命を議論することの高齢者の好みを調べることを目的にした。
方法:2016年にnational probability-based on line panel(1)から1272人の高齢者(65歳以上)を招待した。我々はすぐに死ぬことがない平均余命が限られた仮想患者を提示した。私たちは参加者に、もし患者であったとしたら、どれくらい生きるか医師と話したいか話したくないか、医師がこの議論を切り出すことを容認できたかできなかったか、医師に平均余命について家族や友人に話してもらいたいかもらいたくないか、いつ話し合うべきかを問いかけた。
(1)あらかじめ登録してもらった人に世論や健康についてオンラインでアンケートをして答えてもらう仕組み
結果:参加者878人(69%の参加率)の平均年齢は73.4歳だった。過半数の59.4%は、提示されたシナリオでどれくらいの期間を生きることができるかについて議論したくないと回答した。このグループ内では59.9%も医師がこの話題を切り出すべきとは考えず、87.7%も医師が余命について家族や友人に話し合うことを望まなかった。55.8%の人は平均余命が2年未満の場合にのみ余命について話し合いたいと答えた。議論を持ちたいと積極的に関連する要因には、教育レベルが高いこと、医師が余命を完璧に予想できると信じていること、生命に関わる病気や愛する人の余命について過去に経験したことがあることがあった。宗教が重要であるという報告は否定的に関連していた。
結論:高齢者の大部分は平均余命が限られている仮想の患者を描いた時、平均余命を議論することを望まなかった。また多くの人はこの議論を提供されることを希望しなかった。 そして臨床医がこのデリケートなトピックに関する患者の好みを同定する方法についてのジレンマを提起する
discussion:臨床医が最初に患者の病気や平均余命に関する議論の経験や平均余命に関する患者の信念を探り、平均余命の議論に対する患者の感受性を評価することがこのジレンマの解決法の一つになる可能性がある。継時的にそれらを評価するのが良い。患者の人生における重大な健康問題や患者家族の重大な健康問題の後に重要かもしれない。平均余命が1-2年になった時もアプローチするタイミングかもしれない。
限界:ITリテラシーの低い高齢者などのサブグループを代表していない可能性がある。架空のシナリオであるため参加者の回答は実際の行動を反映していないかもしれない。さらに単一のシナリオでは患者の健康状態の多様性や健康の動的な自然経過を把握できない可能性がある。

【開催日】2020年2月5日(水)

COPD患者における一般診療所での呼吸機能検査の妥当性

-文献名-
T R Schermer, et al. Validity of spirometric testing in a general practice population of patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD). Thorax. 2003 Oct; 58(10): 861–866. doi: 10.1136/thorax.58.10.861

-要約-
Introduction:
近年プライマリケアの現場で呼吸機能検査の使用が急速に増大している。実践ガイドラインではCOPDの管理に呼吸機能検査が中心的な役割を示すことを示唆しており、患者のほとんどはプライマリケアで診断治療がされるため、これらのガイドラインは一般診療所に密接に関連している。
呼吸機能検査の有効性(もしくは信頼性)は呼吸器疾患の診断、モニタリング、マネジメントを行うための前提条件で、実際に広く使用されているが、プライマリケアの環境で呼吸機能検査の有効性は証明されていない。
過去の研究では、一般診療所で得られた呼吸機能検査の測定指数は検査室で得られた値に比べ、十分な検出がされていないことが示されており、妥当性が不十分であると示唆されている。しかし、これらの報告はいずれもpeer review(査読)がされておらず、今後さらなる研究が必要とされている。今回の研究の主な目的は、一般診療で行われた呼吸機能検査の結果が、検査室で行われた結果と、一致した検査結果を示すかどうかを評価することである。

Method:
研究には、4つの検査室(大学に2つ、総合病院に2つ)と149人の一般開業医(GP)と185人の検査助手からなる61の一般診療を対象とした。検査室における呼吸機能検査を「ゴールドスタンダード」測定と設定した。
一般診療所における患者は以下が選択された。
年齢は30〜75歳、喫煙者もしくは過去に喫煙歴がある中で、COPDの臨床的定義(「過去2年間に少なくとも3ヶ月間は、日中の咳嗽もしくは呼吸困難がある」)を満たし、気管支拡張薬投与後のFEV1の結果が40-90%、および(または)気管支拡張薬投与後のFEV1/FVCが予測値未満(男性で88%、女性で89%)を示しており、GPによってCOPDと診断された患者を対象としている。重度の併存疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性発疹の既往のある患者は除外された。
研究が実施される前に、一般診療所のGPと検査助手には呼吸機能検査実施におけるトレーニングプログラムを受講させた。プログラムは、2.5時間のセッションを1か月の間隔で2回受講する。セッションの内容は、Thoraxの Webサイトで入手できるものとした。
研究データの収集は1998年12月から2001年1月まで行われ、一般診療所および検査室にはすべて、同じ電子呼吸機能検査計と肺活量測定ソフトウェアが装備された。各研究被験者は、一対の呼吸機能検査が実施された。最初の検査は常にいずれかの検査室で行われ、2回目の検査を一般診療所で行った。2つの検査の間隔が30日を超える被験者は、分析から除外された。研究途中に急性増悪があったケースの測定スケジュールは臨床的な改善が認められた6週間後まで延期された。
被験者は、一対いずれの呼吸機能検査においても、検査前8時間の短時間作用型気管支拡張薬と12時間の長時間作用型気管支拡張薬を控えるように指示され、呼吸機能検査を実施する15分前に、スペーサーによる気管支拡張薬(エアロゾル化サルブタモール400μg)の投与がされた。各テストでは、少なくとも3回の強制呼気操作が行われ、FEV1とFCVの結果の合計が最も高い操作が保存され、分析に使用された。

Results:
61の診療所の内訳は、21(34%)がソロプラクティスであり、35(58%)はグループ診療、5(8%)は学術集中ヘルスケアセンター?である。全体の65%の施設で研究前より呼吸機能検査が導入されていた。Table1には今回の特性が記載されている。トレーニングプログラムの出席率はGPで57%、検査助手で78%でした。61の施設の中で2施設はGPが検査を行い、59は検査助手が実施していた。

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Primary outcomeは、一般診療所と検査室におけるFEV1(一秒量)とFCV(努力肺活量)値の純粋な差の平均とした(ΔFEV1、ΔFCV)。1年目と2年目の研究アウトカムに大きな差はなかった。
また単純な差の平均と別に、調整された推定値も算出された(外れ値の影響を配慮され、最小値付近5%データと最大値付近5%データを除外して計算する5%トリム平均が行われた)。調整された推定値は単純な差の平均値より、(ごく軽度だが)高いことがわかった(Table2)。さらには研究1年目、2年目ともに、すべての診療所で測定した値のほうが、検査室での値よりもFEV1、FCVともに高く算出されていることがわかった(Table3)。この結果は診療所と検査室での呼吸機能検査の測定値に不一致があることを示唆している。
ΔFEV1、ΔFCVの値のばらつきについては、体系的な変化はみられなかった(Figure1,2)。

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Discussion:
今回の研究結果は、一般診療所の呼吸機能検査の品質と「ゴールドスタンダード」の手順で行われる検査室の呼吸機能検査の品質を加味して、納得する結果であった。
一般診療所の呼吸機能検査の平均値を一貫して観察したところ、再現性の割合については、診療所も検査室も同じであった。しかし上述した通り、診療所と検査室の呼吸機能検査の測定値自体の一致は限定的であったため、この結果は診療所と検査室の測定値の結果を同様のものとして扱うことは避けるべきであるということを示唆していることがわかる。

また今回の研究自体は診療所と検査室での呼吸機能検査のパフォーマンスを比較することを目指したものである。
検査のパフォーマンスは検査実施者の関連する因子によって大きく影響を受ける。被験者への指導の質、呼吸機能検査の再現性など多岐にわたる。比較における潜在的なバイアスを抑えるため、検査器具を同様のものを使用する工夫などは行ったが、被験者の気道過敏性や日内変動など個人因子は調査結果に影響を与えた可能性はある。被験者の繰り返し行う検査による学習効果も完全に影響していないとは言い難いが、この点に関しては、過去にCOPDの診断を受けている患者で呼吸機能検査の経験があり、理解力を有する方を対象に行っているため、個々の学習曲線は横ばいになっていると推定される。

(結論)
トレーニングされた一般診療所で得られたCOPDの管理に関連する呼吸機能検査の検査結果は、認定された検査室で測定された値よりもわずかではあるが統計的に高い値が出ていると結論付けた。
しかし再現性については、一般診療所と検査室に差がないことから、プライマリケアの現場で呼吸機能検査の実施が、すでに広く行われていることを支持するものであった。
ただし、上記の通り、診療所と検査室での値は不一致であることも示唆されたため、測定値の評価を入れ替えして使用することは避けるべきである(初回を診療所で測定して、フォローを検査室で測定するような行為)ことも示唆された。
プライマリケアの環境で呼吸機能検査を実施することを奨励することは、実践するスタッフのトレーニングが十分であれば、妥当性のあるものと考える。

【開催日】2020年2月5日(水)

TV会議や電話による診察と直接面談による診察の内容と質の比較

-文献名-
Victoria Hammersley, et al. Comparing the content and quality of video, telephone, and face-to-face consultation: a non-randomised, quasi—experimental, exploratory study in UK primary care. BJGP. 2019; DOI:

-要約-
【背景,イントロダクション】
英国のプライマリ・ケア現場では直接面談による診察(face to face consultation,以下FTFC)の代替/補完として電話による診察(telephone consultation,以下TC)の利用が広がっており,働く人や家事で忙しい人にとって時間の節約とプライマリ・ケアサービスへのアクセス改善に役立っている.一方ではTCは時間が短く,扱われる健康問題の幅が狭く,十分な情報収集やアドバイス,ラポール形成が難しく,比較的単純な診察においてのみ有用であり,余り安全ではないとする研究もあり,全身状態や非言語コミュニケーションなど視覚的な情報が欠落することも指摘されている.インターネットを利用したTV会議(video consultation,以下VC)はこういった課題を解決し,身体所見を必要としないある種の診察においては有用かも知れないことから,NHS(National Health Service)がVCの利用可能性について言及している.
【目的】
スコットランドでパイロットとして使用されているAttend Anywhereと呼ばれるVCのシステムを用いて,プライマリ・ケアの診療における医師や患者の受け入れの良さ,VCがFTFCやTCとどのように異なるのかを探索する.
【セッティング】
スコットランドのGeneral Practice(GP)のクリニック.
【方法】
GPクリニックで診療を受け,フォローアップの必要な患者にフォローアップの方法としてVC,TC,FTFCの3つから選択してもらった.診察は録音されその内容と質を分析した.また,診察後,医師(GP)と患者双方にアンケート調査を行った.VCの流れはFigure2 .診察の内容と質の分析に用いられた指標はBox.1.

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【結果】
13名のGP(男性8名),162名(FTFC 54名,TC 56名,VC52名)が参加.データを全て収集できた患者は149名.
・ 患者特性
VCを選択した患者は相対的に若く平均42歳(TC 54.3歳,FTFC 52.3歳).VCを選択した患者は女性の方が多かった(54%.FTFC 39%,TC 55%).英国の白人が大部分を占めた(87%).FTFCを選択した患者は過去1年間でより診察の回数が多かった(中央値10回.TC 6回,VC 5回).
VCの患者でスマートフォンを利用したのが49%,PCを利用したのが35%であった.
・ 技術的な障壁
WiFi環境整備,GPのAttend Anywhere利用への習熟などが障壁となったが,3名の患者しか「VCは有用ではない」と回答しなかった.診察を他の方法に切り替えた患者が複数名いた(詳細は原著).
・ 患者アンケート(Table2,3)
全体的に患者のかかえるプロブレムがよく取り扱われ有用であったが,FTFCの患者が「very good」と回答する頻度が高かった.
・ GPアンケート
患者のプロブレムをマネジメントするために非常に有用(very useful)と回答したGPは FTFCで86%,TCで78%,VCで65%.VCを利用したGPの10%が「VCを再び診察に用いたいと思うか?」の問いに「思わない」と回答した.その理由の多くが技術的な問題であった.
・ 診察内容と質に関する分析(Table5,Table6)
全般的にVC,TCではFTFCと比較すると取り扱われた健康問題が少なかった(VC 1.5,TC 1.8,FTFC 2.1).
FTFCはより時間が長かった(VC 5.94分,TC 5.56分,FTFC 9.61分).
全般的にRCGPの指標による診療の質評価はほぼ同様であった.VCとTCではFTFCに比較して「patient’s own health understanding」「Places problems into psychosocial context」の2項目が低い結果であった.生活習慣へのアドバイスを与える頻度はFTFCの方がより高かった.RIASの指標による分析では是パン的にFTFCの方が患者教育とカウンセリングに時間が割かれており,患者が提供する情報が多かった.VCとTCの間に差はなかった.

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【結論】
VCはTCと同様,扱われる健康問題はFTFCと比較すると少なく診察時間も短かった.診察の内容,質に於いてもFTFCがより豊かな診療であった.患者経験においてもFTFCの方が良好であった.VCは主に若く,ITになじみのある人に選択され,普段は診察を受ける頻度の少ない人が選択した.患者の価値感が利便性にある場合,身体診察が不要な場合,VCにはアドバンテージがあるだろう.

【開催日】2019年12月11日(水)

薬剤溶出ステントを用いたPCI後の抗血小板薬2剤治療の期間

-文献名-
Duration of dual antiplatelet therapy after percutaneous coronary intervention with drug-eluting stent: systematic review and network meta-analysis. BMJ 2019; 365: l2222

-要約-
【Introduction】
アスピリンとP2Y12受容体阻害剤(チクロピジン、クロピドグレル)を使用した2重抗血小板療法(DAPT)は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の患者ケアの基礎となっている。薬剤溶出ステント(DES)移植後の患者に対するDAPTの推奨期間は、急性冠症候群(ACS)では12ヶ月以上、安定した冠動脈疾患の患者では6ヶ月となっている。だが、DES技術の改良と強力なP2Y12受容体阻害剤の出現により、DAPTから単一の抗血小板療法へ切り替える最適なタイミングは議論の余地がある。
過去の研究では、12ヶ月以上のDAPTは、3~6ヶ月のDAPTと比較して非優越性が証明された。さらに、DAPTの期間が短い方が、出血に関連した死亡率の低下により、全ての原因による死亡率が低くなった。にも関わらず、研究では短期DAPTが従来の標準期間に取って代わることができるとは結論づけられなかった。さらに、3ヶ月のDAPTがACS患者の虚血リスク増加と関連していることも示唆された。
本研究ではネットワークメタアナリシスにより、DAPTの継続期間をより定量化し、包括的な評価を行った。

【Method】
データベース:Medline、Embase、Cochrane Library for clinical trials、PubMed、Web of Science。ClinicalTrials.gov、Clinicaltrialsregister.euも検索した。
基準:対象者はDESを使用したPCI後にDAPTを受けた成人(18歳以上)。介入はDAPTの候補期間(短期;6ヶ月以下、標準期間;12ヶ月、長期;>12ヶ月)。他の候補期間との比較を行った。結果には死亡、心筋梗塞、脳卒中、出血が含まれる。除外基準:≦1ヶ月のDAPT、非無作為化試験の分析、横断研究、症例報告・症例シリーズ、進行中の試験、または元の研究のデータが不十分な場合。

【Results】
2010年~2018年までの17の研究、46,864名の参加者が含まれた。DAPTの最短期間は3ヶ月で、最長期間は48ヶ月。全体として13,234名の参加者が短期DAPTに、18,473名が標準期間DAPTに、15,157名が長期DAPTに割り当てられた。全てのランダム化比較試験で、完全な臨床的および人口統計学的特性が報告された。
短期DAPTと比較して、長期DAPTは大出血(オッズ比1.78、95%信頼区間1.27~2.49)、非心臓死(オッズ比1.63、95%信頼区間1.03~2.59)が多くみられた。標準期間DAPTは出血率の高さと関連していた(オッズ比1.39、95%信頼区間1.01~1.92)。他の主要エンドポイントでは顕著な差は見られなかった。感度分析により、短期または標準期間DAPTと比較して、18ヶ月以上のDAPTでは非心臓死および出血リスクがさらに増加することが明らかになった。サブグループ解析では、新しい世代のDESが移植された患者では、長期DAPTで短期DAPTよりも全ての原因による死亡率が高くなった(オッズ比1.99、95%信頼区間1.04~3.81)。ACSに対して新世代のDESを使用された患者について、短期DAPTは標準期間DAPTと同様の有効性と安全性を示した。

JC20200115中島1

Fig2:Network meta-analysis results of all endpoints between two pairs of duration of DAPT

JC20200115中島2

Fig3:Network meta-analysis results of all endpoints between two pairs of duration of DAPT

【Discussion】
DAPTの最適な期間は、個人の虚血および出血のリスクを考慮に入れる必要があるが、この研究は、直接および間接比較からの根拠を組み合わせて、DESを使用したPCI後のほとんどの患者で短期DAPTを考慮することができることを示唆している。
本研究の限界として、第一にクロピドグレルをベースにDAPTの期間を評価したため、プラスグレルやチカグレロールなど他のP2Y12阻害剤を適用した場合は結論が異なる可能性がある。第二に、プールされた定義で異なる試験の結果分析を行った点である。第三に、心臓死など、いくつかの試験ではいくつかのエンドポイントが報告されなかったため、頻度主義とベイズ主義の枠組みでの結果のわずかな相違が部分的に説明された可能性がある。

【開催日】2019年12月11日(水)

体積骨密度および骨強度に対する高用量ビタミンD補給の効果

-文献名-
Lauren A. Burt, PhD. Effect of High-Dose Vitamin D Supplementation on Volumetric Bone Density and Bone Strength A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2019 Aug 27;322(8):736-745.

-要約-
背景
12ヶ月以上にわたって許容上限摂取量以上でビタミンD投与の効果を評価した研究はほとんどないが、米国成人の3%が少なくとも4000IU/dayのビタミンD摂取を報告している。

目的
体積骨密度(BMD)および強度に対するビタミンD補給の用量依存効果の評価
デザイン
カナダ・カルガリーの単一施設で2013年8月〜2017年12月までに実施された3年間の二重盲検RCT。
55〜70歳までの311人の骨粗鬆症のない健康な成人、25[OH]Dのベースラインレベルは30〜125nmol/L。

介入
400IU(n = 109)、4000IU(n = 100)、10000IU(n = 102)での3年間のビタミンD3の1日量。
カルシウム摂取は、食事で1200mg/day未満の人に提供。

結果
HR-pQCT(high-resolution peripheral quantitative CT:DEXAより正確に骨密度を測定し、かつ骨強度を測定できるもの)で橈骨・脛骨の骨密度(BMD:bone mineral density)を評価、および要素解析による骨強度の推定。
無作為化された311人の参加者(53%が男性、平均年齢62.2歳)のうち287人(92%)が研究を完了。
25(OH)Dのベースライン、3か月、3年後の値は、400IUグループで76.3、76.7、77.4nmol/L。
4000IUグループで81.3、115.3、および132.2。
10000IUグループで78.4、188.0、および144.4。
終了時での橈骨の骨密度は400IUグループと比較して、4000IUグループ(−3.9 mg HA/cm3 [95% CI, −6.5 to −1.3])および10,000IUグループ(−7.5 mg HA/cm3 [95% CI, −10.1 to −5.0]) で低かった。
体積BMDの平均変化率は-1.2%(400 IUグループ)、-2.4%(4000 IUグループ)、および-3.5%( 10000 IUグループ)であった。
400 IUグループとの脛骨の骨密度の差は、4000IUグループで-1.8 mg HA /cm³(95%CI、-3.7〜0.1)、10000 IUグループで-4.1 mg HA /cm³(95%CI、- 6.0〜-2.2)、平均変化値は-0.4%(400IU)、-1.0%(4000IU)、および-1.7%(10000IU)であった。

結論と関連性
健康成人では、1日あたり4000IUまたは10,000IUのビタミンDを3年間投与すると、400IUと比較して骨密度が統計的に有意に低かった。脛骨では、10000IUでのみ有意に低かった。橈骨でも脛骨でも骨強度には有意差はなかった。調査結果は、骨の健康のための高用量ビタミンD補給の利点を支持しなかった。有害かどうかはさらなる研究が必要である。

参加者のフロー
JC201912大西1

母集団
JC201912大西2

<除外>
骨粗鬆症(骨量低下は含む)
血清25(OH)値の高値、低値
血清Ca値の高値、低値
半年以内に高容量ビタミンD服用
2年以内に骨粗鬆症の治療介入
ビタミンD代謝に影響する疾患(サルコなど)
腎障害
吸収不良
2年以内の腎結石
日焼けサロンに通っている

A(血清25(OH)D)、B(副甲状腺ホルモン)、C(タイプ1コラーゲンCテロペプチド)の分布
JC201912大西3

JC201912大西4

血清25(OH)D値は高容量投与で上昇するが、副甲状腺ホルモン、骨代謝マーカーには影響なし

Primary Outcome <骨密度の変化>
JC201912大西5
投与すれば投与するほど骨密度が下がっている

服作用頻度
JC201912大西6
高Ca血症と高Ca尿症で有意差あり

【開催日】2019年12月4日(水)

疼痛に対しての鍼治療

-文献名-
ROBERT B. Acupuncture for Pain. Am Fam Physician. 2019 Jul 15;100(2):89-96.

-要約-
鍼治療は忍容性が高く、重篤な副作用のリスクはほとんどない治療法であり、疼痛に対しての統合治療、補完治療として普及してきている。鍼治療の効果は、内因性オピオイド・セロトニン・ノルエピネフリンの放出が侵害受容器や炎症性サイトカイン、運動器に作用するのではないかと考えられているが、正確には解明されていない。また、鍼の技術、使用鍼数、鍼保持時間、経穴の特異性、治療回数、主観的(心理的)要因など、複数の要因が寄与している可能性がある。
鍼治療の効果は、急性/慢性腰痛、変形性膝関節症、頭痛、筋筋膜痛、頸部痛、線維筋痛症で発表されている。
鍼治療のシステマティックレビューでは統計的にも臨床的にも効果が示されたものもあるが、鍼治療は盲検化が難しく、バイアスの問題は大きい。また、真の鍼と偽の鍼の治療(下図参照)での効果の差は有意ではなかった。鍼治療の効果には患者の期待、治療の儀式、鍼灸師との関係性、プラセボなどの様々な要因が効果因子となっているのではないかと思われる。
忍容性・副作用:10%以下に倦怠感、局所の疼痛、頭痛。入院・後遺症が残る・死亡といった重篤なイベントはなし。気胸や重篤な感染症の報告は稀。

補足:verum needle(真)とsham needle(偽)について
JC201912佐野1

JC201912佐野2

JC201912佐野3-1

JC201912佐野4-1

【開催日】2019年12月4日(水)