【F2】診療「世界の医療課題と家庭医療(草場先生)」2020.11.17(黒木)

<内容・学び>
★まずは、草場先生より、グローバルな視点で問い①「一体、今世界の医療の中で課題となっていることにはどのようなものがあるのだろうか?」という問いが出され、それぞれフェローからその問いに対する意見を出したところから、今回の講義は始まりました。

◯医療を取り巻く世界の変化として、
(WHO Report 2008 Primary Health Careより)1.健康の不平等の拡大、2.急性期から慢性期へのケアの変化、そして多疾患の合併と複雑化の傾向、3.グローバリゼーションによる健康問題の国際化
があること、
◯医療システムが抱える問題として、
1.専門領域の医療への辺獣 2.機能分化に伴うケアの断片化 3.自由放任の医療提供体制がもたらすひずみ

問い②「国際研究において、プライマリ・ケアが発達している地域・国とそうでない地域・国を比較するとどのような違いがあるのだろうか?」

◯良く発達したプライマリ・ケアと関連するエビデンスは?(以前の、PC連合学会・福岡学術大会のシンポジウムスライドより)
若年死亡の減少、慢性疾患罹病の改善、総死亡の減少、より良い費用対効果など。

★他には、家庭医療関連の組織として、WONCA・WHOを軸を解説していただきました。また、世界の様々な国の家庭医療(マレーシア、シンガポール、オーストラリア、デンマーク、フィンランド、ノルウェーなど)を紹介いただきました。

<一言> 日本では、総合診療専門医の育成が始まったばかりで、来年度からいよいよ専門医が誕生します。今回の講義を受けて、家庭医であることを強く自覚し、地域医療を担う(開業医の)先生方、総合診療専門医とともに、日本のプライマリ・ケアを前進させていきたいと決意を新たにしました。 草場先生が伝えてくださったメッセージの中で、私は、「ケアの質の維持」、「健康の不平等や社会の格差への対応」、「予防医学と健康増進」といったところに、さらに磨きをかけていきます。そして、時として、世界に目を向けつつ、日本のプライマリ・ケアに役立てられることはないかという視点で、家庭医としての歩みを続けていきます。

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