平成23年度 第3回 On-site FaMReF(札幌) 報告

事務局中田です。

11月12日(土)、13日(日)に今年度3回目のFaMReFが栄町ファミリークリニック(札幌)で行われました。
チーフレジデントより詳細な報告がありましたので、以下で紹介させて頂きます。

参加者 
スタッフ:中川先生、安藤先生、松田先生
フェロー:加藤先生
レジデント:木田、村井、田中、堀、中島、野口
外部:なし
 
内容は以下の通りです。
1. 家庭医療的振り返り① 中島先生 担当
女性化乳房の鑑別、食道がん終末期の患者さんの事例報告がありました。在宅で今後どのように診ていくのか家族カンファレンスを行う予定、PEACEをうけて身体的、心理的、社会的、霊的苦痛を意識し診療しているなどの学びが共有されました。
 
2家庭医療的振り返り② 野口先生 担当
  AHAG2010を受講したとのことで改善点の報告がありました。A⇒B⇒CからC⇒A⇒Bになった。誤嚥性肺炎を繰り返す終末期の男性に対し腸ろう適応があるか臨床倫理4分割を行い、家族、多職種を交えカンファレンスを行った。家族の意向を尊重し腸ろう造設をするため後方病院に搬送したが適応にならず、少しでも一緒に居る時間があれば良いという家族の希望を尊重し今は入院栄養管理しているとの報告を受けました。
 
3.家庭医療レクチャー 「conflict」中川先生 担当     
コンフリクトを解消するための交渉術(原理立脚型交渉)について概要があり、その後実際に患者とコンフリクトがあった場合にどのように解消するか、実際の事例を通じDiscussionがありました。
                                                                 
4.症例からの学び 田中先生 担当             
 数日前に脳神経内科でMRI、MRAを撮影し頭部は問題ないと診断された50代女性が、腰痛を主訴に救急搬送され、クモ膜下出血の診断であった事例でした。本症例の診断ポイントは腰痛の鑑別にクモ膜下出血を入れること、JCS1を意識障害と捉えること、SLRT陽性の場合出血で神経根が刺激され陽性になっている可能性を考慮するなどでした。
 緊急性の高い疾患の非典型例も知っておく必要があることを実感した事例でした。
 
5.Show case PF  堀先生 担当
  終末期に癌告知を行った場合と癌告知を行わなかった場合の2事例を比較し、それぞれの経過を振り返りました。癌告知を行わなかった事例では本人がショックを受けるところをみたくないという家族の希望が強く、さらに本人に癌を早期させる言葉(腹水、浮腫なども)を使ってほしくないという要望もあり困難を感じた。家族と触れる中で家族内の暗黙知を理解し、その中で本人と家族に関わることで、結果的にご本人自ら予後を悟ったようであったとのことでした。
                                           
6.ビデオレビュー  木田先生、村井 担当
 木田先生:
効果な健康器具を買ったため降圧薬は必要ないと自己中断している高齢男性に健診結果を伝えるという目的の外来でした。これまでは検査結果に対する情報を与え過ぎていたということでしたが、検査結果に対するニーズを最初に質問する、相手の理解度を意識するなどで上手く対応出来ているというフィードバックがありました。非言語的なところではアイコンタクトの重要性、ミラーリングをすることでラポールを形成するという以外に相手の感情に気付く事も出来るなどのフィードバックがありました。
 
村井:アルコール多飲の方にアルコールに対する情報提供を行うことを目的とした外来でした。アルコールに対する考えを聞くことで準備段階がわかった、抵抗が強く健康感(家族や社会的役割)などからアルコールの情報提供につなげられると良かったなどのフィードバックがありました。
 
経験した症例をレジデント間でdiscussionする。症例をdiscussionすることで新しい視点が生まれ、自らの症例に照らし合わせさらに振り返ることが出来る。
今後後期研修医はnonHDB世代のNew generationになると言うことでFaMReFの在り方も変わってくると思いますが、レジデント間のdiscussionの重要性をあらためて実感したFaMReFでした。
次回はいよいよ今年度最後のFaMReFとなります。ご多忙の中と思いますが、是非ご参加のほどお願いします。またFaMReFのため当番を引き受けていただいたスタッフ、フェローの皆さまにこの場を借りてお礼を申し上げます。
                                                        
チーフレジデント
村井 紀太郎/堀 哲也

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