一般開業医におけるプラセボ治療の処方の実態

-文献名-
Fabian Wolters, Kaya Peerdeman, Jacobijn Gussekloo, et al. Prescriptions of Essentially Placebo Treatments Among General Practitioners in 21 Countries. JAMA Netw Open. 2025;8(9):e2532672.

-要約-
Introduction:
医師は、薬理学的または生物学的に患者の症状が改善することを期待していないにもかかわらず、治療法を処方することがある(実質的なプラセボ処方)。既存の研究では、プラセボ処方を行ったことのある一般開業医(GP)の割合の推定値は、29〜97%と大きく異なる。既存の研究は様々な国で実施され、多様な背景特性を持つ医師を対象としている。また、プラセボ処方の定義も様々であり、今回は有効成分を含む/含まないを区別せず、実質的なプラセボ処方と定義した。
GPは、良好な医師患者関係を維持するためにプラセボ処方をしているように見えるが、プラセボ処方をしていることを患者に伝えず、意図的に曖昧にしているGPが多く、患者に発覚した場合に関係も失われるリスクがある。またプラセボが含む有効成分により、患者を有害作用にさらす可能性もある。
プラセボの処方率をより正確に推定し、リスクの規模と、代替手段に関する教育などの介入の必要性を判断するために、21カ国(主にヨーロッパ)のGPを対象に、同じ表現と定義を使用して、実質的なプラセボ処方の頻度と彼らの背景特性について調査した。
Method:

デザイン (Design)

横断的調査研究
対象:オンラインアンケートに回答したヨーロッパ20カ国とイスラエルのGP
  (唯一の基準:回答時にGPとして働いていること)
連絡方法:各国の代表者が、個人的なネットワークまたは既存のデータベースを用いて連絡
オンラインアンケートの実施期間:2019年12月12日から2021年8月4日
分析日:2022年4月28日

主要評価項目と測定 (MAIN OUTCOMES AND MEASURES)
主要評価項目:実質的なプラセボ処方の頻度(週あたりの頻度及び診察件数に対する割合)
副次評価項目:頻度とGPの背景特性(性別、年齢、プラセボに関する教育、経験年数、診察した患者数、週あたりの労働時間)との関連

設定 (Setting)
データは European General Practice Research Network (EGPRN) を通じて収集された。
統計分析 (Statistical Analysis)
主要評価項目は、推定週間処方数に標準化された実質的なプラセボ処方であり、この数値を週あたりの診察患者数で割って、診察における実質的なプラセボ処方の割合を計算した。個々の特性との関連を調べるために、多変量線形回帰分析に、性別、年齢、教育の認識された質、経験年数、患者数、労働時間、および募集方法が要因として入力された。回帰分析には、すべての変数で有効なスコアを持つ669人の回答者のみが含まれた。ボンフェローニ補正が適用された。国間の統計的比較は、サンプルの小ささのために行われなかった。

Results:
参加者 (Participants)

実質的なプラセボ処方の種類 (Types of Essentially Placebo Prescriptions)
最も多かったのは何らかの種類のビタミンであり、次に他のサプリメントとホメオパシーなどの代替医療が続いた。抗生物質やベンゾジアゼピンなどの有害作用のある薬が言及されたのはごく稀。空のパッチや生理食塩水などの純粋なプラセボも稀だった。
合計818人の回答者が処方頻度を回答し、689人(84%)が少なくとも一度はプラセボを処方したことがあると回答した 。
プラセボ処方率
● 全回答者では2週間に1回(中央値[四分範囲]、0.5[0.1〜2.0]回/週)
● プラセボ処方経験がある回答者では週1回(中央値[四分範囲]、1[0.3〜3.0]回/週)
1診察あたりの処方率
● 全回答者では150回の診察に1回(中央値[四分範囲]、0.67[0.06〜2.50]%)
● プラセボ処方経験がある回答者では100回に1回1.00%(中央値[四分範囲]、1.00[0.31〜3.21]%)
● 国によって異なり、英国の0.1%からフランスの2.5%まで差があった。

処方率と背景変数 (Prescribing Rate and Background Variables)

背景変数を因子とし、診療あたりのプラセボ処方の率を結果変数として線形回帰分析を実施した。因子の一覧とそれらの間のピアソン相関係数はTable3に示す。診療年数と年齢の相関が高く、共線性のリスクが懸念されたため。最終分析では、開業年数を維持し、年齢は除外した。

線形回帰は、実質的プラセボ処方率(診察あたりの割合)を説明した(R2}=0.07;P<.001) 。 処方率は、男性GP、経験年数の長いGP、週あたりの勤務時間が短いGPで高かった。 各有意変数の寄与度は小さかった(すべての半偏相関数 ≦14)。

Discussion:
 この研究では、818人のGPの回答を調査し、回答者の84%がキャリアの中で少なくとも一度は実質的なプラセボ治療を処方したことが分かった。平均して、プラセボ処方は2週間に1回、または150回の診察に1回発生した。処方率は国によって0.1%から2.5%まで異なった。プラセボ治療は、男性、経験年数が長い人、または週あたりの労働時間が少ない人によってより頻繁に与えられていたが、これらの違いはすべて小さなものだった 。
 ただし推定値は自己申告に基づくものであり、記憶や社会的望ましさによるバイアスの可能性があるため、慎重に解釈する必要がある 。
 本研究が既存の研究と異なる側面の1つは、個々の特性と処方率との関連である。以前の研究では、性別や年齢との関連がないか、ほとんど見られなかったが、性別と年齢、および週あたりの労働時間と実務経験年数との関連を見つけた。ただし、観察された関連は比較的小さく、小さな研究では観察されない可能性があり、あるいは偶然の発見である可能性さえある 。
この研究の結果は、実質的なプラセボ処方が頻繁であると同時に頻繁ではないことを示している。個々のGPにとってはまれにしか発生しないため、無害と見なされるかもしれないが、GPに当てはまる事実は、集団レベルでは多数の診察で発生していることを意味する。患者の視点からは、150分の1の確率で実質的なプラセボ薬を受け取る可能性は懸念されるかもしれない 。
リスクがあるにもかかわらず処方が行われていることから、それらのリスクを上回る動機があるはずである。実質的なプラセボ治療の背後にある意思決定プロセスと、それがもたらすリスクと害について、さらなる研究を推奨する。
Limitations:
● 回答率が国によって異なり、募集方法(国と共変動)も処方経験のないグループとあるグループで異なっていた 。これは、実質的なプラセボ処方がそれほど論争的ではない国のGPにとってアンケートへの関心が低く、処方率が過小評価されている可能性など、バイアスを示している可能性がある 。
● 個人的なネットワークを通じて募集された参加者は、募集した代表者とより類似している可能性があり、均質性が誇張されている可能性がある 。
● 国あたりの参加者数が比較的少なかったため、国間の統計的比較はできず、各国の代表的なサンプルを提供していない可能性がある 。
● イスラエルを除き、ヨーロッパ諸国のみが含まれており、他の国の診療に一般化することはできない。
Conclusions:
21カ国のGPを対象とした本調査研究では、本質的にプラセボ処方となるケースは診療のごく一部に留まるものの、ほとんどのGPにおいて定期的に行われていることが明らかになった。今後の研究では、こうした処方の背景にある正確な意思決定プロセスと治療経過についてさらに調査すべきである

【開催日】2025年12月3日

ありのままを物語る:完全ではない医療実践の多様な物語から学ぶ

ー文献名ー
Bearman M, Molloy E, Varpio L. Narrative candour: Learning from diverse stories of imperfect medical practice. Med Educ. 2025;1‐8.

‐要約-
<序論>
医学教育ではストレスやバーンアウトを引き起こすことが多く、研修医の苦悩に寄与する要因となる。この論文では物語理論を基盤に、これまでの「英雄的な医師の神話」と「例外主義の言説」がこれらの苦悩にどのように寄与するかを考察し、「ありのままで率直な」小さな物語を活用することでこれらの神話を相殺し、より協力的で包摂的な教育実践を促進する可能性を提言している。

<理論的枠組み>
従来の「英雄的な医師」の神話は自己犠牲と卓越性を促進しますが、同時に日常の行為や医療チーム全体の貢献を覆い隠しています。医師の多様な役割を評価するためには、より多様な物語が必要かもしれません。代替的な物語(カウンターナラティブを含む)は、日常の臨床教育における支配的な物語に挑み、通常は聞き逃されがちな声を強調することで、新たな視点を提供し、慣習を打破する貴重な洞察をもたらす可能性があります。

<概念化 >
「物語の率直さ」は、実践における理想的でない物語を明らかにすることで学習を促進する教育アプローチとして提示されます。これは、非公式な実践の相互作用、正式なカリキュラム、儀式的な機会において適用可能です。日常の不完全な4つの物語——例えば、医師が主人公ではない瞬間、偉大さのない感動、解決されない問題—は、物語の率直さを現実のものとする手段として提示されます。

これらの物語は四つの機会で伝えられる可能性があります:正式な表彰式(例えば卒業式)でコミュニティのベテランメンバーによって語られる、同輩と共有される、日常の医療提供の非公式な物語に組み込まれる、など。

<結論>
物語の率直さは、医師を複雑で多様な人間として理解し、単なる「例外的な英雄」のステレオタイプを超越するため、個人、関係性、そしてより広いコミュニティに大きな影響を与える可能性がある。

本文抜粋
この論文では教育者にとってどのような種類の代替手段が利用可能かを理解するためにカウンターナラティブというアイデア・概念を用いた。医学教育において、ストーリーテリングは、医療現場の多様で地域に根ざした経験を矛盾した質感のある例証として提供することで、英雄的な医師神話を直接覆すことが可能となる。
これまでも医学教育における物語の力は、すでに広く認識され、医療専門家の物語に焦点を当てることで、ナラティブの力を教育に活用できると提言しきてきたが、私たちは「物語の率直さ」という新しい概念を提案します。これは、人間が等しく共有する不完全さへの共感を育むための手段です。同時に、教育者の物語が実践における不完全さを明らかにすることで、信頼性を失わせる可能性があることにも留意します。

物語の率直さは、個人やコミュニティを形作る可能性のある「小さな物語」の力に支えられた教育技術として概念化されています。 教育と学習の場面で小さな物語がどのように機能するかを考える上で、私たちは知的な率直さというアイデアからインスピレーションを得ています。これは医療現場における小さな物語、つまり理想的とは言えない、不確実で、未解決で、不安定で、おそらくは平凡な物語を明らかにすることだと私たちは考えています。このような小さな物語は、無私の超人を中心とした医療現場の核となる考え方に反します。この教育的アプローチは、創発的で、手探りで、脆弱な思考を明らかにすることに焦点を当てています。

<4つの率直な物語>
5.1 日常の不完全さの物語
小さな失敗の物語を語ることに焦点を当てること。

5.2 医師が脇役として登場する物語
医師は、自らが主人公ではない物語を語ることがあります。主人公が全くいない物語もありますが、代わりにチームが協力してケアを提供する物語もあります。時には、並外れたチーム、つまり全体が個々の部分の総和をはるかに超える特別な仕事関係についての物語を語る価値があるのです。

5.3 偉大さを伴わずに感動を与える物語
日常生活の平凡な瞬間(花を買う、交通をナビゲートするなど)が認識と反省の強力な瞬間となり得る。匿名の人々とささやかながらも力強い瞬間を共有することなど、医師としての日常業務をきちんとこなすことが十分であり、かつ重要であるという物語を共有しています。

5.4 解決のない物語
多くの医師にとって、劇的な解決は日常的な経験ではありません。また医師はしばしば物語の結末を知りません。簡単には終わらない物語を提供することで、私たちは患者の状態がしばしば不明確(曖昧)であり、場合によっては予測不可能(不確定)である臨床診療の現実を反映しています。

<率直な物語を共有する4つの機会>
6.1 卒業式、表彰式、その他同様の公式行事
6.2 上司、メンター、その他の経験豊富な臨床医からの日常の話
6.3 ピア共有フォーラム
6.4 教育シナリオ

< 率直な語りによって何が生まれるのか?>
物語の率直さによって人間の弱さが臨床業務の必要な部分であることを強調し、それによって、特に疎外された人々の恥、罪悪感、燃え尽き症候群を軽減できるのではないかと提案します。また関係性のレベルでは、物語の率直さが信頼を築く可能性を示唆しています。語り手と受け手を人間らしく見せることができ、年上の同僚に対する認識論的権威を変える可能性もあります。最終的には医療の文化的慣行に影響を与えたいということです。学習者は卓越性を目指して例外主義ではなく努力することができ、他の人の成功が自分の失敗ではないことを理解できるようになります。

<制限事項と今後の課題>
今後の研究者は経験的データがほとんどない新たな現象を探求し、モデル化することができる。このアイデアが経験的に研究され、将来の研究を通じて確認、反論、または拡張される可能性がある

<結論>
私たちは、医師の英雄神話と医学教育に蔓延する例外主義の言説に立ち向かう必要があると提言します。物語の率直さは、それらが課す制約を緩和し、同時に、協力、支援、苦闘、そしてありふれた日常業務といった多様な物語を価値あるものにするための余地を生み出すのに役立つと提言します。小さな物語を通して、謙虚さを尊重し、協力的な信頼を築き、そして集団的価値観を変えるという困難な作業を実現できるのではないかと提言します。

【開催日】2025年8月6日

~発売されたばかりの新薬。使う?使わない?~

【文献】
Pelger S. Underhill J.: Evaluating the safety and effdectiveness of new drugs. Am Fam Physician : 82(1)53-57, 2010.

【要約】
《はじめに》
発売されたばかりの新しい薬剤は既存の治療法のように幅広く研究されていなかったり、効果や安全性が十分検討されていないことが多い。
この問題に対処するためにSTEPSという語呂合わせがよりよい意志決定を行うために有用である。
《Safety: 安全性》
入院患者の約6.5%が薬剤の副作用によるものであるという報告がある。
新薬の安全性の問題は治験段階で明らかにならないこともあり、明らかになるのに長期間を要することも多い。米国では販売承認後に重大な副作用が明らかになる薬剤が10%もあり、新薬の重大な副作用が判明するまでの中央値が3年であるという報告もある。
こういった問題の背景には新薬の販売承認の決定が患者数1500人程度の短期間の臨床研究をよりどころとしていることがある。
《Tolerability: 忍容性》
多くの薬剤は症状を治療するためではなく未来に発生しうるイベントのリスクを避けるために処方される。こういった薬が患者の具合を悪くしてしまうのであれば、もはや継続することはできない。
《Effectiveness: 有効性》
97%の新薬は代用エンドポイントを設定した短期間のエビデンスをよりどころとしている。
短期間のエビデンスを元に発売され、その後有害であることが分かった薬剤も多い。
Milrinoneは心不全患者の心拍出量を増大させ運動耐容能を改善するというエビデンスをもとに発売になったがその後、死亡率を上昇させることが分かった。
新薬の採用について考えるとき、いつもこう問うべきである。
「この薬剤には既存の同様の薬剤と比較して私の患者の生命予後やQOLを改善するエビデンスがあるか?」

《Price: 価格》
新薬の価格はその薬剤を自身の治療オプションに加えるときに十分考慮すべきである。
例: ある疾患に対する治療薬Aは40%の治癒率で月20$かかる。治療薬Bは50%の治癒率で月50$かかる。印象ではより多くの患者を治療できるBを選ぶべ きであるように見えるが、仮にこの疾患に対して月10万$しか利用できないと仮定するとAは5000人の患者に投与することができ2000人の患者を救う ことができる。Bは2000人の患者に投与、1000人の患者しか救うことができない。
実際はもっと複雑であり、薬剤の相対的なメリットはその疾患に依存する。
《Simplicity: シンプルに》
投与期間の長い薬剤は1/3~1/2の薬剤が処方箋どおりに服用されていないと言われている。
できる限り単純な投薬スケジュールにすることが重要である、というのが常識であるが、1日1回の薬剤や合剤がadherenceを改善したというよいエビデンスはほとんどない。
ある質的研究では患者にとっては投薬の複雑さそのものよりも、投薬スケジュールを生活の中に取り込んでいくことが難しいようである。
《STEPSに加えて》
 ・ ARRかRRRか
 新薬のパンフレットや臨床研究の結果はARRよりもRRRで報告されることが多い。
このことは薬剤の効果を誇張しやすく、誤解の元となりやすい。
薬剤の効果はARR(NNT)で評価したい。
 ・ 既存の薬剤の新剤型には付加価値があるか?
近 年薬剤メーカーの間で既存の薬剤の新しい剤型(例:徐放性剤、プロドラッグなど)を発売するケースが多い。こういったケースが安全性や効果、 adhereanceを改善するのであれば、付加価値もあろうが、多くの場合ジェネリック薬品の登場に対抗して市場を守るためのものであることが多い。
合剤にも同様のことが言えるが、商品によっては処方を単純にする効果があるものもある。
 ・ 非劣性試験
新薬には監査機関に非劣性試験のエビデンスを提出することにより承認を得たものもある。
非 劣性試験は新薬が既存の標準的な治療薬と比較して劣っていないことをテストすることが目的である。本質的には限られた時間内に類似性を証明する。非劣性試 験は新薬のある疾患の治療における位置づけなどを検討せず薬剤の販売を許可することを目的に商業目的に行われることが多いため、こういった研究が倫理的で あるかが疑問視されている。
こういった薬剤は従来の薬剤に比較して優位であるどころか、効果や安全性の面で劣っている可能性もある。

【開催日】
2010年10月13日(水)

~複雑性をどう評価するか?~

【文献】
Katerndabl DA, Wood R, Jaen CR. A Method for estimating relative complexity of ambulatory care. Ann fam med 2010;8(4):341-7.

【要約】
《目的》
 外来の臨床診療における相対的な複雑性を計算する方法を明らかにする
《方法》
・ 複雑性の測定は、典型的な診察及び診察間の複雑性を反映させるべきである。もし、インプットを患者から医師への情報の流れとするならば、インプットには病 歴、身体診察、検査、診断、患者の属性が含まれる。アウトプットには処方薬や他の治療法(教育やカウンセリング、手技、紹介など)が含まれる。インプッ ト・アウトプットのそれぞれの複雑性は、一診察あたりの平均インプット/アウトプット量に対して診察間の多様性(可能性としての範囲)と変動性(診察毎の 変化)を加重平均したものと定義される。複雑系においては、インプット情報が直線的に増えれば、システムの複雑性は指数関数的に増大する。診察における複 雑性が医師に与えるインパクトを評価するために、我々は推定複雑性を診察時間で調整した。
《結果》
・ 2000年のNAMCSデータベースを用いて、3専門領域のインプットとアウトプットを計算した。構成概念上の妥当性は、今回の複雑性の相対順位を、他 (既存の)の複雑性測定法を利用した順位と比較することで確認した。総相対的複雑性は家庭医療(44.04±0.0024SE)、循環器 (42.78±0.0004SE)では類似しているが、診察時間で調整すると、家庭医療は単位時間あたりの複雑性密度が循環器や精神領域よりも非常に高 かった。(家庭医療167.33±0.0095SE、循環器125.4±0.0117SE、精神領域31.21±0.0027SE)
《結論》
・ この手法では、多様性と変動性を加重した、提供されるケアの量に基づく複雑性を推定している。この推定法は、経時的な利用に加えて、医師間での複雑性の比較などに幅広く活用できる。

【開催日】
2010年9月8日(水)