利便性か継続性か:患者はいつ自分の主治医の診察を待つのか?

‐文献名-
Gregory Shumer et al.
Convenience or Continuity: When Are Patients Willing to Wait to See Their Own Doctor?
Ann Fam Med. 2025 Mar 24;23(2):151-157. doi: 10.1370/afm.240299.

‐要約-
【目的】
チームベースのプライマリ・ケアに関する文献の多くは、医師の生産性、仕事量、バーンアウトに焦点を当てている。チーム医療が患者の満足度にどのように影響するか、また継続性とアクセスのトレードオフに関する認識についてはあまり知られていない。本研究では、プライマリ・ケア医(PCP)と他のチーム医療医との受診に対する家庭医療患者の嗜好を、受診形態と待ち時間に基づいて評価した。
【方法】
我々の横断的オンライン調査では、プライマリケアクリニック、PCP、ポータルサイトの利用、自己申告による健康状態、および人口統計について患者に質問した。多変量解析では、調査データを用いた重み付けロジスティック回帰分析を用いて最尤推定値を算出し、これをオッズ比に変換した。年齢と自己申告による健康状態を連続変数として、人口統計をカテゴリー変数としてコントロールした。結果 4,795人の成人患者を調査し、2,516人(52.5%)から回答を得た。半数以上の患者が、年1回の検診(52.6%)、慢性疾患の経過観察(54.6%)、精神疾患の経過観察(56.8%)のためにPCPのみを受診することを希望した。同様に、精密検査を必要とする可能性のある問題(68.2%)、精神的な健康状態に関する新たな懸念(58.9%)、慢性疾患に関する新たな懸念(61.1%)については、過半数の患者が3~4週間待ってPCPを受診することを希望した。
【結論】
今回の調査結果は、患者がPCPを持つこと、PCPとの継続性を維持することを重視していることを示している。また、患者がどのような場合に自分のPCPの診察を待つことを好むか、他の臨床医に早く診てもらうことを好むかについての洞察も得られた。医療提供とスケジューリングが進化し続ける中、これらの知見はプライマリ・ケアのリーダーに指針を与えるものである。

【開催日】2025年6月4日