思春期の主観的心身症状の軽減に及ぼす学校ベースの家庭と連携した生活習慣教育の効果:クラスターランダム化比較試験

-文献名-
Junko Watanabe, Mariko Watanabe, et al.
Effect of School-Based Home-Collaborative Lifestyle Education on Reducing Subjective Psychosomatic Symptoms in Adolescents: A Cluster Randomised Controlled Trial. PLOS ONE. October 25, 2016. DOI: 10.1371/journal.pone.0165285

-要約-
背景 
 思春期は、思春期及それ以降の人生の、肥満[1-3]、メタボリックシンドローム[4]、および有害な心理学的(心身症または精神医学的)症状[5,6]などの潜在的な慢性的な健康問題を、改善または予防するためのいい機会であり、人生の重大なステージである[7]。肥満を予防するためのライフスタイルの改善方法に関する、学校ベースのクラスターランダム化比較試験が、西欧では数多く行われているが、アジアではほとんど行われていない。
 また、肥満だけでなく、精神衛生上の問題も、世界中の子どもおよび青年の10~20%に見られると報告されている[15]。思春期のライフスタイルと主観的心身症状(SPS)スコアとの関連が報告されているが [16,17]、思春期のライフスタイルを変えるための介入がSPSスコアの改善に有効かどうかを検証した研究はほとんどない [18,19]。日本で、SPSスコアの悪い人が急速に増加していることを考慮すると[20]、日本の思春期の青少年に広く用いることのできる、効果的な生活習慣と行動の介入プログラムを開発することが重要である。
そこで我々は、思春期の青少年の不良なSPSスコアを改善するために、学校ベースで家庭とも協働した生活習慣教育プログラム(Program for ADOlescent of lifestyle education in Kumamoto, PADOK)を開発した。PADOKの設計は、先行研究[9, 21-25]で述べられた戦略に基づいており、各食事時の栄養摂取量を評価することで習慣的な食事摂取量を評価するために開発されたFFQW82食物頻度調査票を用いた評価によって、自発的に思春期の生活習慣を変え、食習慣についてのフィードバックを提供することを目的とした[22,23]。家庭での協力支援を加えることで、好ましい効果が得られる可能性がある。

方法
 思春期の生徒を対象としたPADOKの主観的精神身体症状(SPS)の改善に対する有効性を検討した。

【研究デザイン】個々の中学校を配分単位とし、個々の参加者を分析単位とした2アーム型の学校ベースの2群並行クラスター比較対照試験。

【対象】熊本県の19の中学校から募集された、中学1〜2年生の生徒(12~14歳、n=1,565)を研究対象とした。体調不良などで登校していない生徒や、参加したくない生徒は除外した。

【ランダム化、盲検化など】
PADOKグループとコントロールグループには無作為化リストを用いてpermuted-block法で割り付けた。介入の特徴上、被験者への盲検化はできなかったが、評価者には盲検化していた。

【介入】介入は、2013年5月から2014年1月まで、保健の授業中に行われた。
<PADOKプログラム>:Figure 2参照。FFQW82を用いた食事摂取量の評価に基づき、思春期の生徒の不良なSPSを改善させる目的でPADOKプログラムが実施された。PADOKの介入は、6回の教室での授業、5回の生徒と保護者による対話型の宿題計画、授業と宿題のためのテイラーーメイドのテキストブック、そして6ヵ月に4回の学校通信で構成されていた。
<通常ケア>:通常の学校プログラム(対照群)の生徒は、通常のカリキュラムに従って学校が提供する健康教育セッションに参加した。セッションは、FFQW82を用いた食生活評価のために外部から招聘した講師によって提供された。通常のケアとは、参加している各学校で日常的に教えられている食事および/または運動に関する既存の健康カリキュラムであった。 Figure 1, 2

【栄養士・学習支援補助者の研修】
 栄養士である試験指導者によって行われた。研修は終日(8~10時間)、試験管理センターで行われた。研修期間中、介入の根拠が説明され、各レッスンと宿題が対話的に議論された。
訓練を受けた4人のファシリテーターが、登録栄養士と一緒に各セッションを指導した。ファシリテーターは、少なくとも関連分野の大学の学部卒、適切な専門職歴、または思春期の子どもたちとの関わりの経験を有していた。すべてのセッションにおいて、介入はファシリテーターの観察下で行われた。

【アウトカム測定】
質問紙をベースライン時と介入6ヶ月後の時点で、学生に記入してもらった。
<プライマリアウトカム>SPSスコア。SPS質問紙は9つの症状(疲労感、頭痛、倦怠感、イライラ、集中力低下、意欲低下、朝の目覚めの悪さ、胃腸の不調、肩こり)から構成されている。各症状の経験の有無については、「0 = 一度もない」、「1 = まれに」、「2 = 時々」、「3=よくある」、「4=いつもある」 をリッカート尺度で測定し、9 項目のカテゴリ値の合計として SPS スコア(0-36 点)を算出した。SPS、SPS-Dともに、スコアが高いほど症状が悪い。
<セカンダリーアウトカム>学校生活の楽しみ、BMI、食事摂取量などの生活習慣因子をFFQW82で評価した(Table1参照)。FFQW82 は 82 種類の食品リストから構成されており、各食事(朝食、昼食、夕食)ごと、食品群ごとに、過去 1 ヶ月間の食生活を算出することができる。

【解析】
ベースラインでの試験群間のバランスを評価するために記述統計を用いた。クラスター無作為化が成功していることを確認するために、介入群と対照群の差の有意性をカイ二乗検定とt検定を用いて検討した。一次効果は、PADOK群と対照群のSPSスコアのベースラインから6ヵ月間の変化の差を計算することで評価した。一次分析は、intention to treat(ITT)で実施された。解析には最尤法を用いた線形ランダム効果混合モデルを用いた。連続変数の分析には、制限付き最尤法を用いた一般的な線形ランダム効果混合モデルを用いた。介入の効果を調べるために、アウトカム尺度を粗モデル(モデル1)、ベースライン値で調整したモデル(モデル2)、多変量データで調整したモデル(ベースライン、性、年齢、BMIで調整した)(モデル3)を用いた。
セカンダリーアウトカムについては ITT/LOCF 法を用いて二次解析を行った。感度解析は、ITT/LOCF の SPS-D スコアの解析を含む事前に決定された基準に従って、全データセットから特定されたプロトコルセット(PPS)を用いて、一次アウトカムと二次アウトカムの感度解析を行った。二次アウトカムについては、一般化線形ランダム効果混合モデル(ロジスティックモデル)を解析に使用し、関連性をオッズ比とその95%信頼区間(CI)で示した。
結果
【ベースライン】
Figure1参照。
参加19校はPADOK群(10校)と対照群(9校)に無作為に割り付けられた。登録された生徒数は1,509名であった。6ヵ月後、1,420人の参加者が身長、体重、SPS、生活習慣因子、食事摂取量(FFQW82)の最終評価を完了した。
Table1は、PADOK群と対照群に割り付けられた参加者のベースライン特性を示している。
SPSスコアのクロンバッハα係数は0.88であった。ベースライン時のSPSスコアはPADOK群23.2(3.9),対照群22.8(6.6)であった。ベースライン時の各測定された生活習慣因子とエネルギー摂取量(kJ)を持つ参加者の割合は、両群間で大きな差はなかった。ベースライン時の「1回の断食あたりに消費された野菜」については、介入群と対照群の間に統計的に有意な差(P = 0.012)があった。対照群では、介入群よりも高い頻度で習慣化していた。

【プライマリアウトカム】
ITT/LOCF解析で評価した6ヵ月後のSPSスコアのベースラインからの平均変化量は、粗平均差ではPADOK群が対照群に比べて有意に減少した(-0.95、95%CI-1.70~-0.20、P = 0.016)。SPSスコアの減少(すなわち、負の変化)は、対照群と比較して介入群のSPSの改善を示している。ベースライン調整値(-0.72、95%CI -1.48~0.04、P = 0.063)およびマルチバリアート調整値(-0.68、95%CI -1.58~0.22、P = 0.130)のベースラインからの平均変化は、同様の方向性を示したが、有意ではなかった(表2)。ITT/MI法で得られた結果もこれらと同様であった。SPS-Dスコアについては、粗値、ベースライン調整値、マルチバリアート調整値でベースラインからの平均変化が有意であった。また、感度分析では、各分析とも同様の結果が得られた。

【セカンダリーアウトカム】
PADOK群では、ITT/LOCF分析の結果に応じて、測定された生活習慣のいくつかが改善された。これらの改善(モデル2およびモデル3ではオッズ比[OR]<1)が会ったのは、「学校生活を楽しむ」(OR [95%CI]:0.55 [0.33~0.92]、P=0.022、0.52[0.33~0.84]、P=0.008)、「朝食1回あたりの主食消費量」(0.69[0.50~0.96]、P=0.028、0.68[0.48~0. 65])、「朝食あたりの主食消費量」(0.69[0.50~0.96]、P=0.025)、「朝食あたりの野菜消費量」(0.65[0.45~0.93]、P=0.018)であった。モデル3のものは、これと同様であった(表3)。 感度分析(PPS分析)で得られた結果は、上記とほぼ同様の結果が得られた(表3、表4参照)。また、FFWQ82で評価した食事摂取量については、PADOK群と対照群との間に有意な差は認められなかった。 ディスカッション  PADOKの介入プログラムは思春期のSPSスコアの改善に有効であることが示唆された。また、学校生活の主観的な楽しみ、主食、主菜、主菜、朝食時に消費される野菜の1日の摂取量の増加など、いくつかの生活習慣の改善も観察された。  私たちの調査結果は、定期的に朝食を食べた学生は、学校でより良い行動を取り、そうでない人よりも仲間とうまくやっていく可能性が高いことを報告した先行研究のものと一致していた [33]。瞑想、リラクゼーション、レクリエーション、自然の中での時間など、治療的なライフスタイルの変化の多くは楽しいものであり、それゆえに自立した健康的な習慣になる可能性がある [34]。  PADOK群の生徒の先生方が生活習慣教育の重要性についての考え方を変え、一般授業での改善を目指していた可能性は否定できない。そうであれば、それはPADOK介入の副次的効果と考えることができる。PADOKがSPSの低減と健康促進のための生活習慣行動の促進にどのような効果があるのか、その詳細なメカニズムを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。 強みと限界  我々は、介入に生徒の保護者を参加させることが重要であると考えた [38]。これを達成するために、生徒はPADOKプログラムから得た知識を保護者と話し合うように求められた。家庭での協力的な支援を含めることは、好ましい効果を得るのに役立つかもしれない。思春期の生徒の身体活動介入に関する以前のクラスター化RCTでは、親の支援を含む介入により、学校関連の身体活動の自己報告が増加した [12, 39]。我々の研究では、生徒、その保護者、登録栄養士の間の情報交換に教科書を使用した。教科書のノートを利用することで、3 者間での自由な情報交換が可能であった。このように、3者間での共通理解が生まれることが期待された。 本研究にはいくつかの限界があった。第一に、PADOKプログラムの成功は管理栄養士のスキルにある程度依存していることである。この問題に対処するために、我々は登録管理栄養士が無作為化試験開始前に行うトレーニングプロセスを開発した。また、SPSの自己申告による評価に依存し、診断的な相互評価は行っていない。したがって、SPSの状態に重要な変化があった可能性がある。  第三に、結果の一般化可能性については、熊本県の日本人中学生に限定した。また、当初 178 校に参加を依頼したところ、19 校が参加に同意し、残りの 159 校は参加を辞退した。その理由として最も多かったのは、「カリキュラムが既に決まっていて変更できない」というものであった。そのため、本試験に含まれるサンプルセットは、平均よりも革新的な学校を過剰に代表している可能性があり、バイアスのリスクがあると考えられる。しかし、無作為化を実施したので、リスクが存在することは否定できないが、バイアスのリスクは小さい。利用可能なデータ[20]によれば、熊本の生徒の健康状態や活動状況は日本の平均的な青年期と大差がなかったことを考えると、この結果は日本の他県の一般的な青年期にも当てはまる可能性がある。第四に、介入期間は6ヶ月であったが、より長期の介入は児童生徒の精神衛生を改善することが明らかにされている[40]。さらに、健康行動介入がメンタルヘルスのアウトカムに「波及効果」を持つ可能性があるという証拠も出てきており[41, 42]、これも考慮すべきである。PADOKプログラムの長期的な効果と費用対効果を評価するためにはさらなる研究が必要である。第5に、クラスタランダム化が成功したことを確認するために、介入群と対照群の間のベースライン値の差を調査した。いくつかの変数が有意な差を示したが、ランダム化の性質上、これらの差は偶然に生じたものである可能性があると考えられる。最後に、LOCF法を用いて欠落アウトカムを推定した。介入群と対照群のフォローアップまでの喪失率は同程度であった(それぞれ40[5.0%]、49[4.9%])。 結論   これまでのところ、日本の青年期に生活習慣の介入を行うことが不良なSPSスコアの改善に及ぼす効果については、クラスターRCTからのエビデンスが不足していた。我々の試験は、この文献のギャップを埋めるものである。その結果、熊本の中学校で実施された生活習慣介入プログラムは、青年のSPSスコアを改善し、朝食時に主食、主菜、野菜を毎日定期的に摂取し、学校生活の楽しみが増えたと報告する参加者の割合を増加させたことが示された。この試験集団はPADOKプログラムのアドヒアランス率が中程度に高いことを示しており、これは、より広範な学校ベースの家庭での共同実践においてPADOKプログラムが実現可能であることを示す重要な指標である。本研究は、熊本地域の児童生徒のみならず、日本の青少年全般を対象とした生活習慣教育介入を設計する上で有用な情報を提供するものである。 JC20201007柏﨑1

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【開催日】2020年10月7日(水)

長期療養施設においてCovid-19が発症した場合の影響

-文献名-
T.M. McMichael and Others Epidemiology of Covid-19 in a Long-Term Care Facility in King County, Washington n engl j med 382;21 nejm.org May 21, 2020

-要約-
Introduction:
長期療養施設は,入居者が高齢で慢性基礎疾患を有する割合が高く,またヘルスケア従事者が地域の施設間を移動するため,Covid-19 集団発生によって重篤な転帰をとるリスクが高い環境である.
Method:
ワシントン州キング郡の高度看護施設で Covid-19 の確定例 1 例(2.19から発熱と呼吸器症状、2.24入院、2.28確定、3.2に死亡)が確認された 2020 年 2 月 28 日以降,シアトル・キング郡公衆衛生局は,米国疾病対策予防センターの支援のもと,症例調査,接触者の追跡,曝露者の検疫,確定例・疑い例の隔離,現場での感染予防・制御の強化を開始した.
Results:
3 月 18 日の時点で,入居者 101 例,ヘルスケア従事者 50 例,訪問者 16 例の計 167 例の Covid-19 確定例が,この施設と疫学的に関連していることが明らかになった.入居者の症例の大部分が Covid-19 に一致する呼吸器疾患を有していたが,7 例には症状が確認されなかった.入院率は施設入居者 54.5%,訪問者 50.0%,スタッフ 6.0%であった.入居者の致死率は 33.7%(101 例中 34 例)であった.3 月 18 日の時点で,キング郡では 30 ヵ所の長期療養施設で Covid-19 の確定例が 1 例以上同定されている.
conclusion
Covid-19 集団発生が急速に拡大する状況において,長期療養施設では,あらかじめ行う措置として感染している可能性のあるスタッフと訪問者を同定・除外し,感染している可能性のある患者を積極的に監視し,適切な感染予防対策を講じることが,Covid-19 の持ち込みを防ぐために必要である.
Discussion:
施設から1人のCOVID19が発症し累計167例の発症と34例の死亡例が認められた。インフルエンザなどの感染と同様にCOVID19に対する施設の感染に対する脆弱性が認められた。症状がある間、複数施設で働くスタッフとある施設から別の施設への患者の移動は感染を複数の施設へ広げる可能性がある。施設内外への入居者の移動は医学的脆弱性を持つ集団にとって深刻な脅威となる。高齢者施設においてインフルエンザワクチンと抗ウイルス薬投与がインフルエンザ拡散防止に効果的であるが、このような介入はCOVID19には利用できないため、患者の移動に関しては慎重に対応するべきだ。
施設でのCOVID19の早期発見と予防のため入居者、ケアワーカー、訪問者の体温や症状のスクリーニング、社会的距離、移動やグループ活動の制限、スタッフに対する感染予防と個人防護具使用の教育、個人防護具を確保するための計画が重要である。スタッフ教育に加えて実践的なトレーニング、感染防止に対する職員のアドヒアランスを強化する監査システムを作る必要がある。スタッフの欠勤や過重労働などの大きな混乱があるとこれらのシステムに影響が出る可能性がある。

JC村井1

JC村井2

JC村井3

【開催日】2020年6月3日(水)

社会的処方の実際〜システマティックレビューから

-文献名-
Social prescribing: less rhetoric and more reality. A systematic review of the evidence
Bickerdike L, et al. BMJ Open 2017;7:e013384. doi:10.1136/bmjopen-2016-013384

-要約-
【目的】社会的処方は、プライマリケア現場の患者とコミュニティ内の支援リソースを繋げる方法である。これは彼らの健康や幸福の改善を助ける目的で行われる。社会的処方プログラムはUK National Health Service内で広く普及、採用されており、私たちはその効果を評価すべくシステマティックレビューを行った。

【セッティングとデータ元】2000年から2016年1月までUK 内で実施された研究を9つのデーターベースで検索した。関連ある報告書やガイドライン、ウェブサイトや検索された文献の孫引き文献も検索をした。全ての検索は英語に限定された。

【対象】システマテックレビューとプライマリケア現場からリンクワーカー(又は社会的処方のファシリテーター)へ患者を紹介したプログラムの評価報告がinclusionされた。Inclusionする研究の選択バイアスは2名の独立した評価者により保証され、
narrative synthesisが行われた。
やり方:http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.178.3100&rep=rep1&type=pdf
透明性への批判:http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)32270-X/abstract

【一次アウトカム、二次アウトカムの測定】一次アウトカムは、健康や幸福またはヘルスサービス利用量の測定結果とした。

【結果】15の社会的処方のプログラムの評価があった。大部分は小規模で不適切なデザインや報告のため限定されたものであった。又すべてで、バイアスが高いという評価であった。よく見られた研究デザインの問題点は、比較群がないこと、フォローアップ期間が短いこと、標準化され確立された測定尺度ではないこと、欠損値や潜在的な交絡因子への不十分な配慮といったものであった。このような明確な方法論の欠点があるにもかかわらず、ほとんどの評価は肯定的な結論を示していた。

【結論】社会的処方は、広くて提唱され実施されているが、現在のところ、成功したかどうか、対価に見合うかの判断をするための十分かつ詳細なエビデンスはない。もし社会的処方がその可能性を示すのであれば、今後の評価は、研究デザインとして比較群をもうけるべきである。そして、いつ、誰によって、誰に対して、どのように、いくらかかるかも考慮するべきである。

【開催日】2018年3月7日(水)

健康の社会的決定要因に取り組むためのプライマリ・ケア能力を育てるフレームワーク

-文献名-
Andrew D. Pinto and Gary Bloch. Canadian Family Physician November 2017, 63 (11) e476-e482;

-要約-
<背景>
家庭医は個人や地域の健康に影響する社会的な要因についての理解を持っている。
しかし多くのプライマリ・ケア組織はそれらのSDOHへの取り組む能力を開発できないままでいる。

<プログラムの目的>
質の高いプライマリ・ケアの一部としてSDOHに取り組むための介入を支援し、組織文化を強化する。

<プログラムの詳細>
トロントの聖ミカエル病院(関連グループで4万5千人の患者;貧困が多くホームレスやホームレスリスクの患者を抱え、六つのクリニックを持つ)の学術家庭健康チーム;FHT(75名の医師と100名以上の多職種ですべてのプライマリ・ケアを提供している組織)がSDOHに焦点を当てた多職種チーム(医師8名、地域デザインの専門家1名、ナースプラクティショナー2名、看護師1名、ソーシャルワーカー1名、法律家1名などなど、レジデントや医学生も参加)と委員会活動(年9回の会議と年1回のリトリート)を立ち上げた。活動目標はBox1。委員会では患者への社会因子の影響を調査し、五つの介入についてそのアイディアからプログラムの計画と開発(実施プログラム、その研究費の確保、人材の採用、寄付の募集まで)を行った。

■健康格差についての詳細な社会地理的なデータの収集と分析
・FHTを受診する患者の収入、住宅環境、ジェンダー、その他の鍵となるSDOHを収集し電子カルテに記入
・これらのデータベースを活動と計画のもとにした
■収入保障と健康増進サービスの試験的取り組み
・FHTの中に2名の収入保障・健康増進の専門家を置く
・収入を増やすため、浪費を減らすため、家計のリテラシーを高めるためのプログラムを実施
・実施した内容のカルテレビューや当事者のインタビューから質的研究を実施し、プログラムを改善
■医学と法律の連携の確立
・数年来の取り組みから、常勤の法律家を配置し、三つの活動目標を設定
・一つは社会的危機の予防や、危機による被害への早期介入のための法的な助言
・もう一つは医療システムを扱う力の改善と、弁護士の介入を受けずに法的な問題を同定し対応する
・そして全体的な法的な問題を同定し、SDOHに取り組むための法律の改定や代弁の強化
■診療所単位での子供の健康リテラシー向上プログラム
・アメリカで始まった小児への早期の健康リテラシー向上の取り組み(Reach Out and Read);クリニックの待合室をリテラシー・リッチ(具体的な記述なし)にする、受診毎の助言や本のプレゼント、をもとにした
・トロントの公立図書館への支援、子供への図書バンク、ファーストブックの活動を行なった。
■正規職への就労支援
・診療所と就労支援センターとの連携で開始
これらの介入は厳格な評価計画と実施や効果の測定を含み、次の段階としては開発された方法を社会格差の是正のための社会的に上方の活動に持っていくことである。

<フレームワークの紹介>
Figure1に紹介、このフレームワークはcommunity-oriented primary careの考え方と、Devoeのフレームを組み合わせて開発した。まず四つの視点での情報収集、そしてそれに取り組むための組織開発や五つのStepが述べられている。

【開催日】2017年12月20日(水)

1世代のうちに格差をなくそう:健康の社会的決定要因に対する取り組みを通じた健康の公平性

―文献名―
Commission on Social Determinants of Health. Closing the gap in a generation: health equity through action on the social determinants of health. Geneva: World Health Organization, 2008.

―要約―
委員会は、一世代のうちに健康格差をなくすことを求める
社会正義は生と死に関わることである。それは人々の生き方や、それに伴って生じる病に かかる可能性や、早世の危険に影響するものである。私たちは、一方では世界の特定の地域で平均余命と健康状態が改善し続ける様子に感嘆し、他方では、別の地域でそうした改 善が見られないことに懸念を抱く。今日生まれた女の子がある国では 80 歳以上まで生きる と期待できるのに、別の国では45歳まで生きられないと予測される。同じ国の中であっても、社会的不遇の程度と密接に関係した劇的な健康格差が存在する。同じ国内であれ、異 なる国の間であれ、このような格差は決して起こるべきではない。
これらの健康の不公平、つまり避けることが可能な健康の格差は、人々が成長し、生活し、 労働し、老いていく環境と、既存の保健医療システムが原因となって生じる。人々が生まれ、死にゆく環境条件を形成するのは、政治的、社会的、経済的な諸力である。政治政策および経済政策は、子どもが成長して潜在能力を全開させ、生き生きした生活を送ることができるか、それとも荒廃した生活を送ることになってしまうかを左右する。豊かな国でも貧しい国でも、解決すべき健康問題の本質は収束する傾向にある。ある社会の発展の水準は、その社会の貧富の程度にかかわらず、そこに暮らす人々の健康状態や、健康がいかに公平に社会階層の別なく保障されているか、そして健康障害による不遇から人々が保護されているかによって判定できる。「健康の社会的決定要因に関する委員会」は、2005年WHOにより、社会正義の精神にもとづいて、健康の公平性を促進するために必要な証拠(エビデンス)を揃え、健康の公平性の達成に向けた世界的な運動を前進させるために設置された。
本委員会は、WHOおよびすべての政府に対して、健康の公平性を達成するために、健康の社会的決定要因に関して国際的な取り組みを先導することを求める。いまこそ各国政府や市民社会、WHO、そしてそのほかの国際機関が、世界の人々の生活を改善するために連帯して行動を起こすことが不可欠である。一世代で健康の公平性を達成することは、可能であり、正義であり、いまこそそれをなすべき時である。

<委員会の主要な勧告>
1. 日常生活状況を改善する
・初め(幼年期)から公平性を保証する
健康な場所でこそ人々は健康になる
・公正な雇用と適切な労働
・ライフコースを通じた社会保障
国民皆健康保険
2. 権力、資金、リソースのし不公平な分配に対処する
・全ての政策、システム、事業において健康の公平性を考慮する
・公正な資金供給
・市場の責任
・ジェンダーの公平
政治的エンパワメント〜包摂(Inclusion様々な集団を含む)と発言権
・良好なグローバル・ガバナンス
3. 問題を測定して理解し、対策の影響を評価する
・健康の社会的決定要因:モニタリング、研究、そして訓練

<実践者>
・多国間機関
・WHO
・国と地方自治体
市民社会:政策、計画、事業及び評価への参加
:業績の監視
・民間部門
・研究機関

【開催日】
2017年10月4日(水)

Healthy Communities 総論

―文献名-
Frumkin, Howard. Environmental Health, edited by Howard Frumkin, John Wiley & Sons, Incorporated, 2016. Chapter 15

-要約-
【Key Concepts】
 ご近所、町、都市の設計は、人々の健康に影響を与える。近代の公衆衛生は都市計画や土地利用施策と歴史的に結びついている(表15.1)。土地利用(図15.4)や交通手段の決定は、日頃の身体活動、空気のきれいさ、安全、人付き合い、精神的な健康、社会的な公平、他の健康を規定する要因を支持したり、阻んだりする。
“Smart growth principles(テクスト図15.6)” は人々の健康に恩恵をもたらし、環境の持続可能性や回復力を支える。”Health impact assessment”は提案した企画やプロジェクト、政策の潜在的な影響を熟慮した上での意思決定を助けるツールである。地域作りや公衆衛生の新しい研究や流行として、土地利用計画者と公衆衛生の専門家の間で協同が増えてきている。

佐藤先生図1

佐藤先生図2

佐藤先生図3

 上の文章はHealth impact assessmentのステップについて言及部分

佐藤先生図4

【開催日】
 2017年3月15日(水)

ソーシャルキャピタルとは

―文献名―
イチロー・カワチ 「命の格差は止められるか ハーバード日本人教授の世界が注目する授業」小学館 2013年8月

―この文献を選んだ背景―
地域包括ケアは、介護・医療・福祉レベルで、診療所が主語の場合考えられることが多い。ただ民の生活や暮らしを考えると、コミュニティにおける「社会関係資本=ソーシャルキャピタル」が重要となる。また家族という形式が、今後多様になるにつれて、地域のネットワークとしてのーシャルキャピタルも鍵を握ることが考えられ、一度、ソーシャルキャピタルについての自分の立ち位置を整理したく本テキストを読んでみた。

―要約―
ソーシャルキャピタル=社会関係資本
平たく言うと、「社会における人々の結束により得られるもの」のこと。例えば「人々の絆」「お互い様の文化」「地域の結束力」「情けは人のためならず」「遠くの親戚より近くの他人」により皆さんが生活の中で得ているもの。
地域や人との信頼感をもとに、ひとが他人を思いやる協調的な行動をとり、それが地域全体や自分の財産になるという考え方に根ざしている。

第4章 健康に欠かせない「人間関係」の話
 アメリカにおける自殺、他殺、事故で亡くなる可能性をみてみると、人との繋がりが薄い人–つまり、
結婚していなかったり、親族がいなかったり、教会に通っていなかったりすると、死亡リスクが2倍以上になることが分かった。なぜ人との繋がりが強いと、健康になるのか?
メカニズム①:人とのつながりが、その人の行動を決める
   ・毎週たべる野菜の量は、男女ともに結婚すると増え、離婚もしくは伴侶が死別すると減る。
   ・飲酒:男性は離婚や死別による飲酒量が増える、女性は飲酒量が減る。
メカニズム②:人と交わるだけで健康になる
   ・人との交わりで保たれる身体の能力や機能があり、健康でいられる(DSへ通い出した方)
   ・家に閉じこもりの高齢者は、ADL低下や認知機能低下を来しやすい。
メカニズム③:つながりから生まれる支援の力
   ・家族、親戚、友人、同僚、上司、遊び仲間、サークルなどの組織からのサポートのこと。
     「もの」お金や本の貸し借り、直接的、物理的な支援
     「情報」口コミでよい病院を知る、おいしいパン屋、運動できる場所、サークル
     「感情的サポート」慰めたり、励ましたり
マイナスの影響もある:肥満の友人は肥満などの研究あり

ソーシャルキャピタルの測定方法:周りの人への信頼感についての質問を行う(以下が例)
   ・この地域の人を信頼できますか
   ・近所の人が困っていた時、手伝いますか
   ・ここは周りの人とのつながりが密な地域ですか
   ・近所同士は仲がよいですか
   ・たいていの人はチャンスがあれば、つけ込もうとすると思いますか   
これらを踏まえた取り組み
 人との繋がりを人工的につくっても結果はでない(医療者による定期訪問やグループセラピー)
 人間関係のつながりは長い時間をかけて自然につくられるものである。
 入院後のサポートというよりは、入院前からの人とのつながりが大事なのではないか
まとめ
 資本主義社会において、格差をゼロにすることは不可能。しかしソーシャルキャピタルは、地域の結束力や人との絆を高める事で、自然災害や貧困など不利な状況にもかかわらず、住民の安全と健康を保てる可能性を示している。

―考察とディスカッション―
上記下線部についての、自然と納得する感覚は、日本人の間でも大小はあると思われるが、他国からみるとそのような考え方に対して「わかるわかる」というような感覚が特殊にうつるのであろうと感じた(この理由は稲作などの関連して本文内で考察しているが)。

SCが豊かな人は、更に多くの選択肢が広がる一方、SCが乏しい人は、更に孤立化していく・・・というSCの格差もあり、カルテのPL内に#独居➡ではなく#乏しいソーシャルキャピタル、などと記載していくのがよいかと感じた。更にそこから、地域・コミュニティ志向型ケアの考え方で、上記患者さんの乏しいSCをどう開発できるか、どのような繋がりが地域にあれば、乏しいソーシャルキャピタルは解決されるのか・・・という発想で、地域作りの視点をもっていくこともよいだろう。
また地域で家庭医として「暮らす」中で、自分自身が、趣味活動や子ども繋がりPTA、近所同士のやりとり、雪かき、地域のお祭りなど積極的にソーシャルキャピタルを豊かにしていく中で、患者さんに対しても選択肢を提示したり、ソーシャルキャピタルのハブとして機能できる可能性を感じた。
身近な行動としては、徒歩通勤中の、すれ違う人たちへの挨拶から・・・ですかね。

サイト単位の考察としては、栄町のコミュニティルームなど、診療所自体がソーシャルキャピタルの場を提供していくこと、夜カフェなどのアウトリーチ、地域アセッツとの共同による活動、祭りの参加など診療所自体がSCとして機能するような戦略もありだと思う。

【開催日】
2014年8月6日(水)

小児に対する地域・コミュニティケアに求められるものとは?

―文献名―
平林優子ら.保育園児の家族が子供の健康に関して利用する社会資源と要望-首都圏1地区の調査より-.2009

―この文献を選んだ背景―
ここ最近、ケアcaféや地域包括ケアシステムなど、地域・コミュニティケアについて重要視され活動も活発になってきているが、対象が高齢者であることが多い。小児に対してはどうなのか、どのようなことが必要とされているのかなど、今後の活動に参考にしたかったため調べてみた。

―要約―
目的
・首都圏の1地区の公立保育園に通院する家族を対象に、子供の健康に関する社会資源の利用状況や要望を明らかにし、地域の支援のあり方を検討する

方法
・対象:首都圏の1地区の公立保育園に通院する1,217家族のうち回答された652件(回収率53.6%)のうち、有効回答649件を分析対象

・調査:調査用紙は2部構成。第1部は全員に回答を依頼し、子供の健康状態、地区の社会資源の利用の実態と要望などを内容とした。第2部は、特に継続支援を必要とする慢性疾患を持つ保護者に回答を依頼し、子供の健康状態、保育園での健康管理と支援の状況、社会資源の利用と利用の困難や要望を内容とした。

・分析:数値や名義尺度に関しては記述統計、記述項目については質問の目的に沿って回答を分類する内容分析を行った。子供の健康問題、社会資源の利用についてはχ2乗検定により慢性疾患の有無で回答の違いを確認した。

結果
・調査対象:回答は母親がほとんど。第2部まで回答した割合は94件(14.4%)。子供の月齢は42.1ヶ月で、2-5歳が77%。男女はほぼ半数ずつ。3-4名の核家族がほとんどを占めた。

・子供の健康問題(表2):全体では「風邪をひきやすい(32.6%)」が最も多く、次に「アレルギー(27.4%)」が多く、慢性疾患を持つ子供については「気管支ぜんそく(42.6%)」、「食物アレルギー(41.5%)」、「アトピー性皮膚炎(36.2%)」とアレルギー疾患が多かった。

・慢性疾患を持つ子供に必要なケアと保育園での支援の現状(表3):必要なケアについては「毎日の服薬(52.1%)」が最も必要とされていたが、保育園において保育士の支援は行われておらず、毎日服薬が必要な子供の86%が1日2回の服用方法になっていた。外用薬は30%が必要とされていたが、保育士の支援が行われていた。また、支援の現状に関しては「子供の体の状態を観察する(80.0%)」と保育士・看護師からの支援があるとの回答が高かったが、「体の状態に合わせ活動し必要時休息をとらせていない(33.0%)」、「子供のコミュニケーションを助けていない(56%)」という結果であった。

・子供の健康に関連して利用している社会資源と要望
①利用している社会資源(表4):対象の特性から「保育園(80.9%)」は高く、「親族(56.9%)」、「近隣者・友人(52.5%)」、「近所の開業医(53.8%)」、「病院(43.3%)」であり、「インターネット(26.9%)」、「保健センター(19.4%)」と少なかった。また、慢性疾患を持つ子供については「近隣者・友人」の項目のみ有意な差を認め、慢性疾患を持つ子供は「近隣者・友人」を利用する割合が少なかった。また、慢性疾患のみの質問紙の回答では半数近くが「保健師」「保育園看護師」を利用していたが医療者の回答はなく、「医師」についても25%、「病棟や外来看護師」はほとんど回答がなかった。「栄養士(19%)」は比較的高かったが、アレルギー疾患の子供が多いことが関与していると考えられた。

②利用するのに困難がある、あるいはもっと支援を期待したい社会資源:全体的に回答が少なかったが、「保健センター(13.7%)」、「病院(7.7%)」、「近所の開業医(5.4%)」であった。

③子供の健康を守るうえで支援の改善への要望(表5):全334件のうち、種々の社会資源への要望としては「病院・診療所(121件)」が最も多く、診療時間の拡大・小児に対応可能な診療施設の増加が多かった。診療体制に関しては診療内容や対応の改善、待ち時間改善を望んでいた。次に多かったのは「病児・病後児保育や病児がいる際のサポート(80件)」であり、病児保育などを望む声が多かった。「保育園(28件)」については、健康管理機能の充実・健康教育の場・服薬管理という声があり、「保健センター」では対応時間の柔軟性が求められていた。また、「相談システム」については子供の急な病気への相談・気軽に相談できる窓口が求められていた。「予防接種」に関しては予防接種の情報や健診の充実・時間や日程の拡大などが挙げられた。慢性疾患の子供の家族では特に「病児保育の充実」「病院の対応の改善や小児診療の向上」「療養方法の情報提供」などが挙げられた。

―考察とディスカッション―
今回、小児に対する地域・コミュニティケアのきっかけとして上記を調べてみたが、キーとしては「アレルギー疾患」、「慢性疾患の子供を持つ家族」ではないかと感じた。慢性疾患の子供を持つ家族は慢性疾患のない子供を持つ家族に比べ「隣人・友人」を利用する機会が少なくなっているが、「近所の開業医」を利用する人は同等であるということもあり、医療機関としてアプローチできる印象がある。また、その家族を対象としたアプローチや保育園だけではなく、栄養士との連携などもさらにアプローチが広がるのではないかと感じた。皆さんの地域では小児に対する地域・コミュニティケアはどのようにしているでしょうか?

【開催日】
2014年5月14日(水)

地域コミュニティケア研究の一例(抗生剤処方に関して低コストキャンペーンの実現性と効果について)

― 文献名 ―
 Giulio Formoso et al: Feasibility and effectiveness of a low cost campaign on antibiotic prescribing in Italy: community level, controlled, non-randomised trial.BMJ 2013;347:f5391

 ― 要約 ―
【Objectives】 
To test the hypothesis that a multifaceted, local public campaign could be feasible and influence antibiotic prescribing for outpatients.

【Design】 
Community level, controlled, non-randomised trial.

【Setting】 
Provinces of Modena and Parma in Emilia-Romagna, northern Italy, November 2011 to February 2012.

【Population】 
1 150 000 residents of Modena and Parma (intervention group) and 3 250 000 residents in provinces in the same region but where no campaign had been implemented (control group).

【Interventions】 
Campaign materials (mainly posters, brochures, and advertisements on local media, plus a newsletter on local antibiotic resistance targeted at doctors and pharmacists). General practitioners and paediatricians in the intervention area participated in designing the campaign messages.

【Main outcomes measures】
Primary outcome was the average change in prescribing rates of antibiotics for outpatient in five months, measured as defined daily doses per 1000 inhabitants/day, using health districts as the unit of analysis.

【Results】
Antibiotic prescribing was reduced in the intervention area compared with control area (−4.3%, 95% confidence interval −7.1% to −1.5%). This result was robust to “sensitivity analysis” modifying the baseline period from two months (main analysis) to one month. A higher decrease was observed for penicillins resistant to β lactamase and a lower decrease for penicillins susceptible to β lactamase, consistent with the content of the newsletter on antibiotic resistance directed at health professionals. The decrease in expenditure on antibiotics was not statistically significant in a district level analysis with a two month baseline period (main analysis), but was statistically significant in sensitivity analyses using either a one month baseline period or a more powered doctor level analysis. Knowledge and attitudes of the target population about the correct use of antibiotics did not differ between the intervention and control areas.

【Conclusions】
A local low cost information campaign targeted at citizens, combined with a newsletter on local antibiotic resistance targeted at doctors and pharmacists, was associated with significantly decreased total rates of antibiotic prescribing but did not affect the population’s knowledge and attitudes about antibiotic resistance.

開催日:平成25年10月23日

プライマリ・ケアは死亡率低下に寄与するか?

【文献名】
著者名:Anthony Jerant et al.
文献タイトル:Primary Care Attributes and Mortality: A National Person-Level Study. 
雑誌名・書籍名:Ann Fam Med.
発行年:January/February 2012 vol. 10 no. 1 34-41

【要約】
<PURPOSE>
Research demonstrates an association between the geographic concentration of primary care clinicians and mortality in the area, but there is limited evidence of a mortality benefit of primary care at the individual patient level. We examined whether patient-reported access to selected primary care attributes, including some emphasized in the medical home literature, is associated with lower individual mortality risk.

<METHODS>
We analyzed data from 2000?2005 Medical Expenditure Panel Survey respondents aged 18 to 90 years (N = 52,241), linked to the National Death Index through 2006. A score was constructed from 5 yes/no items assessing whether the respondent’s usual source of care had 3 attributes: comprehensiveness, patient-centeredness, and enhanced access. Scores ranged from 0 to 1 (higher scores = more attributes). We examined the association between the primary care attributes score and mortality during up to 6 years of follow-up using Cox survival analysis, adjusted for social, demographic, and health-related characteristics.

<RESULTS>
Racial/ethnic minorities, poorer and less educated persons, individuals without private insurance, healthier persons, and residents of regions other than the Northeast reported less access to primary care attributes than others. The primary care attributes score was inversely associated with mortality (adjusted hazard ratio = 0.79; 95% confidence interval, 0.64?0.98; P = .03); supplementary analyses showed mortality decreased linearly with increasing score.

<CONCLUSIONS>
Greater reported patient access to selected primary care attributes was associated with lower mortality. The findings support the current interest in ensuring that patients have access to a medical home encompassing these attributes.

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【開催日】
2012年6月27日