体積骨密度および骨強度に対する高用量ビタミンD補給の効果

-文献名-
Lauren A. Burt, PhD. Effect of High-Dose Vitamin D Supplementation on Volumetric Bone Density and Bone Strength A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2019 Aug 27;322(8):736-745.

-要約-
背景
12ヶ月以上にわたって許容上限摂取量以上でビタミンD投与の効果を評価した研究はほとんどないが、米国成人の3%が少なくとも4000IU/dayのビタミンD摂取を報告している。

目的
体積骨密度(BMD)および強度に対するビタミンD補給の用量依存効果の評価
デザイン
カナダ・カルガリーの単一施設で2013年8月〜2017年12月までに実施された3年間の二重盲検RCT。
55〜70歳までの311人の骨粗鬆症のない健康な成人、25[OH]Dのベースラインレベルは30〜125nmol/L。

介入
400IU(n = 109)、4000IU(n = 100)、10000IU(n = 102)での3年間のビタミンD3の1日量。
カルシウム摂取は、食事で1200mg/day未満の人に提供。

結果
HR-pQCT(high-resolution peripheral quantitative CT:DEXAより正確に骨密度を測定し、かつ骨強度を測定できるもの)で橈骨・脛骨の骨密度(BMD:bone mineral density)を評価、および要素解析による骨強度の推定。
無作為化された311人の参加者(53%が男性、平均年齢62.2歳)のうち287人(92%)が研究を完了。
25(OH)Dのベースライン、3か月、3年後の値は、400IUグループで76.3、76.7、77.4nmol/L。
4000IUグループで81.3、115.3、および132.2。
10000IUグループで78.4、188.0、および144.4。
終了時での橈骨の骨密度は400IUグループと比較して、4000IUグループ(−3.9 mg HA/cm3 [95% CI, −6.5 to −1.3])および10,000IUグループ(−7.5 mg HA/cm3 [95% CI, −10.1 to −5.0]) で低かった。
体積BMDの平均変化率は-1.2%(400 IUグループ)、-2.4%(4000 IUグループ)、および-3.5%( 10000 IUグループ)であった。
400 IUグループとの脛骨の骨密度の差は、4000IUグループで-1.8 mg HA /cm³(95%CI、-3.7〜0.1)、10000 IUグループで-4.1 mg HA /cm³(95%CI、- 6.0〜-2.2)、平均変化値は-0.4%(400IU)、-1.0%(4000IU)、および-1.7%(10000IU)であった。

結論と関連性
健康成人では、1日あたり4000IUまたは10,000IUのビタミンDを3年間投与すると、400IUと比較して骨密度が統計的に有意に低かった。脛骨では、10000IUでのみ有意に低かった。橈骨でも脛骨でも骨強度には有意差はなかった。調査結果は、骨の健康のための高用量ビタミンD補給の利点を支持しなかった。有害かどうかはさらなる研究が必要である。

参加者のフロー
JC201912大西1

母集団
JC201912大西2

<除外>
骨粗鬆症(骨量低下は含む)
血清25(OH)値の高値、低値
血清Ca値の高値、低値
半年以内に高容量ビタミンD服用
2年以内に骨粗鬆症の治療介入
ビタミンD代謝に影響する疾患(サルコなど)
腎障害
吸収不良
2年以内の腎結石
日焼けサロンに通っている

A(血清25(OH)D)、B(副甲状腺ホルモン)、C(タイプ1コラーゲンCテロペプチド)の分布
JC201912大西3

JC201912大西4
血清25(OH)D値は高容量投与で上昇するが、副甲状腺ホルモン、骨代謝マーカーには影響なし

Primary Outcome <骨密度の変化>
JC201912大西5
投与すれば投与するほど骨密度が下がっている

服作用頻度
JC201912大西6
高Ca血症と高Ca尿症で有意差あり

【開催日】2019年12月4日(水)

疼痛に対しての鍼治療

-文献名-
ROBERT B. Acupuncture for Pain. Am Fam Physician. 2019 Jul 15;100(2):89-96.

-要約-
鍼治療は忍容性が高く、重篤な副作用のリスクはほとんどない治療法であり、疼痛に対しての統合治療、補完治療として普及してきている。鍼治療の効果は、内因性オピオイド・セロトニン・ノルエピネフリンの放出が侵害受容器や炎症性サイトカイン、運動器に作用するのではないかと考えられているが、正確には解明されていない。また、鍼の技術、使用鍼数、鍼保持時間、経穴の特異性、治療回数、主観的(心理的)要因など、複数の要因が寄与している可能性がある。
鍼治療の効果は、急性/慢性腰痛、変形性膝関節症、頭痛、筋筋膜痛、頸部痛、線維筋痛症で発表されている。
鍼治療のシステマティックレビューでは統計的にも臨床的にも効果が示されたものもあるが、鍼治療は盲検化が難しく、バイアスの問題は大きい。また、真の鍼と偽の鍼の治療(下図参照)での効果の差は有意ではなかった。鍼治療の効果には患者の期待、治療の儀式、鍼灸師との関係性、プラセボなどの様々な要因が効果因子となっているのではないかと思われる。
忍容性・副作用:10%以下に倦怠感、局所の疼痛、頭痛。入院・後遺症が残る・死亡といった重篤なイベントはなし。気胸や重篤な感染症の報告は稀。

補足:verum needle(真)とsham needle(偽)について
JC201912佐野1

JC201912佐野2

JC201912佐野3-1

JC201912佐野4-1

【開催日】2019年12月4日(水)

研修プログラムとしてのSNS発信の12のコツ

-文献名-
Avital O’Glasser et al. Twelve Tips for Tweeting as a Residency Program. MedEdPublish Published: 23/07/2019

-要約-
導入
2004年にfacebook,2006年にTwitterが誕生した。SNSは複数のデジタルプラットフォームを形成し、情報交換や討論への参加を可能にしており、この動きは継続的な医師の生涯学習と同じ機能である。そしてSNSのヘルスケア領域の分析では、教育的な価値や専門性への影響などが分析され、調査対象の医師の60%がSNSは患者ケアに役立ったと報告している。
複数存在するSNSの中でもtwitterはオープンアクセスの特徴を持っており、ヒエラルキーの平坦化や教育の民主化に寄与するツールであり、若手医師や専攻医により良い発信媒体であり、いくつかの文献でそのメリットが述べられている。
理論的には、Twitterでレジデンシープログラムについての知識を斬新な方法で広めることが可能であり、専攻医のより良い活動や業績に関心を集めることができる。SNSをプログラムが使うことの実例がOHSUの内科プログラムであり、正式な承認や組織のSNSポリシーによって運営され、1200名のフォローワーが存在し、4900のつぶやきがある。この文献では、レジデンシープログラムの発信についての成功と持続性のtipsを紹介する。

12のコツ
Tip 1: Tweet early, tweet often
あまりアカウントに長く潜まないこと。つぶやきはつぶやきを産み、その結果勢いがつき、快適で親しみのをもたらす。そしてフォローワーの獲得にも役立つ。他のアカウントとのやり取りは繋がりを生み創造的なコラボが可能となる。我々のところでは、専攻医によって下書きのつぶやきが事前に記載され、アカウントを持っているチーフレジデントが投稿している。

Tip 2: Know core Twitter vocabulary and use hashtags, mentions, links!
投稿数は280文字ですが、文字情報だけではなく、ハッシュタグやリンクを埋め込むことを推奨します。写真や動画の埋め込みも関心やエンゲージメントを高めます。

Tip 3: Celebrate and engage your residents
レジデントの業績を祝い、彼らの成長を讃えることは、アカウントにとって最も充実した側面となります。
レジデンシーは常に、専攻医の出版やポスター発表、学会のプレゼンや賞などをつぶやくことを目標にしています。
つぶやきは出版物のリーチを広げ、ツイートされた論文は引用が増えます。

Tip 4: Use your program’s calendar of key annual events as source material
レジデンシーのコアな年間イベントをつぶやきで共有します。これによって専攻医はプログラムのイベントへの準備ができるようになり、リクルート活動の基盤にもなります。プログラムの構造の情報だけではなく、文化や雰囲気などを外部の読み手に発信します。イベントごとにハッシュタグを作ると後で把握がしやすくなります。

Tip 5: Engage faculty and fellows on Twitter
広くコミュニティを形成するために、専攻医やフェロー、そして指導医にもアカウントを持ってもらうように学習もしくは強力に誘います。彼らを会話に巻き込み、彼らの直接的な指導をTwitterの読み手に届けることができます。
熱心な指導医やフェローは、学術大会の現場の最前線(地上のブーツ)の価値のある資料を提供してくれます。

Tip 7: Identify preferred content themes within medicine
限定的な専攻医コミュニティだけではなく、他のコミュニティも定義する必要がある。
あなたの所属している組織には複数のブランドのアカウントが存在している。そして関連する全国や地域の団体を特定し、あなたの専門や関心の領域でのアカウントと繋げてください。
twitterのコミュニティはSNSの親切さと寛大さを思い出させてくれる。ソーシャルメディアにおいて奪う人から与える人になることが大事である。

Tip 8: Keep your eyes open & your chin up!
皮肉にもツイートを奨励することは、日々をマインドフルに過ごし、キャンパス内でスマホばかりに埋もれることの助けになりました。自分の環境と身の回りで起きること、そこに生じている小さな瞬間の素晴らしい学びに注意してください。
教育的なツイートも良いですが、風景の写真も人気です。

Tip 9: Utilize Twitter Analytics
Twitterの目標はいいね!やリツイート、フォローを増やすだけではなく、リーチやツイートの有効性についての数値がフォードバックになります。レジデンシーの奨学金についてのツイートが、リーチを広げ、このテーマのツイートを継続的に優先度を高くしました。

Tip 10: Be professional and follow the 5-second rule at all times; think first, tweet later
プライバシーへの配慮、プロフェッショナリズムとしての考慮はtwitterの使用の障壁になります。
所属機関のソーシャルメディアポリシーを参考に、アカウントの開設許可に申請が必要なこともあります。
適切な投稿トーンを維持し、ネガティブにならず、嵐をせず、トロール(絡んでくる系?)に関与しないでください。

Tip 11: Do not be afraid to brag or toot your own horn!
自分を見てよ!文化と批判されますが、お祝いや祝福についてはプログラムの成功と関連するためツイートすることが適切です。フェローへのマッチやカリキュラムの改革、そしてプログラムリーダーのチームの仕事や成功など発信していきましょう。

Tip 12: Have fun!
個人ではなく、プログラムのアカウントであったとしても楽しいキャラクターを設定することができます。賢く、風変わりな、そしてユーモアのあるツイートを発信してください。学ぶこと、教えること、そして診療を実践することが好きであることを魅せてください。

まとめ
レジデンシーのSNS発信は、専攻医にプラスの影響を与え、プログラムやその教育ミッションを広く見せる事に貢献する。ツイートするコンテンツの進化や成熟を加え、フォローワーとの相互的でダイナミックなプロセスで新しい仲間やつながりを促進しました。

【開催日】2019年11月13日(水)

COPD急性増悪に対するCRPに基づいた抗菌薬使用

-文献名-
Allan S et al. COPD Exacerbations — A Target for Antibiotic Stewardship: N Engl J Med 2019; 381(2): 111-120.

-要約-
◎背景
CRPの測定は、COPDの急性増悪の患者に害を与えることなく、抗菌薬の不必要な使用を減らせるのではないかと考えられている。

◎方法/研究デザイン
▼イギリス国内の86施設で行われた、多施設共同、非盲検ランダム化比較試験。
▼40歳以上の男女でCOPDの診断を既に受けている患者のうち、対象施設の総合診療科の医師によりCOPD急性増悪とする旨の診断が下った者が対象
▼急性増悪の基準は
(1) Athonisen Criteria=呼吸困難の増悪、痰量の増加、膿性痰の増加の1項目以上
(2) 症状持続が24時間~21日以内
▼患者を以下の2群に割りつける。
① CRPを参考にして治療方針(抗菌薬使用)を決定する群、② (CRPを測定しない)通常ケア群。
CRP参考群の、抗菌薬使用の基準は
CRP<2mg/dLで抗菌薬使用推奨せず、
CRP=2~4mg/dLで膿性痰の臨床症状に基づいて判断
CRP>4mg/dLで抗菌薬使用推奨
(※ あくまでも「推奨」であって、使用を否定するものではないことに注意。)
▼割り付け1週後・2週後に電話での聞き取り、4週後に対面式での聞き取りを実施。
 6ヶ月後にも質問紙を郵送しての聞き取りを実施した。
▼Primary Outcome…
4週間以内に抗菌薬投与が行われたか
割り付けの2週間後のCOPDに関連した全身状態はどうか (※ 非劣性試験)

◎結果
▼ 1319人が登録され、649人を2群に割り付けた。
▼ 抗菌薬使用率は、①CRP参考群=57.0%、②通常群=77.4%
  初回診察時に抗菌薬を使用した群は、①CRP参考群=47.7%、②通常群=69.7%
▼ 2週間後のClinical COPD Quesionnaire値はCRP参照群で-0.19点であり、通常群に対する非劣性が証明された
▼ 有害事象
 4週間のフォロー中に通常群のうちの2名は死亡したが、本研究との関連は薄い
 6ヶ月の追跡期間中に、CRP参考群で延べ35回、通常群で延べ34回の入院が起きている
 肺炎の発生、抗菌薬による副作用については2群間で有意差は認められなかった。

◎考察
▼ 1319人が登録された中で、649人が抽出されているのだが、その記載が曖昧(というかない?)
▼ CRP採血をしたというそのことが、COPD関連の健康状態に影響を及ぼしている可能性はないか?
▼ CRPやプロカルシトニン値の確認によってCOPDの急性増悪時の抗菌薬使用率を減らしたというエビデンスは存在し、メタアナリシスもあるが、その中に示されている研究はすべて規模が小さく、またエビデンスの質も低いものであることに留意することは必要である。
▼ 本研究でのCRPの位置付けはあくまでも参考値という点には留意が必要。完全にCRPのみで治療方針を決定したわけではない。

◎結論
プライマリ・ケアセッティングにおいて、CRPを参考にしたCOPD急性増悪に対する抗菌薬処方は、害を及ぼすことなく、抗菌薬の使用率を下げる可能性が示唆された。

【開催日】2019年11月13日(水)

Comfort Feeding Only

-文献-
Eric J. palecek, et al. Comfort Feeding Only: A Proposal to Bring Clarity to Decision- Making Regarding Difficulty with Eating for Persons with Advanced Dementia. J Am Geriatr Soc. 2010 March ; 58(3): 580–584.

-要約-
体重減少につながる経口摂取・食事の困難は、認知症進行期において一般的である。このような問題が発生すると、家族はしばしば胃瘻造設に関する意思決定に直面する。
観察研究に基づく既存のエビデンスは、経管栄養が生存率を改善したり、誤嚥のリスクを低下させたりしないことを示唆しているが、認知症患者では経管栄養が広く行われており、施設入居者の大部分は人工的水分・栄養補給法に関する希望について文書による事前指示を得られていない。
理由の1つは、人工的水分補給・栄養法を差し控える指示が「経口摂取させない」と誤って解釈され、その結果家族の抵抗感を生むためである。
さらに、施設は体重減少に対する当局の監査を恐れており、経管栄養の使用は可能なことがすべてが行われていることを意味すると誤って信じている。
これらの課題は、患者のケアの目標を強調する明確な言語を作成することで克服できる。
個別の食事ケア計画を通じて患者の快適性を確保するためにどのような措置を講じるべきかを示す新しい指示「Comfort Feeding Only」を提案する。
慎重な食事介助による可能な範囲での快適な経口摂取に注力することは、経管栄養に代わる明確な目標指向の代替手段を提供し、人工的水分・栄養補給を放棄する現在の指示によって課せられることになる見かけの「ケアする」「ケアしない」の二分法を排除する。

【開催日】2019年11月6日(水)

帯状疱疹予防における生ワクチン(ZVL)と組換えワクチン(RZV)の比較

-文献-
McGirr A, et al. The comparative efficacy and safety of herpes zoster vaccines: A network meta-analysis. Vaccine. 2019
May 16;37(22):2896-2909.

-要約-
背景:
・米国およびカナダでは、50歳以上の帯状疱疹予防に以下の2つのワクチンが認可されている(本邦と同様)
   生ワクチン(Zoster Vaccine Live; ZVL) 単回投与
   組換えワクチン(Recombinant Zoster Vaccine; RZV) 2回投与
・ZVLおよびRZVのランダム化比較試験(RCT)は、それぞれプラセボと有効性、安全性を比較している
・2つのワクチンの有効性、安全性を直接比較した試験はない
・この研究では、ネットワークメタ分析(NMA)を使用して2つのワクチンの有効性と安全性を比較した

方法:
・以下のPICOで文献検索、系統的レビューされた(21の全文出版物と4の会議抄録)
 P:帯状疱疹の既往ない50歳以上の成人(免疫不全者で実施された研究は除外)
 I:ZVL、RZVいずれかの帯状疱疹ワクチン接種(用量、スケジュール、準備、投与経路を問わない)
 C:他の帯状疱疹ワクチン、プラセボ、介入なし(異なる用量、スケジュール、準備、投与経路を評価する研究を含む)のいずれか
 O:有効性・・・帯状疱疹の発生率、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発生率ほか
    安全性・・・完全な中止、重篤な有害事象、局所反応、全身反応
・詳細な実現可能性評価により、NMAは有効性(帯状疱疹およびPHNの発生率)および安全性(重篤な有害事象および注射部位反応、全身反応)の結果で実現可能であることが示された
・年齢はワクチンの有効性(VE)の既知の効果修飾子であるため、VE分析は年齢ごとに層別化された

結果:
・帯状疱疹への有効性は、60歳以上(Fig. 2A)、70歳以上(Fig. 2B)の両方の年齢層において、RZV(筋注)がZVL(皮下注)よりも有意に優れていた。PHNへの有効性も60歳以上(Fig. 2C)、70歳以上(Fig. 2D)の両方にて同様だった。
・RZVは、ZVLおよびプラセボのほとんどと比較して、注射部位および全身反応が大幅に増加ししたが、定義とデータ収集手順は研究間で異なっていた。重篤な有害事象については、ZVLまたはプラセボとの間に統計的に有意差は見られなかった。

20191109後藤

結論:
・RZVはZVLと比較して、60歳以上の成人の帯状疱疹およびPHNの発生率を大幅に低減する
・RZVは局所・全身反応が多いが、重篤な有害事象についてはRZVとZVLの間に違いはみられなかった

研究の限界:
・研究の数が少なかったため、結果は慎重に判断する必要あり
・少数の研究がNMAの結果に影響を与えた可能性がある
・研究の不均一性の結果、安全性の結果について95%CIが非常に広かった
・利益相反あり

【開催日】2019年11月6日(水)

A群溶連菌咽頭炎への5日間の抗生剤治療

-文献名-
Gunilla Skoog Stahlgren, et al.Penicillin V four times daily for five days versus three times daily for 10 days in patients with pharyngotonsillitis caused by group A streptococci: randomized controlled, open label, non-inferiority study. BMJ 2019; 367:l5337

-要約-
【Introduction】
スウェーデンにおいて、A群溶連菌咽頭炎に対する治療レジメンは、ペニシリンV 1000 mgを1日3回、10日間となっている。この治療期間は他の国と同じだが、投与量と総曝露量(30 g)は比較的多い。
抗菌薬治療の理由は、主に急性リウマチ熱や糸球体腎炎などの重篤な合併症を避けるためであるが、これらの状態は現在、高所得国では非常にまれなものとなっている。
今日、高所得国での治療の主な理由は速やかな症状の臨床的治癒をはかることであり、また、腹膜炎、膿痂疹、蜂巣炎、中耳炎、副鼻腔炎などのまれな合併症を防ぐことにもなる。
2008年のメタ分析では、A群レンサ球菌咽頭炎の患者へより短期間の治療(5~7日)を行った場合、10日間の治療に比べて臨床的成功と細菌学的根絶の可能性が低いことが示された。
この研究での1日総投与量は750~1600mgの範囲で、1日2回または1日3回だった。薬物動態および薬力学としては、βラクタム系抗生物質の有効性は血清中の非結合薬物濃度の最小阻害濃度を超える時間に依存しており、その決定要因は用量と投薬頻度である。
1日4回800mgの投薬レジメンは、1日3回1000mgと比較してより良いものとなる。短いレジメンでのリスクは、臨床的治癒と微生物学的根絶の割合が低いことだが、治療期間を短縮すると副作用が少なくなり、患者のアドヒアランスが向上し、ヒト微生物叢への影響が少なくなり、抗生物質の総使用量を減らし、患者と地域社会の薬物費用を削減できる。
本研究の目的は、適切な臨床効果を維持しながら、ペニシリンVの総暴露量を削減できるかどうかを調査することである。A群レンサ球菌による咽頭扁桃炎患者において、ペニシリンV800 mg 1日4回5日間の治療は、現在の推奨用量である1000 mg1日3回10日間に劣らないという仮説のもと、非劣勢試験を行った。

【Method】
デザイン:オープンラベル、ランダム化非劣勢試験。2015年9月~2018年2月の期間、スウェーデンの17の医療センターにて実施。
対象:6歳以上で、3~4のCentor criteria(38.5°C以上の発熱、リンパ節腫脹、扁桃の白苔、咳の欠如)、およびA群レンサ球菌の迅速抗原検査陽性となった患者をinclusion。重病の兆候を示した場合、またはペニシリンに対する過敏症を有していた場合、少なくとも15 mgのプレドニゾロンによる免疫調節治療を受けていた場合、過去1ヶ月間に咽頭扁桃炎の抗生物質を投与されていた場合(再発)、またはinclusionから72時間以内に抗生物質治療を受けた場合は除外。
介入:ペニシリンV 800 mgを1日4回5日間、現在の推奨用量1000 mgを1日3回10日間と比較。40 kgまでの子供は、体重に応じて投与量を調整した(10-20 kg:投与量250 mg、20-40 kg:投与量500 mg、治療群に関係なく)。
主要アウトカム:抗生物質治療の終了後5〜7日での臨床的治癒(主要な残存症状または咽頭扁桃炎または症候性再発の臨床所見のない完全な回復として定義)。二次アウトカムは、治癒試験で採取した培養による細菌学的根絶、症状緩和までの時間、再発の頻度、合併症および新たな扁桃炎の発症、有害事象のパターン。

【Results】
患者(n=433)は5日間(n=215)または10日間(n=218)のレジメンにランダムに割り当てられた。プロトコルごとの母集団の臨床的治癒は、5日間のグループで89.6%(n=181/202)、10日間のグループで93.3%(n=182/195)だった(95%信頼区間-9.7~2.2)。
細菌学的根絶は、5日間のグループで80.4%(n=156/194)、10日間のグループで90.7%(n=165/182)だった。5日と10日のグループで、それぞれ8人と7人の患者が再発し、6人と13人の患者が合併症を発症し、6人と13人の患者が新たな扁桃炎を発症した。症状が緩和されるまでの時間は5日間のグループで短かった。有害事象は主に下痢、悪心、および外陰膣障害だった。10日間のグループでは発生率が高く、有害事象の期間が長かっ
た。

【Discussion】
A群レンサ球菌咽頭扁桃炎において、ペニシリンV5日間1日4回の治療は、10日間1日3回の臨床結果に劣らない事が分かった。細菌学的根絶は5日間の治療グループで低かったが、症状が解消するまでの時間は短かった。グループ感の1ヶ月以内の再発数に統計的有意差はみられなかった。最後のフォローアップでは、5日間の治療グループで新たな扁桃炎の発症と合併症の数が少なかった。また、5日間のグループで報告された有害事象はより少なく、有害事象が生じている期間がより短かった。
ペニシリンV5日間1日4回の治療は、現在の10日間のレジメンに置き換えられる可能性がある。

【開催日】2019年10月9日(水)

トランスジェンダーのケア

-文献名-
DAVID A. KLEIN, MD, MPH; SCOTT L. PARADISE, MD; and EMILY T. GOODWIN, MD, Fort Belvoir Community Hospital, Fort Belvoir, Virginia Am Fam Physician. 2018 Dec 1;98(11):645-653.

-要約-

201910神田1

導入:米国では約15万人の若者と140万人の成人がトランスジェンダーとして特定されています。社会文化的な需要が進むにつれ、臨床医はおそらくトランスジェンダーの人々の増加に気づくでしょう。
しかし、大規模な観察研究のデータは、トランスジェンダーの24%が医療環境での不平等な治療を報告し、19%が治療の拒否を報告し、33%が予防的介入を求めていないことを示唆しています。
約半数のレポートは、彼らがトランスジェンダーケアの基本的な教義を彼らの医療専門家たちに教えたと報告しています。
用語の定義:トランスジェンダーは、経験、表現される性別が出生時に割り当てられた性別と異なる人を表します。性同一性障害は、トランスジェンダー及び性多様性の人が経験する機能苦痛または問題を表します。
ICD-11の診断にある性不適合は、その人の経験する性別と割り当てられた性別の間の矛盾を表していますが、違和感または治療のための好みを意味するものではありません。
トランスジェンダーと性の不一致という用語は、一般的に性的指向、性的発達、外的性別表現とは異なります。
最適な臨床環境:臨床医が信頼関係の確立と維持に重点を置きトランスジェンダーの患者にとって安全で快適な環境を確立することが重要です(Table1)。
臨床医は「私は性多様性の人々のケアの経験が限られていますが、あなたが私の診療に安心を感じてもらえることが大事で、最適なケアができるよう頑張ります」と患者に伝えることはできます。
トランスジェンダー、性多様性に親和性のある資料のある待合室はより歓迎かもしれません。
問診票を更新して、性別に依存しない言語を含め、トランスジェンダーの患者の特定に役立つ2段階の方法(選択した性別と出生時に割り当てられた性別を特定する2つの質問)を使用できます。
文化的に繊細な用語やトランスジェンダーの話題、個人の偏見の評価における臨床医やスタッフのトレーニングは患者の反応に寄与するかもしれません。
また、地域のトランスジェンダーの患者の代弁をすることができます。

201910神田2

評価:
病歴
トランスジェンダー患者を評価する場合、臨床医は性別の違和感または不一致の大きさ、期間、および安定性を評価する必要があります。治療は状況に合わせて最適化する必要があります。臨床像(例えば
、精神病)が混乱していたり性肯定ケアをより困難にする(例えば、制御されていないうつ病、重要な薬物使用)状況です。患者の社会環境のサポートと安全性は性肯定のために評価を必要とします。
これは、理想的には学際的な注意を払って達成され、完全に評価するために、数回の受診が必要な場合があります。
プライマリケア臨床医は、性同一性障害を評価しホルモン療法を管理することにより患者の性別関連のケアに積極的な役割を取るか、または良い状態であるか観察しプライマリケアと紹介を提供する補助的な役割を果たすか選択することができます(Figure1)。
臨床医は、自分自身をホルモン療法の門番と見なすべきではありません。むしろ患者が自分の健康管理について合理的で教育に基づいた決定を下せるように支援する必要があります。

身体診察
トランスジェンダーの患者は、継続的な不快感または過去の否定的な経験のために、身体診察中に不快を感じる場合があります。
診察は患者の現在の解剖学的構造と受診の特定のニーズに基づくべきである、そして、説明し寄り添い患者の快適さのレベルによって中断されるべきです。
性発達の違いは、通常、性の違和感や性の不一致よりもずっと早く診断されます。ホルモン療法されていない場合は、出生時に割り当てられた性別と一致しない性別の特性を評価するために、初期検査が必要になる場合があります。
このような所見は、内分泌科医または他の専門医への紹介を必要とする場合があります。

メンタルヘルス:
トランスジェンダーの患者は通常メンタルヘルスの診断の割合が高いです。しかし、患者の精神的懸念がトランスジェンダーであることに二次的であると仮定しないことが重要です。
プライマリケアの臨床医は、うつ病、不安障害、PTSD、摂食障害、薬物使用、親密なパートナーの暴力、自傷行為、いじめ、不登校、ホームレス、高リスクの性的行動、および自殺傾向のためのルーチンのスクリーニングを検討すべきです。
臨床医は、トランスジェンダーの人々の基本的なメンタルヘルスのニーズに対応し(例えばうつ病や不安に対する第一選択治療)、必要に応じて患者を専門医に紹介する必要があります。
トランスジェンダーはトラウマ的経験の有病率が高いため、ケアはトラウマインフォームドであるべきで(すなわち、安全、支援および信頼性に焦点を当てる)、ケアとレジリエンスに関連する患者の人生経験によって導かれるべきです。
人の性自認を出生時に割り当てられた性別に合わせるための努力、治療は非倫理的でAAFPのポリシーを含む現行のガイドラインやエビデンスに対応していない治療です。

ヘルスメンテナンス:
予防医療は、トランスジェンダーとシスジェンダー(つまり、トランスジェンダーではない)の人とで同様です。
微妙な推奨事項は、患者の現在の解剖学、薬物使用、および行動に基づいています。
高脂血症、糖尿病、喫煙、高血圧、肥満のためのスクリーニングの推奨事項はUSPSTFから入手できます。臨床医はVTEおよび代謝性疾患の兆候と症状に注意する必要があります。
ホルモン療法はこれらの状態のリスクを高める可能性があるためです。骨粗鬆症のスクリーニングはホルモン治療に基づきます。
がん検診の推奨事項は、患者の現在の解剖によって決定されます。乳房組織を持つトランスジェンダーの女性と完全な乳房切除を受けていないトランスジェンダーの男性は、シスジェンダーの人のガイドラインに基づいてマンモグラフィのスクリーニングを受けるべきです。子宮頸部および前立腺癌のスクリーニングは、現行のガイドラインおよび解剖的存在に基づいてなされるべきです。
予防接種(例HPV)および性感染症(HIVを含む)のスクリーニングと治療に関する推奨事項は、性行為に基づいてCDCとUSPSTFが提供しています。
HIV感染前および曝露後予防、治療基準を満たす患者のために考慮されるべきです。

ホルモン療法:
女性化および男性化するホルモン療法は、経験のある性から第二の性への発達を促進するための部分的に不可逆的な治療です。すべての性別の人がホルモン治療を必要とするわけではありません。
しかし、治療を受けた人は一般に、QOL、自尊心、不安の改善を報告しています。患者が不可逆的な外見の変化、生殖能力、および社会的な状況だけでなく、他の潜在的な利点とリスクを理解した後、治療に同意する必要があります。(詳細は割愛)
手術およびその他の治療:性の違和感を最小限に抑えるために、性適合外科的治療は必要とされない場合があり、ケアは個別化する必要があります。(詳細は割愛)

トランスジェンダーユース
すべてではありませんが、ほとんどのトランスジェンダーの成人は、子供の頃から性同一性の安定性を報告しています。しかし、性多様な思春期前の子供たちのなかには、ゲイ、レズビアン、またはバイセクシャルとして識別し、または性同一性がより明確になってきたときトランスジェンダーとは別にアイデンティティを持つこともあります。思春期前の性多様性の子供のために広く受け入れられている治療プロトコルはありません。臨床医は優先的に(支持的に「成り行きを見守る」アプローチとは対照的に)性同一性の健康的な探索を個別化する肯定的なケア戦略に子供や家族のメンバーの支援に焦点を当てることができます。
これは、トランスジェンダーの若者の発達に精通しているメンタルヘルスの臨床医への紹介を正当化するかもしれません。
トランスジェンダーの思春期の若者は、サポートのための心理療法にアクセスし、性同一性を探索し、性の不一致の社会感情的な側面に適応し、潜在的な治療に対する現実的な期待について話し合うための安全な手段が必要です。
臨床医は回復力を付与することが示されているサポーティブな家族や社会環境を代弁すべきです。いじめや被害にあうサポーティブでない環境は、心理社会的機能と幸福に悪影響をもたらし得ます。
トランスジェンダーの青年は、二次性徴の開始時に苦痛を経験する場合があります。臨床医は、患者が性的成熟のステージ2または3に達したときに思春期を抑制するために、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
(GnRH)の開始または適時の紹介を考慮する必要があります。この治療は完全に可逆的であり、将来の肯定は簡単かつ安全にすることができ、性同一の安定性を確保するための時間ができます。ホルモン
治療は、思春期の発症前には保証されません。
GnRHアナログ治療のための同意には利益とリスクに関する情報が含まれるべきである。治療を開始する前に、内因性思春期の進行を必要とする可能性のある不妊治療について患者に紹介する必要があります。
一部の人は、外見(衣服、髪型など)または行動を性同一性と一致させることを好みます。社会的肯定のリスクと利益を比較検討する必要があります。初経後のTransmasculineの若者は、追加の避妊効果を
提供する月経抑制を受けることができます。乳房結合は、乳房組織を隠すために使用される場合がありますが、痛み、皮膚刺激、または皮膚感染を引き起こす可能性があります。
複数の研究が、思春期抑制とその後の性一致ホルモン療法後の心理社会的結果の改善を報告しています。治療の遅れは精神ストレスおよび性関連虐待を増強するかもしれません。
したがって、成り行きを見守るアプローチで性一致ホルモン治療を差し控えることにはリスクがないわけではありません。
トランスジェンダーの人、家族、臨床医向けの追加リソースは、eTable Cに示されています。

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FIGURE 1.
Considerations in the care of transgender and gender-diverse persons in primary care.

【開催日】2019年10月9日(水)

認知症患者の予後:オランダでの前向き全国レジストリ研究の結果

-文献名-
Irene E van de Vorst, Ilonca Vaartjes, Mirjam I Geerlings, Michael L Bots, Huiberdina L Koek. Prognosis of patients with
dementia: results from a prospective nationwide registry linkage study in the Netherlands. BMJ Open 2015; 5:e008897.

-要約-
OBJECTIVE
国立病院の登録データに基づいて認知症の死亡リスクを報告し,一般住民や心血管疾患の死亡リスクと比較してリスクを把握すること.
DESIGN
2000年1月1日~2010年12月31日までの前向きコホート研究
SETTING
病院ベースのコホート
PARTICIPANTS
全国の病院ベースの臨床的に診断された認知症患者59,201人(病院に入院,または日中のクリニック受診)のコホートで構成された(男性38.7%,81.4歳(SD 7.0)).
MAIN OUTCOME MEASURES
日中のクリニックを受診した認知症患者について,一般集団と比較して1年および5年の年齢別および性別別の死亡リスクが報告された.
急性心筋梗塞,心不全,または脳卒中で入院した患者と比較して,認知症で入院した患者では,これらは絶対および相対リスク(RR)として表された.
RESULTS
1年死亡リスクは男性で38.3%,女性で30.5%だった.5年死亡リスクはそれぞれ65.4%と58.5%だった.
病院に入院した認知症患者の死亡リスクは,日中のクリニックを受診した患者よりも有意に高かった(1年RR 3.29,95%CI 3.16〜3.42,および5年RR 1.79,95%CI 1.76〜1.83).
一般集団と比較して,死亡リスクは日中のクリニック受診患者で有意に高かった(1年RR:女性2.99,95%CI 2.84〜3.14,男性3.94,95%CI 3.74〜4.16).
5年RRはやや低かったが,それでも有意であった.
結果は若い年齢でより顕著で,入院患者の死亡リスクは心血管リスクと同等かそれを上回っていた.
(女性の1年RR:認知症 vs AMI 1.24,95%CI 1.19~1.29,認知症 vs 心不全1.05,95%CI 1.02~1.08,認知症 vs 脳卒中1.07,95%CI 1.04〜1.10).
5年RRは同等だった.男性の場合,RRはわずかに高かった.
CONCLUSION
認知症は,他の疾患や一般集団と比較して予後が悪い.入院患者のリスクは,心血管疾患後のリスクを上回った.

【開催日】2019年10月2日(水)

プライマリケア教育診療所(内科・家庭医)における指導医の働き方の3つのモデル

-文献名-
Bodenheimer Thomas MD; Knox Margae MPH; Kong Marianna MD. Models of Faculty Involvement in Primary Care Residency Teaching Clinics. Academic Medicine. In press.

-要約-
三つのモデルとその具体例
レジデンシーは二つの同等に重要なミッション、つまり、未来のための医師を要請することと今の患者をケアすることがあるが、プライマリ・ケアの教育診療所ではこの二つはよく衝突する。
レジデントは他サイトでの業務があるし、指導医は入院担当、教育業務の準備、管理業務、研究といった他の責務があるので、常に患者の対応ができるわけではない。
結果として多くの教育診療所は複雑な指導医・レジデントのスケジュールを’juggle’する必要がある。
著者らは、2013-2018年に行なった42の内科あるいは家庭医の教育診療所へのサイトビジット(2日ずつで診療所長・プログラム責任者、レジデント、指導医、診療所スタッフへのインタビューを実施+その診療所の業務の直接観察)を通して、指導医の業務への参与のあり方にスペクトラムがあることを見てきた。
そこでそれを3つのFaculty involvement modelsとして記述し、具体例を示す。 (詳細レポートはAAMCからpublishされている様子:参考文献1)

1.The focused model
・少数の指導医がそれぞれ少なくとも5コマ/週以上を診療またはレジデントのプリセプティングに費やすモデル
・17/42=40%で、コミュニティ基盤型(=非大学型)レジデンシーによく見られる。
例:Program A:コミュニティ基盤型で11人の指導医、すべての指導医が6-8コマを診療所で診療あるいはプリセプティングで過ごすProgram B 後述のDispersed modelから移行した例。
以前は多数の指導医が週に1コマ診療、2コマ指導だったが、患者が待つ状況などを踏まえて、体制を移行し、プログラム内の指導医を入院対応のホスピタリストと外来のphysician educatorsに分かれるようにした。
結果、12人の指導医による6コマ診療、2コマプリセプティングの体制となり、レジデントの学習経験も、ケアの継続性も改善した。
Program C 大学基盤型で4つの小サイトでそれぞれが5-8人の指導医・4-5コマ診療、2コマプリセプティング。ただ、近年academic responsibilitiesが増したことでこの指導医たちが診療のコマ数を減らさざるをえなくなっている

2.The dispersed model
・多くの指導医が1-2コマ/週を診療所での臨床または教育業務に費やす
・9/42=21%で、大学基盤型のレジデンシーにしか見られない
例:Program D:大学基盤型の内科レジデンシー:100人レジデント、50人の指導医がいる。指導医は個
々の診療所では1-3コマしか費やさない。チームでのミーティングもなく、継続性は乏しいし、患者も担当医を待たなければならない。
Program E:大学基盤型の家庭医療レジデンシー。30人の指導医がいるが、臨床のコマは2-3コマと少ない。24人のレジデントも1-2コマずつで多くの診療所を回って診療をしている。(詳細あるが省略) 診療所の問題についてレジデントが指導医の働き方がFocusedになるように提言中。
Program F: 指導医たちは週に7コマを外来や教育に費やしているが、診療のほとんどがレジデントのいない診療所で行なっており、レジデントのいるサイトには週に1-2コマしかいかない。教育のための診療所配置の観点から、この状態はdispersed modelである。

3.The hybrid model
・1.と2.の融合型で、少数の5コマ以上費やす指導医と、1-2コマ/週の指導医の両方が務める
・16/42=38%が占めていた。
例:Program G: 大学基盤の内科レジデンシーで、ほとんどの指導医は週1-3コマを診療とプリセプティングに割り振っているが、2人の指導医がそれぞれの診療所で5コマ/週以上を診療・教育に費やしている。
が、リサーチグラントや他のアカデミックな業務の影響で指導医が診療所を離れるような圧力が働いており、診療所長はdispersed modelのような状態にならないようにするにはどうしたらよいか、懸念を抱いている。
Program H: 大学基盤型の家庭医療レジデンシー、小さい教育診療所が4つ、4コマ診療・1-3コマがプリセプティングとなるような指導医が診療所ごとにおり、それに加えて、community preceptorが週に1回レジデントの指導に携わっている。

上記のモデル以外の指導医の働き方に影響する因子
・それぞれの指導医が自分の診療スケジュールを決められる程度が重要
・あるレジデンシーではそれぞれの指導医がきめるため、ある日は2人の指導医が次の日が8人ということが起きていた
・診療所側が医師がいる人数を調整するために規則を持つパターンもある:例としては
・level loading: コマごとに同じ数の医師がいるように調整する
・Access-centered rule (Program D): 指導医が会議などの理由で診療をキャンセル可能なシステム。以前は許可なしに買おうだったが、今は診療所が十分な医師数が予約患者に対してあることを確認してキャンセルが可能になっている。

Focused Facultyの利点と実現するための障壁
利点:診療所チームの安定、継続性の維持、外来診療/教育者としてのロールモデルを示せる、その診療所のリソースや紹介先を熟知しており、より効果的なプリセプティングが可能、診療所の機能不全を看過しないのでチームのAnchorとなり、質改善、ポピュレーションアプローチ、継続性、レジデントへの対応などを主導的に行う
障壁:大学基盤の場合は特に、指導医の多重の、特にリサーチなどの業績評価の重圧との間で葛藤が起こる。大学組織では入院診療の方が外来診療より重んじられる、臨床教育者は研究者よりも大学では昇進しにくいなど。大学ではなくても入院診療との間のジレンマはある。

【開催日】2019年9月11日(水)

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