‘POLST'(Physician orders for Life-Sustaining Treatment) OHSUでの終末期・延命治療についての取り組み

【概要】POLSTとは
 
・Physician Orders for Life-Sustaining Treatmentの略語 
 
・’End of life'(敢えて終末期と訳しませんでした。)における医療の質の改善のために考慮されたプログラムで、患者の希望を聞き出すための効果的なコミュニケーション、色彩がはっきりした紙への行いたい医療の記載、その希望に対する医療者の遵守が土台となっている。

・1991年に、オレゴンにて延命治療に対する患者の希望が尊重されていないことに問題意識を感じた医療倫理分野の専門家が活動を開始し、1995年にForm(書式)が初めて出版された。
 
・現在では、オレゴン州では、POLSTを用いていることが、ケアの基準として受け入れられており、全てのホスピスと95%の高齢者施設において採用されている。2004年にはPOLSTのメンバーが、USの国のタスクフォースとして、国内への流布・政策整備・リサーチの実施のために、活動を開始した。

・現在のUSAにおける、POLSTプログラムの採用状況は図1のとおりである。

【POLST Formの記載内容】

・「POLST Oregon sample」「POLST newest 日本語」にそれぞれオレゴン州のサンプルとその日本語訳があります。
 
・確認するのは主に以下の3点
  
①心肺停止状態の時のCPRをするかどうか 日本での従来的なDNARかどうか、に該当します
  
②①ではなかった時の、医療をどこまで希望するか
    1.緩和処置のみ施行     ;対症療法のみ
    2.限定された医学的処置の施行;通常の治療を行うが、気管内挿管・長期の生命維持・ICU治療などは行わない
    3.積極的な治療       ;侵襲的な処置も全て行う
  
③人工的な栄養と輸液の投与
    1.一切行わない 2.期間を限定して行う 3.長期的に行う
 
④抗生物質投与(州によって項目として独立していない場合もあり)
   1.使用しない。症状緩和のための場合は行う
   2.侵襲的な投与は行わない(筋肉内・静脈内は行わない)   3.積極的に行う
 
⑤話し合いに参加したメンバーの記載

【実際にどのように使用されているか?】

・オレゴン州では、ある年齢を超えた患者全員に対して推奨されているとのこと。電子カルテのAlertとも連動しているクリニックもあるようで、聴取していない場合は、Alertが出るようにされているところもあるとのこと。
 
 ※HPでみる限りは、オレゴンは非常に進んでいるようで、プログラム全体としてPOLSTの推奨としているのは、「進行した慢性進行性の疾患を持っている人、翌年に死亡あるいは意思決定能力が失われる可能性がある状況にある人、また、自分が受けるケアについて意思表示を明確にしたいという要望を持っている高齢者ならだれでも」、となっています。
参考;http://www.ohsu.edu/polst/developing/core-requirements.htm
・実際には、希望を書いた紙を、平時は患者自宅の冷蔵庫などに貼ってあって、救急隊が現場到着した際に、その紙を同時に持っていく、というような感じになっているそうです。(外出時はどうしているのかは聞いてきませんでした)

・法的効果も認められており、実際にPOLSTに反して蘇生をして、生き返った当人が訴訟をしたケースもあるとのこと。

・記載はもちろん強制ではなく、患者(あるいは代理人)の自発的な判断に基づく、とあります。

・延命治療への配慮は全ての患者においてなされるべきだと日ごろから感じている。内科的疾患で入院した際にDNARを確認した際に、「今まで話し合ったことがない」と答えた家族には退院後に一度きちんと話すように勧めたり、悪性疾患の診断を受けている患者の定期外来で、近い話題が出たら、確認してカルテに記載するよう努力はしていた。

・このようなフォームの活用することで、家族・本人との話し合いの場は持ちやすくなるし、より具体的な話をする機会を持てるだろう。継続性や関係性構築に長けている家庭医なら、「不要な心配」をかけることなく話題を切り出す役割としては適任と思われる。

・しかし、このようなフォームが本当に効力を発揮するためには、多彩な段階の治療への要望に対応するための複数の場(ホスピス・入院病床)や、それに寄り添える価値観を持ち、多彩な段階の治療を実践できる医療スタッフが存在することが必要だろう。POLSTのようなシステムと実際の受け皿が両輪になって、初めて走り出すもので、片方だけの過剰な整備では、フォームを形骸化させるもととなる。

・その一方で、こうした類のイノベーションにおいては、フォームの導入が、もう一方の「車輪」の整備のきっかけになる可能性(例えばACLSのように)があることも鑑みる価値はあると思う。現場で患者の個別化されたケアの実践に取り組み家庭医としては、システマティックでなくとも、出来ることがあるように感じる。
    
  例えば、我々にでも以下のような活動は出来るかもしれない。
      
       都市部;自分が受ける治療に対して希望があり意識が高い患者とのコミュニケーションに利用する
      
       郡部;こうした概念自体の存在をチームでシェアして、特にリスクが高くかつ地域から出ていく可能性が低い集団(グループホームや特養の利用者)に関わる職種と勉強会やシステムの導入を試みる

・皆さんの普段のこうした分野でのプラクティスや工夫・実践・経験についてお伺いしたい。

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【開催日】
2011年12月7日

あるレジデンシーでの質的研究を用いた探索的な評価ツール開発 レジデンシー特有の能力とその熟達化を言語化し、その評価を研修場所毎に開発した軌跡

【文献名】
Baglia J et al. Generating developmentally appropriate competency assessment at a family medicine residency. Fam Med. 2011 Feb;43(2):90-8.

【要約】

<BACKGROUND AND OBJECTIVE>
Ten years after the Accreditation Council for Graduate Medical Education’s (ACGME) mandate that residency programs evaluate learners’ competency, research is needed to guide efforts to meet this challenge. During an innovative residency redesign, the authors developed a process to effectively measure “competence.” This particular family medicine residency admits six residents per class year and is sponsored by an academic community hospital. Our objective was to generate developmentally appropriate observable behaviors that assess competencies.

<METHODS>
Eight steps guided the development of this assessment system: 
(1) Generate residency-specific competencies, 
1. Relationship-centered care,
2. comprehensive care,
3. information literacy and knowledge creation,
4. leadership and change management, 
5. community health partnership, 
6. lifelong learning, and 
7. self care.

(2) Define residency-specific competencies, 

(3) Identify principles of assessment, 
1. direct observation is ideal and includes both assessment and feedback, 
2. multiple methods are appropriate,
3. assessment is consistent to the extent that visible behaviors are identified, and variations of interpretation are minimized, 
4. assessment and feedback are timely and expected, and 
5. effective assessment practices are dependent upon ongoing faculty development.

(4) Compose and analyze narratives of excellence within each competency, 

(5) Distill standard statements from narratives and organize into Dreyfus levels of competence, 

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(6) Derive observable behaviors from standard statements to directly correlate behaviors and competency levels,

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(7) Design assessment tools (based on observable behaviors) for six residency learning sites, and

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(8) Translate assessment tools for ACGME competencies.

<RESULTS>
The results of this process include an assessment system that 

(1) features six tools used with strategic frequency throughout the academic year and 

(2) generates global assessment of residents’ performance in both ACGME and residency-specific competencies.

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<CONCLUSIONS>
Narrative reflection was an effective method to tie observable behaviors to competencies. The process was time intensive; however, greater efficiency and enthusiasm is expected in the use of these assessment tools, with greater confidence in the program’s capacity to assess training outcomes. Future research should include comparison of these tools with those of other programs.

【開催日】
2011年11月2日

携帯電話と中枢神経系腫瘍

【文献名】
Patrizia Frei et al. Use of mobile phones and risk of brain tumours: update of Danish cohort study.BMJ 2011;343:d6387 doi

【要約】

<Objective>
携帯電話の加入者における中枢神経系の腫瘍のリスクを調査するため

<Design> 
コホート研究

<Setting>
デンマーク

<Participants> 
1925年以降にデンマークで生まれた30歳以上のすべてのデンマーク人。1995年以前から携帯電話に加入していたか否かでさらに区別

<Main outcome measures> 
中枢神経系の腫瘍のリスク。対数線形モデルを用い年齢・教育・収入を調整した、性別による罹患率比。

<Result> 
・358,403人の参加者。累積3,800,000人年。
・1990-2007の追跡にて10,729の脳腫瘍の事例。
・男女のリスクは同様
・13年以上使用している人に限定した場合、罹患率比は男性が1.03(95%CI 0.83-1.27)、女性が0.91(95%CI 0.41-2.04)
・10年以上使用している人では、罹患率比は
gliomaに関しては男性が1.04(95%CI 0.85-1.26)、女性が1.04(95%CI 0.56-1.95)
meningiomaに関しては男性が0.90(95%CI 0.57-1.42)、女性が0.93(95%CI 0.46-1.87)
・使用年数や腫瘍の解剖学的部位に容量-反応関係はみられず

<Conclusion> 
このコホート研究においては、携帯電話の使用により中枢神経系の腫瘍のリスクの増大は見られなかった。

【開催日】
2011年11月26日

急性単純性虫垂炎に対して抗生剤と虫垂切除術のどちらが有効か?

【文献名】
Vons C,et al. Amoxicillin plus clavulanic acid versus appendicectomy for treatment of acute uncomplicated appendicitis an open-label, non-inferiority, randomised controlled trial. Lancet. 2011 May 7;377(9777):1573-9.

【要約】
<BACKGROUND>
Researchers have suggested that antibiotics could cure acute appendicitis. We assessed the efficacy of amoxicillin plus clavulanic acid by comparison with emergency appendicectomy for treatment of patients with uncomplicated acute appendicitis.

<METHODS>
In this open-label, non-inferiority, randomised trial, adult patients (aged 18-68 years) with uncomplicated acute appendicitis, as assessed by CT scan, were enrolled at six university hospitals in France. A computer-generated randomisation sequence was used to allocate patients randomly in a 1:1 ratio to receive amoxicillin plus clavulanic acid (3 g per day) for 8-15 days or emergency appendicectomy. The primary endpoint was occurrence of postintervention peritonitis within 30 days of treatment initiation. Non-inferiority was shown if the upper limit of the two-sided 95% CI for the difference in rates was lower than 10 percentage points. Both intention-to-treat and per-protocol analyses were done. This trial is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT00135603.

<FINDINGS>
Of 243 patients randomised, 123 were allocated to the antibiotic group and 120 to the appendicectomy group. Four were excluded from analysis because of early dropout before receiving the intervention, leaving 239 (antibiotic group, 120; appendicectomy group, 119) patients for intention-to-treat analysis. 30-day postintervention peritonitis was significantly more frequent in the antibiotic group (8%, n=9) than in the appendicectomy group (2%, n=2; treatment difference 5•8; 95% CI 0•3-12•1). In the appendicectomy group, despite CT-scan assessment, 21 (18%) of 119 patients were unexpectedly identified at surgery to have complicated appendicitis with peritonitis. In the antibiotic group, 14 (12% [7•1-18•6]) of 120 underwent an appendicectomy during the first 30 days and 30 (29% [21•4-38•9]) of 102 underwent appendicectomy between 1 month and 1 year, 26 of whom had acute appendicitis (recurrence rate 26%; 18•0-34•7).

<INTERPRETATION>
Amoxicillin plus clavulanic acid was not non-inferior to emergency appendicectomy for treatment of acute appendicitis. Identification of predictive markers on CT scans might enable improved targeting of antibiotic treatment.

【開催日】
2011年11月26日

Clinical Prediction Rules その特徴・弱点は?

【文献名】

Gavin Falk, clinical research fellow, Tom Fahey, professor of general practice.
Diagnosis in General Practice: Clinical prediction rules BMJ 2009;339:(Published 7 August 2009) 

【要約】

<Clinical Prediction Ruleとは何か?>

Clinical Prediction Ruleは、症状・徴候・診断的検査を組み合わせて点数化し、その結果から、対象となる疾患を持つ可能性に応じて、患者を層別化する。その際に注目されるアウトカムは多種多様で、診断・予後・治療全般に用いられる。



Clinical Prediction Ruleは一般的に臨床応用されるまでに3つの段階を踏む。

①ルールの開発;探索的因子(症状・徴候・診断的検査)の単独もしくは組み合わせでの影響を確認する段階。

②より狭いまたは広い範囲での妥当性確認;異なる集団での妥当性を調査する段階
③Impact analysis;RCTを用いてClinical Prediction Ruleが患者アウトカム・臨床家の行動・資源利用などに与える影響を調べる段階。例としては、CAGE questionnaireが挙げられる。



<どんな時に用いられるか?>
最もよく用いられるのは、疾患の存在する可能性をより洗練して見積もる段階においてである(下記Fig1参照)。適応するためには、ベイズの定理(事前確率を見積もり、尤度比から事後確率を導き出す)の考え方が必要である。例えばプライマリケアセッティングでは、疾患の除外を行ったり、注意深い経過観察が適切と考えるための根拠がほしい場面が多い。そのような状況では、感度が高く、NPV(陰性適中率)が低いRuleが適切である。
(Bayesの定理においてClinical Prediction Ruleを組み合わせた具体的な利用例がノモグラム併記で原文にあります。ご参照ください。)



<どんな時に誤りが起こるか?>
一般的な診断的検査と同様に、その妥当性や臨床上での適応性に影響を与えるバイアスに弱い。
ヒューリスティック※1は状況が単純であればうまくいくのだが、状況が複雑になってくると誤まった判断の原因となる。
しばしばルールの適応時に起こり得るエラーは、

①疾患の事前確率を見誤る場合
例;利用可能性バイアス 非常に強烈だったり、印象に残りやすい出来事、例えばまれだが記憶に残る疾患 の可能性を高く見積もってしまう)

②ルールの開発時の手法的問題によって誤りが起こる場合
例;ルールの正確性が確認された母集団と、ルールが適応された患者が臨床的に異なったスペクトラムを持っていた場合。(※発表者捕捉この場合はスペクトラムバイアスといって、診断的検査が持つ感度と特異度は変化してしまうため、ルール自体の性能が変わってしまう。) 通常はルールが開発された際の母集団の方が重症で進行した疾患であることが多いため、感度・特異度ともに実際よりも大きく見積もられがちになる。

③ルールにおける量的な見積もりが不正確な場合、そのルールからくる診断的・予後的・治療的な推奨はさらに不確かなものになってしまう。
プライマリケアセッティングにおけるPrediction Ruleの応用の難しさは、CRB-65スコア(肺炎の予後推定スコア)においてもわかる。プライマリケアセッティングで応用されたときに、スコアは低リスク群の患者を的確に導き出したが、では、どこで紹介を考慮すべきなのか、そしてそれがどの程度その後のマネージや生存率を変えるのかについてははっきりしなかったのである。



<どのようにして(弱点を)改善することができるのか?>

・Clinical Prediction Ruleの導入・報告のための、標準的な方法論が報告されている。STARD※2と呼ばれるフレームワークがおそらくはルールの開発・報告の質を上げるだろうし、特にスペクトラムバイアスや選択バイアスへの対策となるだろう。



・近日は、サンプルサイズを多くして、ルールの正確性を改善させようとする試みもなされている。例えば、
UKのプライマリケアでは咽頭痛に関する合併症を予測する臨床的な特徴を割り出すために18000人の咽頭痛患者を蓄積しての研究がおこなわれている。www.descarte.co.uk



・最後に、ルールを正確に想起し、適応するためのコンピューターによるシステム(clinical decision support systems)が開発されつつある。



【参考】

※1ヒューリスティック;人が複雑な物事を分析したり、解決したりするときに、暗黙で用いている簡便な解法や法則を指す。分類として、「代表性」、「利用可能性」、「固着性」といったものがある。

「代表性ヒューリスティック」;特定のカテゴリーに該当しやすいと思われる事柄の確率を過大に評価する。 消化性潰瘍=腹痛と、代表させてしまうと、腹痛がない患者において潰瘍の可能性を不適切に棄却してしまう。(実際には腹痛がない消化性潰瘍はかなりの割合で存在する)
一般的に診断が「難しい」とされる疾患群は「我々の代表的と思っている特徴」と「実際の特徴」のずれが大きいことが多いようです。(例;感染性心内膜炎、大動脈解離、肺血栓塞栓症)

「利用可能性ヒューリスティック」;上述。

「固着性ヒューリスティック」:アンカリング、ともいう。初めに「これだ!」と思ったものからなかなか離れられない。例;胸痛+ST上昇⇒MIと思ってしまうと、なかなか大動脈解離は思い浮かばない。



※2 STARD;http://www.bmj.com/content/326/7379/41.1.full.pdf ←を参照ください。


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Fig 1 Stages and strategies in arriving at a diagnosis



【開催日】

2011年9月28日

交渉における感情の影響

【文献名】
ロジャー・フィッシャー & ダニエル・シャピロ 著、新ハーバード流交渉術‐感情をポジティブに活用する‐、原著名”Beyond Reason -Using Emotions as You Negotiate-“



【要約】

感情は合理的な思考を妨げるものと捉えられがちだが、ポジティブな感情を刺激することができれば交渉が上手く運ぶこともある。ただし、感情そのものではなく、その原因となっている根本的欲求の問題を解決するという考え方が重要である。自分が現在持っている感情とその原因全てを理解しようとするよりも、皆が共有する5つの欲求に焦点を当てる方が現実的である。



1.価値理解

相手の考え方を理解すること、相手が考え、思い、行うことに価値を見出すこと、そして、こうして理解したことを言葉や行動を通して相手に伝えることによって成立する。これは価値を認める行為であり交渉懸案に関する同意でも譲歩ではない。


2.つながり

共同作業にはつながりが重要である。互いを仲間と思えるような構造的なつながりを探索したり、秘密をうちあけるような個人的なつながりを築く。

3.自律性

だれでも自由に意思決定をしたり、他人の意思決定に影響を与えたいという欲求がある。自らの自律性を拡大しつつ、相手の自律性も侵害しないことは可能。「決める前に相談することを考えよ(CCBD:Consider Consulting Before Deciding)」

4.ステータス

見下されてよく思う人はいない。人それぞれが様々な分野でステータスを持ち得ることを認める。

5.役割

不十分な役割しかはたしていないと自分が取るに足りない存在であると思ったり、活力を失ったりする。従来型の役割に満足が得られる活動内容をとり入れて役割をつくりかえることが可能である。また、共同作業が行えるように一時的な役割を自由に選択することもできる。




【開催日】
2011年10月19日

高齢者に対する帯状疱疹ワクチンと帯状疱疹

【文献名】

Tseng HF, Smith N, Harpaz R, et al. Herpes zoster vaccine in older adults and the risk of subsequent herpes zoster disease. JAMA 2011; 305:160.



【要約】

<Context> 
Approximately 1 million episodes of herpes zoster occur annually in the United States. Although prelicensure data provided evidence that herpes zoster vaccine works in a select study population under idealized circumstances, the vaccine needs to be evaluated in field conditions.



<Objective> 
To evaluate risk of herpes zoster after receipt of herpes zoster vaccine among individuals in general practice settings.



<Design, Setting, and Participants> 
A retrospective cohort study from January 1, 2007, through December 31, 2009, of individuals enrolled in the Kaiser Permanente Southern California health plan. Participants were immunocompetent community-dwelling adults aged 60 years or older. The 75 761 members in the vaccinated cohort were age matched (1:3) to 227 283 unvaccinated members.



<Main Outcome Measure> 
Incidence of herpes zoster.

<Results> 
Herpes zoster vaccine recipients were more likely to be white, women, with more outpatient visits, and fewer chronic diseases. The number of herpes zoster cases among vaccinated individuals was 828 in 130 415 person-years (6.4 per 1000 person-years; 95% confidence interval [CI], 5.9-6.8), and for unvaccinated individuals it was 4606 in 355 659 person-years (13.0 per 1000 person-years; 95% CI, 12.6-13.3). In adjusted analysis, vaccination was associated with a reduced risk of herpes zoster (hazard ratio [HR], 0.45; 95% CI, 0.42-0.48); this reduction occurred in all age strata and among individuals with chronic diseases. Risk of herpes zoster differed by vaccination status to a greater magnitude than the risk of unrelated acute medical conditions, suggesting results for herpes zoster were not due to bias. Ophthalmic herpes zoster (HR, 0.37; 95% CI, 0.23-0.61) and hospitalizations coded as herpes zoster (HR, 0.35; 95% CI, 0.24-0.51) were less likely among vaccine recipients.



<Conclusions> 
Among immunocompetent community-dwelling adults aged 60 years or older, receipt of the herpes zoster vaccine was associated with a lower incidence of herpes zoster. The risk was reduced among all age strata and among individuals with chronic diseases.



【ディスカッション】
 This result shows 55% reduction of Herpes Zoster patients compared with unvaccinated ones and NNP(Number needed to prevent) for 3 years is 71 individuals. But, vaccine price is $161.50 and probably it will be difficult to be paid by public money. Then I want to evaluate cost-effectiveness for this vaccine.
  The over all cost to prevent 1 patient for 3 years is $11466.5. If this effect remains for 10 years, this cost will be lowered to $3,440. And we have to consider the incidence of PHN in Herpes Zoster patients, which is 6.9-18.5% (Mean 12.7%). So The cost to prevent 1 PHN patient for 10 years is $27,085 (\2,085,540). The drug price of post-herpetic neuralgia is \458/day (Pregabalin 300mg/day). So the cost to treat one patient for 10 years is \1,671,700.
  How do you think about this data? Do you want to adopt this vaccine in your clinic and town?

【開催日】
2011年10月19日

便潜血陽性の高齢者の長期予後

【文献名】
Christine E. Kistler, Katharine A. Kirby, et al. Long-term Outcome Following Positive Fecal Occult Blood Test Results in Older Adults. Arch Intern Med. 2011;171(15):1344-1351.

【要約】
<Background>
In the United States, older adults have low rates (fewer than 60%) of follow-up colonoscopy after a positive fecal occult blood test (FOBT) result. The long-term outcomes of these real world practices and their associated benefits and burdens are unknown.

<Goal>
To inform how clinical practice could improve to maximize the net benefit of FOBT screening and follow-up in older adults.

<Methods>
Longitudinal cohort study of 212 patients 70 years or older with a positive FOBT result at 4 Veteran 
Affairs (VA) facilities in 2001 and followed up through 2008. We determined the frequency of downstream outcomes duringthe7years of follow-up, including procedures, colonoscopic findings, outcomes of treatment, complications, and mortality based on chart review and national VA and Medicare data. 
Net burden or benefit from screening and follow-up was determined according to each patient’s life expectancy. Life expectancy was classified into 3 categories: Best (age, 70-79 years and Charlson-Deyo comorbidity index [CCI], 0), average, and worst (age, 70-84 years and CCI, >=4 or age, >=85 years and CCI, >=1).

<Results>
56 % of patients received follow-up colonoscopy (118 of 212), which found 34 significant adenomas and 6 cancers. 10% experienced complications from colonoscopy or cancer treatment (12 of 118). 46 % of those without follow-up colonoscopy died of other causes within 5 years of FOBT (43 of 94), while 3% (3 of 94) died of colorectal cancer within 5 years (Figure1). 87% of patients with worst life expectancy experienced a net burden from screening (26 of30) as did 70% with average life expectancy (92 of 131) and 65% with best life expectancy (35 of 51) (P=.048 for trend) (Figure2).

<Conclusions>
Over a 7-year period, older adults with best life expectancy were less likely to experience a net burden from current screening and follow-up practices than are those with worst life expectancy. The net burden could be decreased by better targeting FOBT screening and follow-up to healthy older adults.
Figure1

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Figure2

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※Charlson-Deyo comorbidity index (Wikipedia)
The Charlson co-morbidity index predicts the ten-year mortality for a patient who may have a range of co-morbid conditions such as heart disease, AIDS, or cancer (a total of 22 conditions). Each condition is assigned with a score of 1,2,3 or 6 depending on the risk of dying associated with this condition. Then the scores are summed up and given a total score which predicts mortality.
The clinical conditions and scores are as follow: 1 each: Myocardial infarct, congestive heart failure, peripheral vascular disease, dementia, cerebrovascular disease, chronic lung disease, connective tissue disease, ulcer, chronic liver disease. 2 each: Hemiplegia, moderate or severe kidney disease, diabetes, diabetes with complication, tumor, leukemia, lymphoma. 3 each: Moderate or severe liver disease. 6 each: Malignant tumor, metastasis, AIDS.
For a physician, it is helpful in knowing how aggressively to treat a condition. For example, a patient may have cancer, but also heart disease and diabetes so severe that the costs and risks of the treatment outweigh the short term benefit from treatment of the cancer.
Since patients often do not know how severe their conditions are, originally to calculate the index nurses were supposed to go through the patient’s chart and determine whether the patient had a particular condition. Subsequent studies have adapted it to a questionnaire for patients.
The original citation follows: Charlson ME, Pompei P, Ales KL, MacKenzie CR (1987). A new method of classifying prognostic comorbidity in longitudinal studies: development and validation. J Chron Dis, 40(5): 373-383.

【開催日】
2011年10月12日

外来中の患者家族メンバーとの相互作用について

【文献名】

FOLASHADE S. OMOLE, MD; CHARLES M. SOW, MD, MSCR; EDITH FRESH, PhD; DOLAPO BABALOLA, MD; and HARRY STROTHERS III, MD. Interacting with Patients’ Family Members During the Office Visit. Am Fam Physician. 2011;84(7):780-784.



【要約】
医師患者関係は患者のより大きな社会システムの一部分であり、患者家族によって影響を受ける。患者家族メンバーは外来での貴重な情報源であり、正確な診断と治療戦略を立てるのに協力してくれる存在になりうる。しかしながら、医師、患者、家族メンバー間で形成される同盟関係を維持するために、関係を呼び掛ける時に医師は適切なバランスを保つ事が重要である。患者中心の医療現場では、患者をケアするコンセプトが医師、患者、患者家族メンバー間の力動に対処するのを助け、そして医師、患者、患者家族メンバー間の強いパートナーシップに影響を与える。外来では、このパートナーシップは民族性、文化的な価値観、病に関する信念、患者や家族の宗教によって影響を受ける。医師は外来で異常な家族力動を認識し、三角関係の位置を避け、中立関係を保つようふるまうべきである。虐待や無視を疑った場合は中立性を保つべきではない。外来で患者が医師とプライベートにコミュニケーションをとる時間が必要になる時もあるという事が重要な事である。



【開催日】

2011年10月12日

Do you want to know the natural history of headache?

【文献名】

Magnitude, impact, and stability of primary headache subtypes: 30 year prospective Swiss cohort study.
Merikangas KR, Cui L, Richardson AK, Isler H, Khoromi S, Nakamura E, Lamers F, Rossler W, Ajdacic-Gross V, Gamma A, Angst J.
BMJ. 2011 Aug 25;343:d5076. doi: 10.1136/bmj.d5076.



【要約】

<Objective>

To determine the prevalence, impact, and stability of different subtypes of headache in a 30 year prospective follow-up study of a general population sample.



<Design>

Prospective cohort study.



<Setting>
Canton of Zurich, Switzerland.



<Participants> 
591 people aged 19-20 from a cohort of 4547 residents of Zurich, Switzerland, interviewed seven times across 30 years of follow-up.



<Main outcome measures>

Prevalence of headache; stability of the predominant subtype of headache over time; and age of onset, severity, impact, family history, use of healthcare services, and drugs for headache subtypes.



<Results>

The average one year prevalences of subtypes of headache were 0.9% (female:male ratio of 2.8) for migraine with aura, 10.9% (female:male ratio of 2.2) for migraine without aura, and 11.5% (female:male ratio of 1.2) for tension-type headache. Cumulative 30 year prevalences of headache subtypes were 3.0% for migraine with aura, 36.0% for migraine without aura, and 29.3% for tension-type headache. Despite the high prevalence of migraine without aura, most cases were transient and only about 20% continued to have migraine for more than half of the follow-up period. 69% of participants with migraine and 58% of those with tension-type headache manifested the same predominant subtype over time. However, the prospective stability of the predominant headache subtypes was quite low, with substantial crossover among the subtypes and no specific ordinal pattern of progression. A gradient of severity of clinical correlates and service use was present across headache subtypes; the greatest effect was for migraine with aura followed by migraine without aura, and then tension-type headache and unclassified headaches.



<Conclusions>

These findings highlight the importance of prospective follow-up of people with headache. The substantial longitudinal overlap among subtypes of headache shows the developmental heterogeneity of headache syndromes. Studies of the causes of headache that apply diagnostic nomenclature based on distinctions between discrete headache subtypes may not capture the true nature of headache in the general population.



【開催日】

2011年10月5日