正常体重で中心性肥満は死亡率とどう関係する?

-文献-
Karine R.et al.Normal-Weight Central Obesity: Implications for Total and Cardiovascular Mortality.Ann Intern Med. 2015;163(11):827-835.

-要約-
【背景】
 中心性肥満とBMI正常である成人の生存率との関係性はよくわかっていない。
【目的】
 中心性肥満かつ正常BMIである者と総死亡と心血管死亡リスクを調べること。
【デザイン】
 層化多段確率抽出法
【セッティング】
 第3次全米健康栄養調査 NHANES III (Third National Health and Nutrition Examination Survey)
【対象】
 18~90歳の15,184人(女性52.3%)
【方法】
 多変量コックス比例ハザードモデルを用い肥満のパターン(BMIとwaist-to-hip ratio (WHR))と総/心血管死亡リスクを交絡因子を調整したうえで求めた。
【結果】
 正常体重かつ中心性肥満者が最も長期生存率が悪かった。例えば、BMI正常(22kg/m2)かつ中心性肥満はBMI正常かつ中心性肥満がない者よりもハザード比1.87[95%CI 1.35-1.62]と最も死亡リスクが高く、肥満気味かつ中心性肥満のない者と比べるとハザード比2.24 [CI, 1.52 to 3.32]もしくは肥満かつ中心性肥満がない者ハザード比2.42 [CI, 1.30 to 4.53]であった。女性では正常体重かつ中心性肥満は正常体重かつ中心性肥満のない者に比べて高い死亡率であった。BMI正常かつ中止性肥満がある者とではハザード比1.48 [CI, 1.35 to 1.62]であり、BMI肥満があり中心性肥満がない者とではハザード比1.32 [CI, 1.15 to 1.51]であった。予測推定生存は年齢とBMIで調整した場合、常に中心性肥満がある者が短い結果となった。  
【研究限界】
 脂肪分布を身体計測でのみしか評価しなかった点。併存疾患を自記式にて情報収集した点。
【結語】
 正常BMIだが中心性肥満の者はBMIにて肥満がある者よりも死亡率が高いことが分かった。またそれは中心性肥満がない者との間で顕著に死亡率の差があった。
【primary funding source】
National Institutes of Health, American Heart Association, European Regional Development Fund, and Czech Ministry of Health

-考察とディスカッション-
 今回は米国大規模コホート研究において正常体重でありながら中心性肥満を有した成人が最も長期生存予後が悪い結果となった。今までのAHA/ACC/Obesity SocietyのガイドラインでもBMIが高値の場合にのみ腹囲を測定するよう推奨されているにすぎず、WHRの計算は推奨されておらず、BMIが正常であれば脂肪分布は全く考える必要がないとされていた。
今回の結果を受けて、研究限界や人種の差、測定の煩雑さなどの適応の限界はあるとはいえ、中心性肥満への関心が自分としては高まった。
 さて、皆さんは今まで中心性肥満をどのように捉え活用されていましたか?また、本結果をどのように臨床現場に活用できそうでしょうか?

【開催日】
 2016年3月16日(水)












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