継続性の定義など文献レビュー

-文献名-
①John W. Saultz.Defining and measuring interpersonal continuity of care.Ann Fam Med. 2003 Sep-Oct;1(3):134-43.
②John W. Saultz.Interpersonal Continuity of Care and Patient Satisfaction: A Critical Review.Ann Fam Med. 2004 Sep; 2(5): 445–451.
③John W. Saultz.Interpersonal continuity of care and care outcomes: a critical review.Ann Fam Med. 2005 Mar-Apr;3(2):159-66.

-要約-
①interparsnal continuityの定義と測定方法
【背景】
 患者医師間の継続性の重要性を考えるために、対人関係性の継続性を定義するため、またどの程度測定され研究されているのかを確認するために対人関係における継続性に対する文献をレビューした。
【方法】
 1966年から2002年4月までのMEDLINEを検索した。タイトルとabstractを患者医師間の対人関係性の継続性を論じた文献か、もしくは継続性の定義に焦点を当てている文献かスクリーニングした。システマチックレビューを行い、研究手法、測定技術、研究テーマを分析した。
【結果】
 総合診療に貢献するであろう継続性に関する原著論文を379個見出した。うち152個が継続性の定義、もしくは医師患者関係における対人関係の継続性の概念と直接関係していた。継続性の定義に関係した文献はほとんどなかったが、3つの階層構造が最もよく定義されていた。その3つは情報、縦断的、対人関係における継続性であった。対人関係性の継続性はプライマリケアにとっては特に関心が高いところである。21の測定技術が継続性を研究するために定義されていた。それらの多くは対人関係の継続性を扱うというよりは受診パターン、受診密度に関するものであった。
【まとめ】
 家庭医療分野において継続的なケアにおける対人関係性を理解していくことにより一層焦点を当てていくべきである。

②患者満足度への影響
【背景】
 対人関係における継続性と患者満足度の間における関係性についての医学論文をレビューし、将来の本トピックに関する研究手法を考えたい。
【方法】
 対人関係における継続性に焦点を当てた文献を1966年~2002年4月までの期間でMEDLINEを用いて検索した。得られた文献を対人関係における継続性と患者満足度の関係性について論じている文献を選んだ。そして研究手法、測定方法、エビデンスの質に関してシステマチックレビュー、分析を行った。
【結果】
 30個の文献を抽出した。うち22個が原著論文であった。うち19個の中で、4つが臨床研究で対人関係における継続性が存在していると患者満足度が優位に高いとの結果であった。
【まとめ】
 利用可能な文献は方法論的な問題はあるものの、対人関係における継続性と患者満足度の間に一貫して有意な正の相関を認めた。どの患者に対しても、もしくはプライマリケアにおいて医師とのより良い関係を求めている患者に対しても同様のことが言えるかを今後の研究で明らかにしたい。

②ケアのアウトカム、コストへの影響
【背景】
 対人関係における継続性とヘルスケアのアウトカム、コストの間における関係性についての医学論文に対して批判的レビューを行った。
【方法】
 対人関係における継続性とヘルスケアのアウトカムに焦点を当てた文献を1966年~2002年4月までの期間で英語論文を対象にMEDLINEを用いて検索した。得られた文献を対人関係における継続性とアウトカムの関連について論じている文献を選んだ。そして異なる2名の研究者によって研究手法、測定方法、エビデンスの質に関してシステマチックレビュー、分析を行った。(本来はメタアナリシスを行う予定であったが、研究手法やアウトカムやコストの設定が異なるため実施できなかった。)
【結果】
 対人関係における継続性とアウトカムの関係性について40個の研究の結果を報告した41個の文献が得られた。それらの中では81個のアウトカム指標が報告されていた。51個のアウトカム(予防医療、入院率、医師患者関係、慢性疾患管理、妊娠ケア)で有意な改善を示しており、2つのみ(扁桃摘出、ホルモン置換療法)が優位に悪い結果であった。対人関係における継続性とコストの関係性については20個の研究結果を報告した22個の文献が得られた。41個の変動コストのうち35個が著明にコスト削減と関連しており、2つ(処方数増加、専門医紹介の増加)がコスト高、4つが差なしであった。
【まとめ】
 利用可能な文献は方法論的な問題はあるものの、対人関係における継続性と予防医療の改善、入院を減らすことと著明に関係しているだろう。今後より特異的で測定可能なアウトカムとより直接的なコストを特定すべきであり、対人関係における継続性をより明確に定義し測定できるよう探求すべきである。

【開催日】
 2016年7月20日(水)












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