1世代のうちに格差をなくそう:健康の社会的決定要因に対する取り組みを通じた健康の公平性

―文献名―
Commission on Social Determinants of Health. Closing the gap in a generation: health equity through action on the social determinants of health. Geneva: World Health Organization, 2008.

―要約―
委員会は、一世代のうちに健康格差をなくすことを求める
社会正義は生と死に関わることである。それは人々の生き方や、それに伴って生じる病に かかる可能性や、早世の危険に影響するものである。私たちは、一方では世界の特定の地域で平均余命と健康状態が改善し続ける様子に感嘆し、他方では、別の地域でそうした改 善が見られないことに懸念を抱く。今日生まれた女の子がある国では 80 歳以上まで生きる と期待できるのに、別の国では45歳まで生きられないと予測される。同じ国の中であっても、社会的不遇の程度と密接に関係した劇的な健康格差が存在する。同じ国内であれ、異 なる国の間であれ、このような格差は決して起こるべきではない。
これらの健康の不公平、つまり避けることが可能な健康の格差は、人々が成長し、生活し、 労働し、老いていく環境と、既存の保健医療システムが原因となって生じる。人々が生まれ、死にゆく環境条件を形成するのは、政治的、社会的、経済的な諸力である。政治政策および経済政策は、子どもが成長して潜在能力を全開させ、生き生きした生活を送ることができるか、それとも荒廃した生活を送ることになってしまうかを左右する。豊かな国でも貧しい国でも、解決すべき健康問題の本質は収束する傾向にある。ある社会の発展の水準は、その社会の貧富の程度にかかわらず、そこに暮らす人々の健康状態や、健康がいかに公平に社会階層の別なく保障されているか、そして健康障害による不遇から人々が保護されているかによって判定できる。「健康の社会的決定要因に関する委員会」は、2005年WHOにより、社会正義の精神にもとづいて、健康の公平性を促進するために必要な証拠(エビデンス)を揃え、健康の公平性の達成に向けた世界的な運動を前進させるために設置された。
本委員会は、WHOおよびすべての政府に対して、健康の公平性を達成するために、健康の社会的決定要因に関して国際的な取り組みを先導することを求める。いまこそ各国政府や市民社会、WHO、そしてそのほかの国際機関が、世界の人々の生活を改善するために連帯して行動を起こすことが不可欠である。一世代で健康の公平性を達成することは、可能であり、正義であり、いまこそそれをなすべき時である。

<委員会の主要な勧告>
1. 日常生活状況を改善する
・初め(幼年期)から公平性を保証する
健康な場所でこそ人々は健康になる
・公正な雇用と適切な労働
・ライフコースを通じた社会保障
国民皆健康保険
2. 権力、資金、リソースのし不公平な分配に対処する
・全ての政策、システム、事業において健康の公平性を考慮する
・公正な資金供給
・市場の責任
・ジェンダーの公平
政治的エンパワメント〜包摂(Inclusion様々な集団を含む)と発言権
・良好なグローバル・ガバナンス
3. 問題を測定して理解し、対策の影響を評価する
・健康の社会的決定要因:モニタリング、研究、そして訓練

<実践者>
・多国間機関
・WHO
・国と地方自治体
市民社会:政策、計画、事業及び評価への参加
:業績の監視
・民間部門
・研究機関

【開催日】
2017年10月4日(水)












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