生まれ順という視点~自己洞察や家族志向型ケア、人財マネージメントへ

―文献名―
「相性が悪い!」 島田裕巳著 新潮新書 2003年

―要約―
<兄弟姉妹を区別する文化>
 私たち日本人は、兄と弟、姉と妹をつねに明確に区別して考えます。ところが欧米では、BrotherやSisterという言葉がありますが、兄elder brother 弟younger brotherという言葉があります。
言葉の使い方が異なる。日本の場合、自分の兄にむかって「兄さん」と呼びかけるが、欧米では「elder brother」と呼びかけることはない。John,Paulとはファーストネームで呼ぶのが普通である。兄弟や姉妹の中で上か下かあ余り意識されていない。Brother ,sisterという言葉は、修道士や修道女の間でもつかわれ、神のもとでは皆平等で同じ立場である、という考え方がある。
 中国では、兄は「ゴアーゴアー」、弟「ディーディー」姉「ジェジェ」妹「メイメイ」であって使い方は日本と同じ。韓国語では更に、兄と姉は弟からみるか妹からみるかで言い方が異なる。弟からみた兄は「ヒョン」、妹からみると「オッパ」、弟からみた姉は「ヌナ」で妹からみると「オンに」
日本、中国、韓国の東アジアの国々では、兄と弟、姉と妹をはっきり区別している。

<日常の表現として>
 二人の息子を抱える母親は、上の子どもに対しては「お兄ちゃん」と呼びかける。父親が自分の父親のことを子どもにいうときに「お父さん」といわずに「おじいさん」と呼んだりします。夫婦間でも妻が夫のことを「お父さん」と呼び、夫は妻のことを「お母さん」と呼びます。母親にとって、長男が自分の兄であるわけはありませんし、父親に取っての祖父は、こどもにとっての曾祖父になるはずです。どれもおかしな言い方なのですが、それが疑問をもたれずに使われているのは、そこに一定の規則があるからだ。「すべての家族のなかの最年少者が基準となっている」
 日本社会において、兄弟姉妹の中で何番目に生まれたかが重要になってくるのも、こうした家族や親族をどう呼ぶかという問題がかかわってきて、日常の暮らしの中でも大きな影響を与えている。
特に第一子の場合、家族内で「お兄ちゃん」「おねえちゃん」と呼ばれることが多く、自然と自分は家の立場なのだと自覚を持つようになります。それは夫婦についても「お父さん」と呼ばれる夫は、妻に対しても父親的な役割を果たすことが期待され、「お母さん」と呼ばれる妻にとっても、夫にとって母親としての役割を果たすことが求められる。クラブやバーの女性が、客から「ママさん」と呼ばれるのもその延長線上でのことでしょう。
「お兄ちゃん」と呼ばれてきた兄は、家族から離れた他人との人間関係でも、やはり兄であり、その場を仕切るようになっていく。

<そこにどういう人間関係があるか>
 上に生まれた人間は下に生まれた人間を甘やかし(面倒をみる側)、下の人間は上の人間に甘えます(面倒をみられる側)。重要なのは長男か長女かではなく、第一子か真ん中っ子か、末っ子なのかという点です。
第一子:仕切り屋、自分が思っていることでも口に出さない(プライドが許さない)、決断が唐突。
真ん中っ子:二刀流、甘える側・甘えさせる側のどちらもやれる。自意識が過剰。
末っ子:何でも口に出す、自分が考えたとおりに面倒をみようとする。言われればその通りにしてしまいがち。本音と建前の区別がうまくできないことあり。
一人っ子:妄想家

【開催日】
2014年11月19日(水)












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