プライマリ・ケアでのアルコール使用障害に対するスクリーニングや超ブリーフインターベンションの効果:実用的クラスターランダム化比較試験

-文献名-
Ryuhei So, Kazuya Kariyama, Shunsuke Oyamada, Sachio Matsushita,
Hiroki Nishimura, Yukio Tezuka, Takashi Sunami, Toshi A Furukawa, Ethan Sahker, Mitsuhiko Kawaguchi, Haruhiko Kobashi, Sohji Nishina, Yuki Otsuka, Hideyuki Kanda, Yasushi Tsujimoto, Yoshinori Horie, Hitoshi Yoshiji, Takefumi Yuzuriha, Kazuhiro Nouso
Effectiveness of screening and ultra-brief intervention for hazardous drinking in primary care: pragmatic cluster randomised controlled trial
BMJ 2025;390:e083985

-要約-
【研究の背景】
危険な飲酒はプライマリ・ケアの現場で約20%に見られる世界的な問題で、スクリーニングと短時間のカウンセリングからなるブリーフインターベンションが効果的な対処法として広く推奨されてきた。The Screening and Intervention Programme for Sensible drinking (SIPS)研究では、スクリーニング結果のフィードバックつきのリーフレットを渡す超ブリーフインターベンションが、より長時間かけるブリーフインターベンションと、危険飲酒の減少効果は同等であることを示した。しかし、超ブリーフインターベンションや時間をかけるブリーフインターベンションが、アセスメントだけをすることと比較して、等しく効果があるのかないのかは不明なままである。

【目的】
プライマリ・ケアの現場で危険な飲酒習慣を持つ患者に医師がスクリーニングを行い、1分未満の超ブリーフインターベンションをすると、飲酒量を評価するだけと比較して、飲酒量にどのような効果があるのかを調べる。

【デザイン】
 実用的クラスターランダム化比較試験

【セッティング】
アルコール依存症の患者会や、危険飲酒への通常のスクリーニングやブリーフインターベンションや治療を行っていない、40ヶ所の日本の診療所

【参加者】
20−74歳の危険飲酒(AUDIT−C 男性5点以上 女性4点以上)がある外来患者。

【介入】
超ブリーフインターベンション群(21診療所、531人の患者)またはただ評価するのみ(19診療所、602人の患者)に割り付けられ、介入群はAUDIT-Cに続いて1分以内で口頭でのアドバイスをしたりアルコールについてのリーフレットを渡したりした。対照群は単にAUDIT-Cでの評価のみを行うことを遵守した。

【結果の測定】
主要評価項目は24週間のフォローアップ期間の最後の4週間での総飲酒量。副次評価項目は12週間のフォローアップ期間の最後の4週間の総飲酒量および、12週と24週で測定された飲酒行動の変化への準備状況。

【結果】
24週の時点で、超ブリーフインターベンション群と対照群の総アルコール消費量の差は27.8g/4週間(-149.7-205.4)で、Hedges’gは0.02(ほとんど差がない)だった。12週時点では総アルコール消費量の差は54.9g/4週間でHedges’gは0.04(ほとんど差がない)だった。飲酒行動を変える準備度を数値化したもの(高いほど準備度が高い)は、12週で差0.25(95%CI:0.12-0.39)Hedges‘g0.21、24週で差0.19(0.05-0.32)Hedges’g0.16と、両方とも超ブリーフインターベンション群で評価だけ群より高かった。

【開催日】2026年7月8日(水)