~無症候性のABI低下患者へのアスピリンは血管イベント予防に効果がない~

【文献】
F Gerald R. Fowkes, Jacqueline F. Price Marlene C. W. Stewart at el: Aspirin for Prevention of Cardiovascular Events in a General Population Screened  for a Low Ankle Brachial Index. JAMA; 303 841-848, 2010.

【要約】

結論
 無症候性のABI低下患者におけるアスピリンは血管イベントを減少させない。

論文のPECO
P:
50-75歳で心血管疾患を持っていない男女28980人にABIを行い、0.90以下だった3350人をトライアルへ。
E:
アスピリン100mg
C:
プラセボ
O:
Primary;    初回の致死的・非致死的心血管イベント、脳卒中、血管再灌流の治療
Secondary; ①上記のPrimary+狭心症+間欠性跛行+TIA ②総死亡

妥当な文献か?二重盲検のRCTでITT分析されている。追跡期間の中央値は8.2年

メリット・デメリットの程度は?
Primary、Secondary共に、介入群と比較郡にて有意差を認めなかった。
                   Hazard Ratio    RRR     NNT
Primary endpoint      1.03(0.84-1.27)     -0.3%    -333
Secondary endpoint
 ①全ての血管イベント   1.00(0.85-1.17)     0.1%     840
 ②総死亡           0.95(0.77-1.16)     0.6%     169

Adverse eventとしては、Major hemorrhage(脳出血、SAH、消化管出血、その他)が介入群の方がHR 1.71(0.99-2.71)で多かった。
NNHは125

【開催日】
2010年6月16日