脳卒中2次予防の合剤に対する患者、介護者、総合診療医の考え

-文献名-
James Jamison, Jonathan Graffy, Ricky Mullis, Jonathan Mant, Stephen Sutton
Stroke survivors’, caregivers’, and GPs’ attitudes towards a polypill for the secondary prevention of stroke: a qualitative interview study. BMJ Open 2016 6 : doi: 10.1136/bmjopen-2015-010458

-要約-
Introduction
 脳卒中や一過性脳虚血発作を起こした患者では2次予防が必要となるが、それに必要な薬剤は抗血小板薬、抗凝固薬、高脂血症薬や降圧薬などの複数の薬剤を内服することになる。しかし、エビデンスに基づいたガイドラインが存在しているにも関わらず、その治療は推奨される基準を満たしていないことが多い。そのため、この研究では合剤についての患者、介護者、総合診療医の考えについて調べるために、インタビューを行い、質的に研究することを目的とした。

Method
 東イングランドの5つの診療所で質的インタビュー研究を行った。28名の患者、14名の介護者、5名の総合診療医にインタビューを行い、合剤に対する考えや将来の使用について分析した。

Results
 合剤の利点、合剤への心配、内服のための説明の3つのテーマが同定された。患者は合剤に対して肯定的に捉えており、飲み忘れが減って、治療を中断することが減るのと考えていた。介護者は薬を飲ませることが楽になると感じていた。総合診療医は心血管リスクの高い患者への処方には前向きであった。しかし、合剤に同等の治療効果があるのか、薬剤を組み合わせた時の副作用はどうか、ノンアドヒアランスの結果はどうなるのか、容量を調整する時に融通が利かないのではないか、現在の治療が中断してしまわないか、より広く脳卒中の患者に適応できるのかが懸念材料として出てきた。

Discussion
 サンプルサイズが限られているため、今回の結果が脳卒中患者に広く当てはまるかは不明であり、すべての総合診療医の考えを反映できていない可能性がある。 また、今回出てきたような懸念材料を解決するような研究が期待される。

【開催日】
 2016年6月22日(水)